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ベルギーに敗れた根本的原因 【スポーツ雑誌風】

 サッカー・ロシアワールドカップ。準々決勝で ベルギー が ブラジル を撃破したのを見ると,日本 は ベルギー とすごいゲームをしたのだということを改めて実感させられる。アディショナルタイムで決着するくらいの接戦だったことで,勝てたのではないかと評する有識者もいるが,たまたま試合展開がそうなっただけであって,ベルギー との力の差は歴然としていた。

 私は,ポーランド 戦があのような顛末になったとき,こういうサッカーをやると次のゲームでしっぺ返しが来るのではないかと嫌な予感がしていた。ポーランド 戦にやや後悔があったからこそ,ベルギー 戦では時間稼ぎをためらい,その結果あのカウンターをくらってしまったのだから,因果応報という気がしてならない。2戦続けてしたたかに戦う力は,今の日本代表には備わっていなかったのだ。

 ポーランド 戦でボール回しを始めたとき,私はガッカリした。もし セネガル が1点取ればグループリーグ敗退になってしまうからだ。他力本願という作戦は,成功すれば許されるが,失敗したら激しい後悔が残る。この作戦を擁護した人たちは,もし セネガル が同点に追いついていても,あの作戦は正しかったと言えただろうか? はっきり言って,結果論から擁護しているに過ぎないと思う。あの場面は,無理に攻めていく必要はないにしても,カウンターやミスに注意しながら隙があれば点を取りに行く,そういう試合運びをしてほしかった。もしそこで失点してしまうなら,それが実力だと思うしかない。カウンターをくらうリスクが高かったとのことだが,それはターンオーバーで起用した選手がうまく機能していなかったということだ。

 ポーランド 戦のターンオーバー(6選手入れ替え)は完全に失敗だった。主力を休ませることはできたが,最も休ませるべき 柴崎岳 を出場させたために,ベルギー 戦の後半でスタミナ切れし,岡崎慎司 は故障を再発させてしまった。これが,ベルギー 戦で有効な交代策を採れなかった要因となり,そのツケが ベルギー 戦の最後の最後に出てしまった。入れ替えは最大4人にとどめ,主力を後半早めに交代する,という策なら,失意の ポーランド を相手に負けることはなかったと私は思っている。

 しかし,薄氷のグループリーグ突破によって,ベルギー と戦うことができたことは 日本 にとって得難い経験になった。そして,ゲーム内容はそれ以上に貴重な経験になった。2点を先行したとき,日本 の多くのサポーターは「これで勝てる」というよりも「これで ベルギー が超本気になるけど大丈夫か」という気持ちになったのではないだろうか。そして,日本代表チームの監督もコーチも選手も,そう思ったのではないだろうか。このメンタルおよびマネジメントが,逆転を許した根本的な原因ではないかと私は考えている。

 これはゲーム前に書き残しておけばよかったと後悔しているのだが,日本 が ベルギー に勝つ最良のプランは,いかにして 2-0 というスコアを作れるかだと私は思っていた。ベルギー の得点能力は今回のワールドカップ参加国の中でもトップクラスであり,2点取られることは普通にあり得ると考えれば,日本が2点を取って初めて対等に戦えるのだ。そして 2-0 というスコアで後半の時間が過ぎていけば,ベルギー も焦ってきて1点以内に抑えられる可能性が高くなる。だから,スコアは 2-1 を目標にし,早い時間に2点取れたらさらに3点目を取って 3-2 で勝つことも考えるべきだった。

 前半を 0-0 でしのぎ,後半の早い時間に 2-0 になり最良の勝ちパターンになったはずが,どうやら 日本 チームはこの状況をあまり想定していなかったように見えた。0-0 か 1-1 で終盤を迎え,残り時間が少ない状況で勝ち越す,というプランを思い描いていたのではないだろうか。だが,もしその展開なら,日本 が勝ち越すより ベルギー が勝ち越す可能性の方が高いし,実際にもそうなってしまった。

 選手の談話でも「2点取った後の試合運びが中途半端だった」というような声があったが,再度ゲームを見直してみると,1点を返されるまでそれほど悪い試合運びではなかった。3点目を取りに行ったのは戦術の失敗と言う有識者もいるようだが,日本 の守備力では ベルギー 相手に2失点しない保証など全くないのだから,3点目を取りに行くのは当然の戦術ではないだろうか。攻撃か守備かという稚拙な2元論ではなく,失点しないことに通常より重きを置きながら得点を狙うべきだったのだ。よく考えればこれは 0-0 のときのサッカーと何も変わらない。2-0 になったときチームが「これで実質的に 0-0。ここからが本当の勝負だ」というメンタルだったら,結果は違っていたと思う。

