マイクを持てば酔っぱらい

~カラオケをこよなく愛するITシステムエンジニアのブログ~

モバイルバッテリーは必携

 北海道の大地震の取材映像を見ていて,携帯電話(スマートフォン)を充電するための「モバイルバッテリー」の所有者が案外少ないのかな,という印象を持ちました。携帯電話なくして生活が成り立たない現代なのに,その電源を持たないことに今まで不安を感じなかったのだろうか?と思いました。

 モバイルバッテリーを持つ目的は,当然,携帯電話の電池がなくなった場合に充電を行うためです。モバイルバッテリーを持たない人の思いとしては,自分は1日の途中でバッテリーが切れるようなヘビーな使い方はしないし,毎日家で充電しているから,モバイルバッテリーがなくても大丈夫と考えていると思います。確かにそのとおりですが,そういう人でも,モバイルバッテリーは絶対に持つべき,そして携帯電話と同じく常に持ち歩くべきと私は思います。

 そう考える最大の理由は,言うまでもなく緊急時の対応です。大地震や大災害で,停電もしくは電気が自由に使えない,というレアな状況より,もっと頻繁に起こり得る緊急事態がありますよね。電車や飛行機が止まり数時間足止めを食う,突然の豪雨でしばらく移動を控えて様子を見る,このようなことは年に何度かあると言ってよいでしょう。これが帰宅時に起きると,携帯電話の電池残量が少なくて焦ります。そして,こういう緊急事態のときこそ,関係者に連絡したり情報を見たりするので,普段より電池を消耗するものです。モバイルバッテリーがあれば,電池切れに対応できるのはもちろんのこと,数時間の足止めがあっても時間を持て余すことなく携帯電話で過ごすことができます。

 もちろん,停電やエレベーターでの閉じ込めといった極めて稀な事象に遭遇してしまった場合も,モバイルバッテリーがあれば携帯電話を機能させることができます。このような極端な状況下では,不安が増大するので携帯電話への心理的依存度が高まります。携帯電話が使えることで,自分が置かれている状況に対する総合的な不安をも軽減させることができると思います。

 2つめの理由は,この心理的な面です。緊急時に限らず,日常でも「うっかり充電を忘れた」とか「まだ充電しなくても大丈夫と思っていたらなぜか今日は電池を消耗」といった事態に対して,モバイルバッテリーがあれば携帯電話の電池切れを心配しなくていいので,余分な心配事がなくなり,ストレスが軽減されます。日々様々なストレスにさらされている皆さんが,携帯電話の電池がなくなりそうというストレスを一時的にでも抱えることは,精神衛生上良いことではありません。わずかな手間で防げるストレスは防いだ方がいいに決まっています。

 さて,ここまでの2つの理由は多くの人が納得するところだと思いますが,3つめの理由は巷であまり言われていないことです。それは,(毎日家で充電するよりも)電池残量が少なくなってから充電した方が電池の寿命が持つので,電池残量が少なくなったとき外にいたら充電できるようにするためです。このように書くと「電池残量が少なくなってから充電っていうのは昔の話で,今の携帯電話には当てはまらないよ」と思う方がいることでしょう。それはそのとおりでして,昔の充電池(ニッカド電池やニッケル水素電池)は,電池を使い切らずに充電すると電池の性能が劣化する(メモリー効果)ことが知られていましたが,現在の充電池(リチウム水素電池)ではそのようなことは起こりません。まだ十分な電池残量がある状態で充電しても,携帯電話の電池の性能が劣化することはありません。

 それでも,使用開始からだいたい2年くらい経つと,以前と比べて電池の減りが早くなったり,30%残から突然10%残に減ってしまったりする現象が起こります。このような電池の性能劣化が(使用期間ではなく)充電の回数に関係しているという話を聞いたことがあります。例えば,充電回数500回で劣化するとすれば,毎日充電していたら1年半で劣化しますが,3日に1回の充電なら劣化を4年後まで遅らせることができます。上述の「電池残量が少なくなってから充電した方が電池の寿命が持つ」は正確に書くと「電池残量が少なくなってから充電することで,充電の間隔が長くなり電池の寿命が持つ」と言えます。