 1失点目は取られ方がよくなかった。ふわっとした弾道のボールが運よくゴールに入ったのだが,傍目にはなぜあれが入ってしまうの?というようなゴールだった。あれは防ぎようがなかったという指摘が多いが,私は絶好調時の 川島永嗣 なら難なく防げたゴールのように感じた。ゴールになるヘディングが上がった瞬間,川島 はいったん小さく前にステップを踏んでおり,これがなければボールに手が届いたのではないだろうか。もったいない失点だったことは確かだ。

 こういうゴールはガクッと来てしまうもので,ベルギー の圧力を強く感じるメンタルになってしまったように見えた。どうも 日本 は「勝たなければいけないゲーム」になったときの心理的対処法が確立できていないと感じる。古くは2006年ドイツ大会の オーストラリア 戦がそうだし,今大会の コロンビア 戦も 1-0 になった後のゲーム運びは拙いものだった。2-0 が 2-1 になり,ベルギー は勢いがつき,追い上げられた 日本 は不安が出てしまった。これが 0-1 だったら,ここから何とかして同点に追いつくぞと開き直れたと思うのだが,2-1 の局面を 0-1 かのように振る舞うことができず,相手の圧力をまともに受けてしまった。かわす,いなすという考え方も必要だった場面であり,2-1 の状況をせめて後半35分くらいまで引っ張れていれば,相手も焦ってきて,そのまま勝ち切れた可能性が上がったはずだ。

 1失点目からわずか5分で2失点目を喫したところを見ると,結果論かもしれないが,1失点目の後すぐに 本田圭佑 を交代投入すべきだった。2-1 は私の考えでは実質負けている状況であり,早く手を打つ必要があったと思う。このタイミングで交代の手が打てなかったことも,2-0 から勝ち切るプランが描けていなかったと推察する理由の1つだ。攻撃的な交代か守備的な交代か,迷っている間に同点にされてしまった,という印象だった。これに関して,有効な交代策を打たなかったと指摘する有識者は多かったが,ではどんな策が有効だったかという点に言及する人はほとんどいなかった。唯一見たのは,高さで競り合える 植田直通 を投入せよ,というものだったが,ポーランド 戦にも出場させなかった 植田 を投入する選択は非現実的だ。ケガや不調で使えるコマがなかったのも事実で,交代で戦況を好転させることは ベルギー 戦においては難しかっただろう。仮に 2-1 の時点で交代しても,結果は同じだった可能性が高いとは思う。それでも,同じ後悔なら動いて後悔してほしかった。

 最後のカウンターは,あんなに鮮やかに決まる方が珍しい。ポーランドの レヴァンドフスキ があれほど簡単なカウンターのシュートを外すように,カウンターだって簡単ではない。だから,カウンターへの備えが不十分だったから負けた,というのは後付けの解説に過ぎない。実際に観戦していて,本田 がコーナーキックを蹴る時点で,カウンターの危険性を感じていた人はどのくらいいたのだろうか? その時点で感じていなかったのなら,備えが不十分だと指摘する資格はないだろう。あの状況でカウンターを仕掛けるチームの共通意識があり,あれだけのスピードでボールを運び,ルカク があの状況で冷静にスルーできる,ベルギー の技術を称えるしかないだろう。

 もしあの場面を反省するなら,むしろ,なぜ 本田 がゴールキーパーに簡単にキャッチされるようなコーナーキックを蹴ったのかに言及すべきだ。コロンビア 戦の成功体験が邪魔をしてしまったとの指摘もあったが,あの場面に限らず,高さのない 日本 の策としては,ニアに合わせるか,ファーから折り返すか,ショートコーナーで目先を変えるか,あたりではないだろうか。味方がニアに3人走りこんでいたのだから,ニアに合うキックを蹴れなかったことが大きな問題のように思う。

 最後のカウンターさえなければ…と悔やんでもどうにもならない。むしろ,ギリギリまで同点だったことが大健闘なのであり,2-3 の劇的な敗戦は 日本 に良い教訓をもたらしたと思うべきだ。もし延長戦に入っていたら,日本はスタミナが切れ,2-4 や 2-5 で負けていた可能性が高い。それよりはずっと良い結果だったと思いたい。

 決勝トーナメントで,得点,先制,複数得点,2点差リードは日本代表初の偉業である。そこで勝利まで得ようとは虫が良すぎる。一歩ずつしか階段は上れないのだ。強豪国の メキシコ でさえ7回連続で16強に進みながら,その間1度も8強に進めていないのだから。2ヶ月前に監督を変える荒療治でギャンブル的に臨んだ今大会でのこの結果は望外のものであり「感動をありがとう」と好意的な声が出るのも無理からぬことである。結局は力負け。高さという力に真っ向勝負しても勝ち目はなく,相手の力をどういなすか,出させないかという戦いが必要だったのだ。まだ,ベルギー に善戦したことで満足せざるを得ない実力なのだ。