 どうせ2年くらいしたら機種を変更するので,電池寿命はさほど気にしない,という方はいいと思いますが,より長く使う場合,電池の減りが早くなるとこれまた精神衛生上よろしくなく,電池を交換すれば何千円も取られるというのも癪に障ります(笑)。そこで私は,できるだけ充電の間隔を空けるため,家で電池残量30%程度なら充電せず,翌日昼間に10%を切ったらモバイルバッテリーを使って充電しています。3年前に買ったタブレットでこの運用を徹底していますが,まだ電池が劣化しているようには見えないので,わりと効果があるのではないかと思います。

 3つめの理由はややこだわりが強いかもしれませんが,モバイルバッテリーを持つメリットは伝わったかなと思います。さらにもう一点,私がお伝えしたいのは,モバイルバッテリーは薄い物ではなく,ある程度厚手でも充電容量が 10000mA 以上ある物を選んだ方がいいということです。薄いモバイルバッテリーは充電容量が少なく,携帯電話を充電した直後は,モバイルバッテリー自身の電池残量が少なくなります。もしモバイルバッテリーの充電を忘れると,出先で携帯電話を充電しようとしてもモバイルバッテリーの電池残量がなくて充電できない,という事態に陥ります。せっかくモバイルバッテリーを持っているのに充電できない場合の,なんとも言えないストレスは,これまたできれば避けたいところです。

 10000mA という充電容量はスマートフォンを4~5回充電できる容量なので,1回充電した後でも十分な電池残量が残っています。これが重量 250g 程度,価格2千円台ですから,持ち運びの負担とコストパフォーマンスのバランスを考えると,この容量のクラスが最適な選択だと思います。わりと最近まで,大容量で安価なモバイルバッテリーは Amazon 等のネットショップでしか入手できませんでしたが,今は量販店でも取り扱っているようですので,購入もしやすいと思います。非常時用,精神衛生,携帯電話の電池寿命の観点から,モバイルバッテリーを必ず持ち歩くことを強く推奨したいと思います。

宮川紗江 選手が笑顔を取り戻せますように

 体操女子日本代表の 宮川紗江 選手を取り巻くパワーハラスメント問題は,意外な展開をたどっています。暴力があったとして処分を受けたコーチを 宮川 選手は擁護し,むしろ体操協会からパワーハラスメントを受けたと記者会見で発言しました。

 この問題は,女子レスリングの 伊調馨 選手のケースと重なります。伊調 選手のコーチもレスリング協会から処分を受け,それに対し選手が異議を唱えたことで,協会が 伊調 選手を快く思っていないのでは,という図式で報じられました。ただし,コーチの 伊調 選手に対するパワーハラスメントはなく,この点が 宮川 選手の問題と異なっています。実際に暴力があったことは 宮川 選手自身も認めていて,そのことが問題を複雑にしています。

 体操協会は暴力撲滅のためにコーチを処分したのですから,協会は正しいことをしたと考えているでしょう。宮川 選手を守っている,とさえ思っているかもしれません。度を越えた暴力があり,選手のためにならないと本気で思っているのなら,体操協会は堂々と今回の処分の正当性を主張すべきだと思います。

 しかし 宮川 選手は,コーチを奪われ,さらにはコーチに関する証言を拒否すると,協会幹部から「五輪に出られなくなるかもしれないよ」と言われたと言います。五輪欠場の可能性を言葉に出すことは,いかなる理由や状況があろうと,スポーツ選手にとってはハラスメントです。これが事実ならば,体操協会は 宮川 選手に嫌がらせをした,と受け取られても仕方ありません。

 暴力を受けてもなおそのコーチに師事する,というのは,たしかに宗教的と感じてしまう点もありますし,マインドコントロールを受けてるのかなと思われかねません。DVを被っている人がなかなかその人への愛情を解くことができないのと似ています。しかし,選手本人がここまでコーチを擁護する姿勢を見せているとなると,果たして暴力がどの程度のものだったのか,コーチを排除したい別の理由があったのではないか,と体操協会への懐疑的な目が向けられてしまうと思います。

 どちらが正しいのかという議論以前に,宮川 選手が不利益を感じ,現に世界選手権への出場を辞退したのですから,選手に強い負担を強いたことは事実です。この点で体操協会の対応は何かが間違っていたと思います。何はともあれ代表選手にこのような思いをさせてはなりません。あのようなコーチに師事する選手なら大会を辞退してもやむなし,なとど協会が思っているとしたら,協会は選手を大切に扱っていないことになります。

 コーチを処分するならば,その前に選手にも十分な調査を行い,選手がコーチに心酔しているならきちんと説明して選手を納得させるべきでした。コーチが処分されれば選手が不安になるだろうことは容易に想像できるはずですし,想像できないのならそれこそが選手を大切にしていない証です。協会幹部に「自分の言うことには従うはず」というおごりがあったのではないでしょうか。そういう姿勢が,今年頻発したスポーツのハラスメント問題の根底にあるような気がします。

 体操界の重鎮である協会幹部に対し,ハラスメントを受けたと訴えることは非常に勇気が要ることであり,宮川 選手は相当な覚悟で発言したと思います。他の選手やコーチはみな幹部の世話になり影響を受けていますので,宮川 選手は周囲の同調やサポートを得られずに孤立する可能性もあります。そう考えると,宮川 選手が嘘や誇張を言っているとは思えず,協会幹部のハラスメントに関しては,第三者を入れた調査を実施してほしいと思います。

 コーチの処分の問題と,宮川 選手に対する協会幹部の対応の問題は,関連はするものの別の問題です。変に関連付けて混迷するのではなく,問題を1つ1つ切り分け,きちんとした解決が図られることを切に望みます

ベルギーに敗れた根本的原因 【スポーツ雑誌風】

 サッカー・ロシアワールドカップ。準々決勝で ベルギー が ブラジル を撃破したのを見ると,日本 は ベルギー とすごいゲームをしたのだということを改めて実感させられる。アディショナルタイムで決着するくらいの接戦だったことで,勝てたのではないかと評する有識者もいるが,たまたま試合展開がそうなっただけであって,ベルギー との力の差は歴然としていた。

 私は,ポーランド 戦があのような顛末になったとき,こういうサッカーをやると次のゲームでしっぺ返しが来るのではないかと嫌な予感がしていた。ポーランド 戦にやや後悔があったからこそ,ベルギー 戦では時間稼ぎをためらい,その結果あのカウンターをくらってしまったのだから,因果応報という気がしてならない。2戦続けてしたたかに戦う力は,今の日本代表には備わっていなかったのだ。

 ポーランド 戦でボール回しを始めたとき,私はガッカリした。もし セネガル が1点取ればグループリーグ敗退になってしまうからだ。他力本願という作戦は,成功すれば許されるが,失敗したら激しい後悔が残る。この作戦を擁護した人たちは,もし セネガル が同点に追いついていても,あの作戦は正しかったと言えただろうか? はっきり言って,結果論から擁護しているに過ぎないと思う。あの場面は,無理に攻めていく必要はないにしても,カウンターやミスに注意しながら隙があれば点を取りに行く,そういう試合運びをしてほしかった。もしそこで失点してしまうなら,それが実力だと思うしかない。カウンターをくらうリスクが高かったとのことだが,それはターンオーバーで起用した選手がうまく機能していなかったということだ。

 ポーランド 戦のターンオーバー(6選手入れ替え)は完全に失敗だった。主力を休ませることはできたが,最も休ませるべき 柴崎岳 を出場させたために,ベルギー 戦の後半でスタミナ切れし,岡崎慎司 は故障を再発させてしまった。これが,ベルギー 戦で有効な交代策を採れなかった要因となり,そのツケが ベルギー 戦の最後の最後に出てしまった。入れ替えは最大4人にとどめ,主力を後半早めに交代する,という策なら,失意の ポーランド を相手に負けることはなかったと私は思っている。