 ベルギー 戦での,ベスト16とは思えないファウルの少なさは,ベルギー が次の ブラジル 戦で出場停止者を出さないために,厳しいファウルをしないように気をつけていたからと思う。また,日本 にはそこまで厳しいファウルをしなくても大丈夫とも思っていただろう。だから 日本 は攻撃が機能したし,前半を 0-0 で終えられたのだ。日本 がもっと強ければ,逆に ベルギー は警戒して,もっと厳しい戦いになったはずだ。つまり,日本 の前評判が低かったがゆえに,結果として接戦になっただけなのである。次のワールドカップでは,真の実力をつけ,相手国に厳しい戦術を用意させ,それでも勝利してベスト8に進む姿を見たい。 (選手敬称略)

グループリーグ突破間違いなし

 日本 は セネガル と引き分けましたが,好意的に捉えている有識者が多いですね。実力は セネガル が上という戦前の評価に対して,ゲームの内容は 日本 の方が上回っていましたし,負けと引き分けでは状況が全く変わるので,負けている状況を引き分けに持っていった(しかも2度)のは価値がありました。

 勝てるゲームだった,という意見も分かります。1-1 の同点になった後,セネガル は明らかに動揺し,守備組織が少し乱れていましたので,あの時間帯は一気に逆転を狙うべきでしたが,コロンビア 戦で先制したときと同様に無理には攻め込みませんでした。もう1つの 日本 が良かった時間帯が,後半の15分前後でしたね。柴崎 選手のクロスから 大迫 選手が合わせきれなかったり,乾 選手のシュートがバーを叩いたりしました。その時間帯に勝ち越していれば勝てたというゲームでしたが,勝ち越せないまま逆に セネガル に2点目を奪われ,追いついたものの逆転には至りませんでした。あるいは,1失点目の 川島 のミスがなければ勝てた,とも言えますが,セネガル の攻撃をギリギリでしのいだ場面もありそこを取られていれば負けていたとも言えるわけで,たらればはお互い様です。価値ある引き分け,そう考えていいと私も思います。

 この引き分けによって,コロンビア vs ポーランド 戦負けるとグループリーグ敗退が決まるという,非常に重圧のかかるゲームになりました。日本 にとっては,コロンビア が勝ってくれる方が良いという状況でしたが,本当にそのとおりになりました。しかも 3-0 と一方的な展開。ポーランド は コロンビア に攻めさせてしのいでカウンター攻撃で レヴァンドフスキ 選手を生かす策しかないはずなのに,ゲームの始めはむしろ ポーランド が攻勢に出ていました。慣れないことをすると コロンビア のカウンターが怖いよ,と思っていたのですが,ポーランド の攻撃に威力が全くないので,コロンビア が ポーランド の攻撃を受け止めるまでもなく主導権を奪い,先制しました。先制して守り抜く流れに持っていきたかった ポーランド が,先制されてしまってはプランが崩れますよね。なす術なく負けたという感じでした。

 コロンビア は,やっと下馬評通りの強さを見せてくれました。やはり 日本 戦は開始直後に退場者を出して10人になってしまったのですから,本来の力が出なくて当然だったのでしょう。前半に先制したことで,完全に コロンビア のペースになりましたし,ポーランド の状態が悪かったとは言え,3点取れたことで自信を取り戻したことでしょう。この勝利は,結果も内容も申し分ないものだったと思います。

 一方の ポーランド は,攻撃がことごとく機能せず,初戦の セネガル 戦からほとんど修正できていない感じでした。ボランチからの攻撃もサイドからの攻撃も,有効なものは少なかったです。セネガル がアンカーを置いてボランチを3人にしたのが有効でしたが,コロンビア も同じくアンカーを置いて対応し,ボランチから レヴァンドフスキ 選手にほとんどパスが通らなかったです。後半は,ポーランド の攻撃に威力がないことがわかり,アンカーをやめて2ボランチにしたことで,攻撃力が増し追加点につながりました。ポーランド は通常の攻撃では全くダメで,カウンターに賭けるしかなかったと思います。ただ,セネガル や コロンビア は攻撃に人数をかけすぎることなく,守備が ポーランド のカウンターに備えていたので,迫力あるカウンター攻撃も少なかったですね。セネガル や コロンビア が強かったというよりは,ポーランド が弱くて自滅したという印象です。