 しかし,薄氷のグループリーグ突破によって,ベルギー と戦うことができたことは 日本 にとって得難い経験になった。そして,ゲーム内容はそれ以上に貴重な経験になった。2点を先行したとき,日本 の多くのサポーターは「これで勝てる」というよりも「これで ベルギー が超本気になるけど大丈夫か」という気持ちになったのではないだろうか。そして,日本代表チームの監督もコーチも選手も,そう思ったのではないだろうか。このメンタルおよびマネジメントが,逆転を許した根本的な原因ではないかと私は考えている。

 これはゲーム前に書き残しておけばよかったと後悔しているのだが,日本 が ベルギー に勝つ最良のプランは,いかにして 2-0 というスコアを作れるかだと私は思っていた。ベルギー の得点能力は今回のワールドカップ参加国の中でもトップクラスであり,2点取られることは普通にあり得ると考えれば,日本が2点を取って初めて対等に戦えるのだ。そして 2-0 というスコアで後半の時間が過ぎていけば,ベルギー も焦ってきて1点以内に抑えられる可能性が高くなる。だから,スコアは 2-1 を目標にし,早い時間に2点取れたらさらに3点目を取って 3-2 で勝つことも考えるべきだった。

 前半を 0-0 でしのぎ,後半の早い時間に 2-0 になり最良の勝ちパターンになったはずが,どうやら 日本 チームはこの状況をあまり想定していなかったように見えた。0-0 か 1-1 で終盤を迎え,残り時間が少ない状況で勝ち越す,というプランを思い描いていたのではないだろうか。だが,もしその展開なら,日本 が勝ち越すより ベルギー が勝ち越す可能性の方が高いし,実際にもそうなってしまった。

 選手の談話でも「2点取った後の試合運びが中途半端だった」というような声があったが,再度ゲームを見直してみると,1点を返されるまでそれほど悪い試合運びではなかった。3点目を取りに行ったのは戦術の失敗と言う有識者もいるようだが,日本 の守備力では ベルギー 相手に2失点しない保証など全くないのだから,3点目を取りに行くのは当然の戦術ではないだろうか。攻撃か守備かという稚拙な2元論ではなく,失点しないことに通常より重きを置きながら得点を狙うべきだったのだ。よく考えればこれは 0-0 のときのサッカーと何も変わらない。2-0 になったときチームが「これで実質的に 0-0。ここからが本当の勝負だ」というメンタルだったら,結果は違っていたと思う。

 1失点目は取られ方がよくなかった。ふわっとした弾道のボールが運よくゴールに入ったのだが,傍目にはなぜあれが入ってしまうの?というようなゴールだった。あれは防ぎようがなかったという指摘が多いが,私は絶好調時の 川島永嗣 なら難なく防げたゴールのように感じた。ゴールになるヘディングが上がった瞬間,川島 はいったん小さく前にステップを踏んでおり,これがなければボールに手が届いたのではないだろうか。もったいない失点だったことは確かだ。

 こういうゴールはガクッと来てしまうもので,ベルギー の圧力を強く感じるメンタルになってしまったように見えた。どうも 日本 は「勝たなければいけないゲーム」になったときの心理的対処法が確立できていないと感じる。古くは2006年ドイツ大会の オーストラリア 戦がそうだし,今大会の コロンビア 戦も 1-0 になった後のゲーム運びは拙いものだった。2-0 が 2-1 になり,ベルギー は勢いがつき,追い上げられた 日本 は不安が出てしまった。これが 0-1 だったら,ここから何とかして同点に追いつくぞと開き直れたと思うのだが,2-1 の局面を 0-1 かのように振る舞うことができず,相手の圧力をまともに受けてしまった。かわす,いなすという考え方も必要だった場面であり,2-1 の状況をせめて後半35分くらいまで引っ張れていれば,相手も焦ってきて,そのまま勝ち切れた可能性が上がったはずだ。