 1勝もせずに帰るわけにはいかない ポーランド と3戦目を戦う 日本 は「そう簡単には勝てない」と評されていますが,けして「引き分けなら御の字」といった弱者の評価は聞こえてきません。有識者も今の日本なら敗退が決まった ポーランド と五分の戦いができると思っているのでしょう。こういう状況の時,日本人はえてして楽観的な考えを引き締めにかかりますが,私はそういう考えにあえて逆張りをしてみたいと思います。「日本 は間違いなくグループリーグを突破できる」と言い切りたいと思います。

 そう言い切る理由の1つめは,ポーランド のチーム状態が悪いことです。敗退が決まってプレッシャーから解放され,サブメンバー出場によって開き直って状態が良くなる,ということも考えられなくはないですが,短期決戦で急激に上向くということはごくまれです。1勝はしないと…というのもこれはこれでプレッシャーになるはずなので,あまりリスペクトし過ぎずに臨んだ方がいいと思います。

 引き分け以上でグループリーグ突破ですが,日本 は引き分け狙いのゲームができるチームではありませんので,今までと同様に,前半15分までに攻勢をかけて先制することが重要です。今の ポーランド に2点を取る攻撃力はありませんので,1点取れれば少なくとも 1-1 の引き分けには持ち込めると思います。今まで同様,2-1 で勝つ作戦で臨めば結果はついてくるでしょう。前半で 2-0 にできれば,後半は早めに選手交代ができ,武藤 選手,山口 選手あたりを出せる展開になれば理想的です。個人的には,先発を3~4人入れ替えても問題なく戦えると思いますので,決勝トーナメントを見据えるならそれも一策です。それで負けるならその程度のチーム力なわけですし,これが成功すれば決勝トーナメント初勝利の可能性がグッと上がると思います。

 2つめの理由は,コロンビア vs セネガル 戦で コロンビア が勝つ確率が高いと踏んでいるからです。この場合,日本 が ポーランド に負けても勝ち点が セネガル と並ぶので,得失点差勝負になります。日本 が負けるとしても2点差を付けられる可能性は,今の ポーランド の状態を考えるとほぼありませんが,セネガル が2点差を付けられる可能性は,コロンビア の状態が上がってきていることを考えると十分あり得ます。また,逆に セネガル が勝ってくれれば 日本 は負けても突破できます。つまり,仮に 日本 が負けるようなことがあっても,リーグ突破の可能性はかなりあります。ただし,コロンビア vs セネガル 戦が引き分けで 日本 が負けると,勝ち点が並ぶのが コロンビア になり,この場合得失点差は コロンビア の方が上なので 日本 は敗退します。こうなってしまうともったいないので,負けて勝ち点4でも突破,という虫のいいシナリオは期待しない方がいいでしょうね。

 今の 日本 チームのメンタルは「ここまで来てグループリーグを突破できなかったらもったいない」「このチームなら ポーランド と真っ向勝負できる」「元々期待されてなかったんだから,勝ちに行って負けたところで失うものはない」という感じでしょう。油断するようなメンバーではないので,きっちり勝ってくれるものと信じましょう

 グループリーグ突破条件を整理しておきます。日本 は引き分け以上ならグループリーグ突破です。

《日本 が負けた場合》

・コロンビア vs セネガル 戦が セネガル 勝利 … 日本 が突破

・コロンビア vs セネガル 戦が コロンビア 勝利 … セネガル と勝ち点同点。3戦目の得点差が小さい方が突破。得点差が同じなら,3戦目の得点が多い方が突破。得点も同じなら,警告ポイントが少ない方が突破(警告ポイントの詳細は割愛しますが,普通にやれば 日本 の方が少ないはず)。

・コロンビア vs セネガル 戦が引き分け … 日本 敗退。コロンビア と勝ち点同点だが,得失点差は コロンビア が上。

厳しい状況は変わっていない

 ロシアワールドカップ初戦に勝利し,まさかの好発進となったサッカー日本代表。世間のムードが戦前から一転して明るくなる中,日本 が置かれている状況はまだまだ楽観できません。

 コロンビア 戦は,開始3分で相手がレッドカード一発退場という,願ってもない展開になりましたが,こういう展開を 日本 は一番苦手にしていますよね。勝たないといけないゲームだ,となったとたんにぎこちなくなるという…。先制されしかも一人少なくなった コロンビア は明らかに動揺していましたから,1点先行したから無理せずに…なんていうセオリーよりも,その場の空気を感じて強気で2点目を取りに行くべきだと個人的には思いました(有識者にはあれでよいという意見が多いようですが…)。経験値の高い選手が多いがゆえに,そういう勢いに乗っかるような試合展開を作れなかったことで,最終的に 2-1 という僅差のスコアに落ち着いてしまいました。前半15分までに猛攻でもう1点取れば,3-0 や 4-1 というスコアにもなりえた試合で,そうなれば コロンビア は打ちのめされ,立ち直ることなくグループリーグ敗退となったことでしょう。