 1失点目からわずか5分で2失点目を喫したところを見ると,結果論かもしれないが,1失点目の後すぐに 本田圭佑 を交代投入すべきだった。2-1 は私の考えでは実質負けている状況であり,早く手を打つ必要があったと思う。このタイミングで交代の手が打てなかったことも,2-0 から勝ち切るプランが描けていなかったと推察する理由の1つだ。攻撃的な交代か守備的な交代か,迷っている間に同点にされてしまった,という印象だった。これに関して,有効な交代策を打たなかったと指摘する有識者は多かったが,ではどんな策が有効だったかという点に言及する人はほとんどいなかった。唯一見たのは,高さで競り合える 植田直通 を投入せよ,というものだったが,ポーランド 戦にも出場させなかった 植田 を投入する選択は非現実的だ。ケガや不調で使えるコマがなかったのも事実で,交代で戦況を好転させることは ベルギー 戦においては難しかっただろう。仮に 2-1 の時点で交代しても,結果は同じだった可能性が高いとは思う。それでも,同じ後悔なら動いて後悔してほしかった。

 最後のカウンターは,あんなに鮮やかに決まる方が珍しい。ポーランドの レヴァンドフスキ があれほど簡単なカウンターのシュートを外すように,カウンターだって簡単ではない。だから,カウンターへの備えが不十分だったから負けた,というのは後付けの解説に過ぎない。実際に観戦していて,本田 がコーナーキックを蹴る時点で,カウンターの危険性を感じていた人はどのくらいいたのだろうか? その時点で感じていなかったのなら,備えが不十分だと指摘する資格はないだろう。あの状況でカウンターを仕掛けるチームの共通意識があり,あれだけのスピードでボールを運び,ルカク があの状況で冷静にスルーできる,ベルギー の技術を称えるしかないだろう。

 もしあの場面を反省するなら,むしろ,なぜ 本田 がゴールキーパーに簡単にキャッチされるようなコーナーキックを蹴ったのかに言及すべきだ。コロンビア 戦の成功体験が邪魔をしてしまったとの指摘もあったが,あの場面に限らず,高さのない 日本 の策としては,ニアに合わせるか,ファーから折り返すか,ショートコーナーで目先を変えるか,あたりではないだろうか。味方がニアに3人走りこんでいたのだから,ニアに合うキックを蹴れなかったことが大きな問題のように思う。

 最後のカウンターさえなければ…と悔やんでもどうにもならない。むしろ,ギリギリまで同点だったことが大健闘なのであり,2-3 の劇的な敗戦は 日本 に良い教訓をもたらしたと思うべきだ。もし延長戦に入っていたら,日本はスタミナが切れ,2-4 や 2-5 で負けていた可能性が高い。それよりはずっと良い結果だったと思いたい。

 決勝トーナメントで,得点,先制,複数得点,2点差リードは日本代表初の偉業である。そこで勝利まで得ようとは虫が良すぎる。一歩ずつしか階段は上れないのだ。強豪国の メキシコ でさえ7回連続で16強に進みながら,その間1度も8強に進めていないのだから。2ヶ月前に監督を変える荒療治でギャンブル的に臨んだ今大会でのこの結果は望外のものであり「感動をありがとう」と好意的な声が出るのも無理からぬことである。結局は力負け。高さという力に真っ向勝負しても勝ち目はなく,相手の力をどういなすか,出させないかという戦いが必要だったのだ。まだ,ベルギー に善戦したことで満足せざるを得ない実力なのだ。

 ベルギー 戦での,ベスト16とは思えないファウルの少なさは,ベルギー が次の ブラジル 戦で出場停止者を出さないために,厳しいファウルをしないように気をつけていたからと思う。また,日本 にはそこまで厳しいファウルをしなくても大丈夫とも思っていただろう。だから 日本 は攻撃が機能したし,前半を 0-0 で終えられたのだ。日本 がもっと強ければ,逆に ベルギー は警戒して,もっと厳しい戦いになったはずだ。つまり,日本 の前評判が低かったがゆえに,結果として接戦になっただけなのである。次のワールドカップでは,真の実力をつけ,相手国に厳しい戦術を用意させ,それでも勝利してベスト8に進む姿を見たい。 (選手敬称略)

グループリーグ突破間違いなし

 日本 は セネガル と引き分けましたが,好意的に捉えている有識者が多いですね。実力は セネガル が上という戦前の評価に対して,ゲームの内容は 日本 の方が上回っていましたし,負けと引き分けでは状況が全く変わるので,負けている状況を引き分けに持っていった(しかも2度)のは価値がありました。

 勝てるゲームだった,という意見も分かります。1-1 の同点になった後,セネガル は明らかに動揺し,守備組織が少し乱れていましたので,あの時間帯は一気に逆転を狙うべきでしたが,コロンビア 戦で先制したときと同様に無理には攻め込みませんでした。もう1つの 日本 が良かった時間帯が,後半の15分前後でしたね。柴崎 選手のクロスから 大迫 選手が合わせきれなかったり,乾 選手のシュートがバーを叩いたりしました。その時間帯に勝ち越していれば勝てたというゲームでしたが,勝ち越せないまま逆に セネガル に2点目を奪われ,追いついたものの逆転には至りませんでした。あるいは,1失点目の 川島 のミスがなければ勝てた,とも言えますが,セネガル の攻撃をギリギリでしのいだ場面もありそこを取られていれば負けていたとも言えるわけで,たらればはお互い様です。価値ある引き分け,そう考えていいと私も思います。

 この引き分けによって,コロンビア vs ポーランド 戦負けるとグループリーグ敗退が決まるという,非常に重圧のかかるゲームになりました。日本 にとっては,コロンビア が勝ってくれる方が良いという状況でしたが,本当にそのとおりになりました。しかも 3-0 と一方的な展開。ポーランド は コロンビア に攻めさせてしのいでカウンター攻撃で レヴァンドフスキ 選手を生かす策しかないはずなのに,ゲームの始めはむしろ ポーランド が攻勢に出ていました。慣れないことをすると コロンビア のカウンターが怖いよ,と思っていたのですが,ポーランド の攻撃に威力が全くないので,コロンビア が ポーランド の攻撃を受け止めるまでもなく主導権を奪い,先制しました。先制して守り抜く流れに持っていきたかった ポーランド が,先制されてしまってはプランが崩れますよね。なす術なく負けたという感じでした。

 コロンビア は,やっと下馬評通りの強さを見せてくれました。やはり 日本 戦は開始直後に退場者を出して10人になってしまったのですから,本来の力が出なくて当然だったのでしょう。前半に先制したことで,完全に コロンビア のペースになりましたし,ポーランド の状態が悪かったとは言え,3点取れたことで自信を取り戻したことでしょう。この勝利は,結果も内容も申し分ないものだったと思います。

 一方の ポーランド は,攻撃がことごとく機能せず,初戦の セネガル 戦からほとんど修正できていない感じでした。ボランチからの攻撃もサイドからの攻撃も,有効なものは少なかったです。セネガル がアンカーを置いてボランチを3人にしたのが有効でしたが,コロンビア も同じくアンカーを置いて対応し,ボランチから レヴァンドフスキ 選手にほとんどパスが通らなかったです。後半は,ポーランド の攻撃に威力がないことがわかり,アンカーをやめて2ボランチにしたことで,攻撃力が増し追加点につながりました。ポーランド は通常の攻撃では全くダメで,カウンターに賭けるしかなかったと思います。ただ,セネガル や コロンビア は攻撃に人数をかけすぎることなく,守備が ポーランド のカウンターに備えていたので,迫力あるカウンター攻撃も少なかったですね。セネガル や コロンビア が強かったというよりは,ポーランド が弱くて自滅したという印象です。

 1勝もせずに帰るわけにはいかない ポーランド と3戦目を戦う 日本 は「そう簡単には勝てない」と評されていますが,けして「引き分けなら御の字」といった弱者の評価は聞こえてきません。有識者も今の日本なら敗退が決まった ポーランド と五分の戦いができると思っているのでしょう。こういう状況の時,日本人はえてして楽観的な考えを引き締めにかかりますが,私はそういう考えにあえて逆張りをしてみたいと思います。「日本 は間違いなくグループリーグを突破できる」と言い切りたいと思います。