 試合の流れの面では,グラウンダーのフリーキックを止められずに失点し,一人少ないのみならず明らかに調子が悪い相手に対して,流れの中で得点が取れず,コーナーキックによる得点も普通なら確実にクリアされてしまうキーパー真正面へのキックでした。ワールドカップは結果が全てなので,コロンビア に勝利したことはものすごく価値あることですが,内容は特に攻撃面に関しては課題だらけです。開始早々のPK & 一発退場と,コロンビア のパフォーマンスの悪さに助けられて勝てたようなものです。

 次戦の相手となる セネガル は ポーランド を破り,日本 のいるグループHは初戦が2戦ともジャイアントキリングになりました。2-1 というスコアや,2得点の取り方(オウンゴール,相手バックパスのミス)を表面的に捉えてはいけません。内容を見ると,素晴らしい組織的守備と,個の高い能力による攻撃を見せ,ポーランド よりもはるかに良いパフォーマンスでした。ポーランド のエースである レヴァンドフスキ 選手を完全に封じ込んだところを見ると,セネガル のスカウティングや戦略もかなり高度だと感じます。

 セネガル vs ポーランド 戦は,日本 vs コロンビア 戦より明らかに試合の質が高かったですから,現時点では セネガル が間違いなくグループH最強です。日本 が コロンビア 戦レベルのパフォーマンスだと,セネガル には確実にやられてしまうでしょう。初戦に勝ってメンタル面の自信を持つのは良いですが,戦術やパフォーマンスにまで自信を持ったとたんに,足をすくわれてしまうと思います。初戦が大事だと思い過ぎて,セネガル 対策がどうしても不十分になる恐れがあり,セネガル 戦は不安材料が尽きません。

 どうすれば セネガル を攻略できるでしょうか。詳しいことは有識者にお任せするとして,コロンビア 戦と同様に試合の序盤に攻勢を強め,早く先制することが勝利への絶対条件になるでしょう。前半15分のうちに点が取れなければ,苦しくなると思います。セネガル は基本的には相手に攻めさせてカウンター攻撃というチームなので,日本 が攻めあぐねていると,すぐに 日本 の動きに慣れ,カウンターで得点し,その後は守備を強める,という戦い方をされます。そうなると 日本 が点を取るのは難しくなると思います。ただ,セネガル は,ポーランド 戦ではそれほど強度の高い攻撃を受けておらず,日本 がベストパフォーマンスの攻撃を出せれば何度かチャンスを作れると思いますので,そこで決められるかどうかでしょう。1点の失点は覚悟せざるを得ませんので,勝つとすれば 2-1 という コロンビア 戦と同じスコアが目標になります。2点取るためには,先制してリードしたままゲームを進め,セネガル を前がかりにさせて守備組織を崩し,追加点を取ることが必要になるでしょう。

 コロンビア 戦で 日本 はあまり疲労せずに済みました。これは セネガル 戦には大きなプラス材料です。私は,コロンビア 戦の疲労を考慮してターンオーバーという奇策を提案(⇒過去ブログ参照)しましたが,そこまでの疲労がないですし,勝った時はメンバーを動かさないのが常道なので,ターンオーバーどころか別選手の起用もほぼないでしょう。ただし,ゴールキーパーの 川島 選手だけは,あまりに頼りないので変えるべきです。セネガル からの強烈なシュートを防ぐには,中村 選手を私は推します。

 日本 は セネガル に勝てれば申し分ありませんが,負けてもガッカリすることはありません。3戦目の ポーランド も難敵ですが,彼らは コロンビア 戦が死闘必至なので,かなりの疲労を抱えて 日本 と戦わなければなりません。セネガル よりも ポーランド の方が勝てる可能性が高い,というのがフタを開けてみての現実であり,セネガル に負けて ポーランド に勝つ,というのは不可能ではないシナリオです。ただ,ポーランド から見れば 日本 に負けるわけにはいきませんので,タフな戦いになることは間違いなく,日本 が連敗して結局グループリーグ敗退となる可能性もかなり残っています。

 今後の勝敗の展開を考えてみます。セネガル に勝てば,3チームが勝ち点6で並ぶケース(ポーランド 連勝,セネガル が コロンビア に勝つ)で得失点差等の勝負になる以外は,グループリーグを突破できます。問題は引き分けや負けの場合ですね。

《セネガル と引き分け

・日本 と セネガル が共に 1勝1分け:勝ち点4 になります。この場合,コロンビア vs ポーランド で勝った方が生き残り,負けた方は敗退決定となります。2強の一角が3戦目を待たずに敗退決定という衝撃の展開になるので,引き分けもそう悪くないシナリオです。ただ,ポーランド が生き残ると,3戦目で対戦する 日本 が厳しい戦いを強いられるので,日本 としては コロンビア が勝ってくれる方がいいでしょう。

コロンビア vs ポーランド が引き分けると,日本 は3戦目で引き分け以上なら突破,負けても得失点差等の勝負に持ち込めます。もし3戦目に コロンビア と ポーランド が共に勝つと,4チームが 1勝1敗1分け:勝ち点4 で並ぶという珍事が発生する可能性もあります。

《セネガル に敗戦

コロンビア vs ポーランド で ポーランド が勝つと,日本 vs ポーランド 戦がリーグ突破決定戦になります。

コロンビア vs ポーランド で コロンビア が勝つと,日本 と コロンビア が 1勝1敗:勝ち点3 で並ぶので,3戦目が コロンビア より良い結果であればリーグ突破になります。もし 日本 と コロンビア が共に負けると,ポーランド を含む3チームが 1勝2敗:勝ち点3 で並び,得失点差等の状況次第では勝ち点3でもリーグ突破の可能性が出てきます。また,日本 と コロンビア が共に勝つと,セネガル を含む3チームが 2勝1敗:勝ち点6 で並び,2勝してもリーグを突破できないという,あのアトランタ五輪「マイアミの奇跡」の時と同じ状況になる可能性もあります。

コロンビア vs ポーランド が引き分けだと,日本 は3戦目引き分けでも可能性が出てきますが,コロンビア が セネガル に勝てば 1勝1敗1分け:勝ち点4 で並ばれ,得失点差等の勝負で抜かれる可能性があります。

・つまり,セネガル に負けてしまうと,ポーランド と引き分けで突破できるケースはかなり限定的ですから,やはり ポーランド に勝つしかないということになります。

 以上を総合すると,日本 は セネガル 戦が引き分けか負けならば,ポーランド 戦は勝利が必要になると言ってよく,まだまだ厳しい状況なのです。ポーランド がリーグ突破の可能性を残した場合,ポーランド 戦はハードなゲームになるでしょうから,セネガル 戦を勝つに越したことはありません。戦前の「勝つべき相手」から現在は「勝っておきたい相手」という状況に変わり,戦前とは違った位置付けで セネガル 戦が重要なゲームになりました。パフォーマンスをもう一段高いレベルに上げて,良いゲームにしてほしいと願っています。

 そして,今後の展開を見据えると,コロンビア が ポーランド を叩いてくれれば 日本 にはありがたい展開になります。コロンビア が息を吹き返せるのか見守りたいところですが,レッドカードをもらった C.サンチェス 選手はボランチのキープレイヤーであり,次戦も出場停止なのは痛手でしょう。ハメス・ロドリゲス 選手も正直なところ起用できるレベルではなく,残りの選手たちの奮起に期待するしかありません。コロンビア vs ポーランド 戦は,負ければグループリーグ敗退決定という,正に「本当に負けられない戦い」であり,非常に見応えのあるゲームになることは間違いないでしょう。

サッカーW杯日本代表はターンオーバーを実施せよ

 このブログでは初めて,サッカーの話題に触れたいと思います。ついにロシアワールドカップが始まりました。日本代表の戦い方について,一個人の見解を書き連ねてみたいと思います。

 ハリルホジッチ 氏解任から今までの流れを見ると,とにかくどっちつかずな状況だなぁと感じます。今大会が思わしくない結果だった場合,本番を任せていない以上 ハリルホジッチ 氏の責任にはできませんし,かと言って 西野 監督もわずか2ヶ月前の就任で結果を残せと言われたって酷な話で,両者とも「自分だけに責任を押し付けられてもなぁ」という状況なわけです。また,良い結果だったとしても,結果オーライだったという評価にしかなりません。こう考えると解任の時期は最悪だったと言えると思います。

 「どうせ悪い結果になるなら,ハリルホジッチ 氏に最後まで預けるべきだ」とか「ここで一度きちんと負けた方が,抜本的な改革が行える」という意見もあるでしょう。正直なところ,私もそう思います。ですが,大仰に話を展開するならば,元寇や第二次世界大戦でも他国からの占領なく国家を存続できた歴史を持つ日本のことですから,こういう状況のときに限って,うやむやな感じになるのが日本なんじゃないか,と思ったりもします。グループリーグはなぜか突破してしまうという,良いんだか悪いんだかという結果になりそうな気もしてしまうんですよね。

 オーストリア合宿中の2つの親善試合もどっちつかずでした。強い スイス に負けたチームAと,弱い パラグアイ に勝ったチームB。どう評価していいものか,ってなりますよね。これで選手の評価は全員ほぼ横一線となり,ロシアでの練習中にコンディションが上がってきた選手が使われることになるのでしょうが,私は,グループリーグの中でターンオーバー(選手の入れ替え)をやったら面白いと思っています。スイス 戦と パラグアイ 戦では,ほぼ全員ターンオーバーしましたが,そこまでではないにしても,ディフェンス陣以外のボランチ・オフェンスをガラッと入れ替える可能性はあるんじゃないかとにらんでいます。

 西野 監督は,選手同士の相性を比較的重視すると言われています。パラグアイ が弱かったとは言っても,香川・乾・岡崎・柴崎 の組み合わせはかなり良かったですから,もし彼らがサブならば,ターンオーバーをしないとこの組み合わせが使えません。一方,同じクラブチームでやってきた 宇佐美 と 原口 のコンビネーションも相性という点では良い選択肢です。ロシアでの調整の中で,2つの組み合わせがどちらも捨てがたいとなれば,対戦相手に応じてターンオーバーをやるべきだと思います。

 3戦とも先発をできるだけ固定して臨むべきだ,というのは正論ですが,正直なところ,現時点の日本代表は ハリルホジッチ 氏が考えていたメンバー構成をリセットしてしまいましたので,メンバー固定による成熟が進んでおらず,今さらワールドカップ本番で固定したところで,たかが知れているのではないでしょうか。それなら,ターンオーバーという奇策を打つような思い切りがないと,一部の有識者が指摘する「座して死を待つ」ような状況になりかねません。

 ところで,様々な有識者が「初戦のコロンビア戦に全精力を注ぎ込め」と言っていますね。この,いわゆる「初戦絶対論」を私は良く思っていません。初戦が重要だという主張自体は極めて正しいですが,2戦目だって3戦目だって同じくらい重要なのです。今まで,初戦で勝ち点を取ったときは必ずグループリーグを突破しているという日本の実績がその根拠なんでしょうが,たった2大会('02日韓,'10南ア)の話です。初戦を勝ったって残り2戦のどちらかを勝てなければ,ほとんどの場合グループリーグを敗退してしまうのです。現に,その2大会では2戦目と3戦目の片方あるいは両方を勝っています。

 逆に,初戦に負けた3大会のうち,初出場の'98仏大会を除く2大会を振り返ると,'06独大会ではオーストラリアに負け,3戦目がブラジル戦。'14ブラジル大会ではコートジボワールに負け,3戦目がコロンビア戦。つまり,この2大会の敗因は,初戦に負けたからというより「初戦に負けた上に最強の相手との対戦が残っていたから」なのです。ところが今回のロシア大会は,コロンビア との初戦がグループ最強の相手です。ということは,初戦に負けたって残りの2戦を勝てばいいのです。勝てばいいと簡単に言うな,と言われそうですが,グループリーグでどこから2勝するかを考えたとき,セネガル & ポーランド が最も可能性が高いはずです。ですからコロンビア 戦は,勝ちか引き分けならラッキーで,負けて当然の相手なので負けてもサッサと気持ちを切り替えるべきです。

 運よく コロンビア に勝つか引き分けたとしましょう。日本チームの士気は上がるでしょうが,急に気が大きくなって油断が生じないとも限りませんし,初戦絶対論だと初戦の疲労が強く残り2戦目以降のパフォーマンスに響いてしまうでしょう。そして,セネガル と ポーランド にとっては,コロンビア の初戦の勝ち点が1か0となれば彼らのグループリーグ突破の可能性が上がり,健闘した日本への警戒感を強めるので,日本戦により厳しく臨んでくるでしょう。こうなると日本にとって2~3戦目はなかなか難しい試合になると思います。ですから,コロンビア 戦が全て,という論調はあまりに単純ではないか,と私は思います。いっそ,コロンビア 戦は順当に負けて,セネガル や ポーランド に「日本は下馬評どおり大したことない」と思わせた方がグループリーグ突破の可能性が出てくる,とさえ思います。

 冷静に見れば,対戦国の中で最も勝てる可能性があるのは セネガル です。逆に言えば セネガル 戦に勝てないようではグループリーグ突破は無理ですから,2戦目の セネガル 戦が最も重要な試合と考えることもできます。実はこのことが,私がターンオーバーを推すもう1つの理由です。コロンビア 戦はかなり消耗すると思いますし負ければ疲労感も強いですから,セネガル 戦でターンオーバーを行いフレッシュかつ セネガル に通用しそうな選手を起用するのです。そうすれば,3戦目の ポーランド 戦には,初戦から中9日でコンディションが回復した選手と,2戦目で好調だった選手を起用する総力戦を展開できます。ポーランド もコロンビア 並みの難敵ですから,このくらいのことをしないと勝つのは難しいでしょう。

 初戦は強豪と言えども難しく日本にも勝機がある,などと評する有識者もいますが,それを加味しても コロンビア 戦で勝つ確率が,セネガル 戦や ポーランド 戦よりも高くなるとは思えません。勝つ確率が最も低い戦いに全精力を注ぎ込むというのは,どう考えても合理的な戦い方ではありません。弱者だから最初から全力で向かわなきゃダメなんだ,というのは,戦時中の特攻精神みたいで,どうにも違和感が拭えません。弱者だからこそ,戦い方を工夫しなければならないのです。そう考えると,コンディション重視であまり追い込んでいない調整や,「危機感は感じていない」などのとぼけた発言を見ていると,西野 監督は案外したたかかもしれない,いや,そうであってほしいと思いますね。

 コロンビア 戦で大負けしたとしても何も落ち込む必要はありません。セネガル 戦で大胆に選手を入れ替えてくるようならチャンスあり,そう思います。まぁ,そうそう奇跡など起こるものではありませんが,諦めるより期待する方が応援のし甲斐があるというものです。さぁ,果たして,今大会はどんな筋書きで進んでいくのか,楽しみたいと思います。

聞きたい女声デュオ曲&ハモリがすごい曲【女声曲編】

 ハモリのメロディーがかっこよかったりトリッキーだったりする曲を紹介します。今回は女声ボーカル曲をハモりたい/ハモられたい/聞きたい順にご紹介します。

★★★★★(5つ星)超お勧め!!

  • その先へ 《ハモリ男声》
     / DREAMS COME TRUE feat. FUZZY CONTROL
  • サンキュ.
     / DREAMS COME TRUE
  • It's all Love!
     / 倖田來未 × misono
  • ドライヴ ドライヴ ウレシイナ!
     / FUNK THE PEANUTS
  • HANABI
     / 浜崎あゆみ
  • 月のしずく 《ハモリ男声》
     / RUI(柴咲コウ)
  • 風に乗って 《ハモリ男声》
     / 薬師丸ひろ子
  • ミュージック ファイター 《ハモリ男声あり》
     / JUDY AND MARY
  • あ~よかった
     / 花*花
  • For the moment
     / Every Little Thing

★★★★(4つ星)大好き!

  • SWEET DREAM 《ハモリ男声》
     / DREAMS COME TRUE
  • 世界中の誰よりきっと 《ハモリ男声》
     / 中山美穂 & WANDS
  • 待つわ
     / あみん
  • 万華鏡キラキラ
     / RYTHEM
  • I miss you ~時を越えて~
     / MISIA + DCT
  • ANIMAL LIFE
     / MY LITTLE LOVER

 全部で16曲という,やや少なめのラインナップですが,まずはすぐに思い付くところを挙げました。ザ・ピーナッツ,ピンク・レディー,キャンディーズとかも名曲が多いですが,わりと親しみやすいハモリが多いので入れませんでした。女声曲は男性の私が歌う機会が少ないので,自分がハモりたい/ハモられたいというより聞きたい思いが強いです。それでデュオとハモリを分けずに挙げています。

 「その先へ」は,ほぼ全編ハモれるのが良くて,男声ハモリなので私がハモれるという点で最上位に来てます(笑)。「サンキュ.」はハモリのデパートと言うべき曲で,これがビシッとハモれたら最高に気分がいいですね。上位2曲がドリカム,さらに4番目にもドリカムのボーカル 吉田美和 の派生ユニットを挙げていますが,ドリカムは女声アーティストのハモリアレンジでは飛び抜けた存在だと感じます。あまりに王道なので挙げませんでしたが,「未来予想図II」はハモリの教科書があったら1ページ目に乗るような曲ですし,他にもハモリが楽しい曲がたくさんあります。

 「It's all Love!」は,ハモリは少ししかありませんが,あの掛け合いがすごくて,女声デュオでは一番好きですね。浜崎あゆみ や Every Little Thing というメジャーアーティストの2曲は,ハモリのメロディーがトリッキーで面白いんです。「月のしずく」「風に乗って」はハモリは比較的単純ですが,ハモリの存在感が見事で,これらをハモっていると幸せな気持ちになります。「ミュージック ファイター」は,女声ハモリと男声ハモリが両方あって,私がハモるともれなく女声と男声が両方ついてきます(笑)。

 「待つわ」は30年以上前の楽曲ですが,私はいまだにカラオケで完璧なハモリを聞いたことがありません。ハモれると思って歌ってみるとトラップがいろいろあるのです。ぜひ完全なハモリを聞いてみたいという思いを込めてここに挙げました。

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