 そう言い切る理由の1つめは,ポーランド のチーム状態が悪いことです。敗退が決まってプレッシャーから解放され,サブメンバー出場によって開き直って状態が良くなる,ということも考えられなくはないですが,短期決戦で急激に上向くということはごくまれです。1勝はしないと…というのもこれはこれでプレッシャーになるはずなので,あまりリスペクトし過ぎずに臨んだ方がいいと思います。

 引き分け以上でグループリーグ突破ですが,日本 は引き分け狙いのゲームができるチームではありませんので,今までと同様に,前半15分までに攻勢をかけて先制することが重要です。今の ポーランド に2点を取る攻撃力はありませんので,1点取れれば少なくとも 1-1 の引き分けには持ち込めると思います。今まで同様,2-1 で勝つ作戦で臨めば結果はついてくるでしょう。前半で 2-0 にできれば,後半は早めに選手交代ができ,武藤 選手,山口 選手あたりを出せる展開になれば理想的です。個人的には,先発を3~4人入れ替えても問題なく戦えると思いますので,決勝トーナメントを見据えるならそれも一策です。それで負けるならその程度のチーム力なわけですし,これが成功すれば決勝トーナメント初勝利の可能性がグッと上がると思います。

 2つめの理由は,コロンビア vs セネガル 戦で コロンビア が勝つ確率が高いと踏んでいるからです。この場合,日本 が ポーランド に負けても勝ち点が セネガル と並ぶので,得失点差勝負になります。日本 が負けるとしても2点差を付けられる可能性は,今の ポーランド の状態を考えるとほぼありませんが,セネガル が2点差を付けられる可能性は,コロンビア の状態が上がってきていることを考えると十分あり得ます。また,逆に セネガル が勝ってくれれば 日本 は負けても突破できます。つまり,仮に 日本 が負けるようなことがあっても,リーグ突破の可能性はかなりあります。ただし,コロンビア vs セネガル 戦が引き分けで 日本 が負けると,勝ち点が並ぶのが コロンビア になり,この場合得失点差は コロンビア の方が上なので 日本 は敗退します。こうなってしまうともったいないので,負けて勝ち点4でも突破,という虫のいいシナリオは期待しない方がいいでしょうね。

 今の 日本 チームのメンタルは「ここまで来てグループリーグを突破できなかったらもったいない」「このチームなら ポーランド と真っ向勝負できる」「元々期待されてなかったんだから,勝ちに行って負けたところで失うものはない」という感じでしょう。油断するようなメンバーではないので,きっちり勝ってくれるものと信じましょう

 グループリーグ突破条件を整理しておきます。日本 は引き分け以上ならグループリーグ突破です。

《日本 が負けた場合》

・コロンビア vs セネガル 戦が セネガル 勝利 … 日本 が突破

・コロンビア vs セネガル 戦が コロンビア 勝利 … セネガル と勝ち点同点。3戦目の得点差が小さい方が突破。得点差が同じなら,3戦目の得点が多い方が突破。得点も同じなら,警告ポイントが少ない方が突破(警告ポイントの詳細は割愛しますが,普通にやれば 日本 の方が少ないはず)。

・コロンビア vs セネガル 戦が引き分け … 日本 敗退。コロンビア と勝ち点同点だが,得失点差は コロンビア が上。

厳しい状況は変わっていない

 ロシアワールドカップ初戦に勝利し,まさかの好発進となったサッカー日本代表。世間のムードが戦前から一転して明るくなる中,日本 が置かれている状況はまだまだ楽観できません。

 コロンビア 戦は,開始3分で相手がレッドカード一発退場という,願ってもない展開になりましたが,こういう展開を 日本 は一番苦手にしていますよね。勝たないといけないゲームだ,となったとたんにぎこちなくなるという…。先制されしかも一人少なくなった コロンビア は明らかに動揺していましたから,1点先行したから無理せずに…なんていうセオリーよりも,その場の空気を感じて強気で2点目を取りに行くべきだと個人的には思いました(有識者にはあれでよいという意見が多いようですが…)。経験値の高い選手が多いがゆえに,そういう勢いに乗っかるような試合展開を作れなかったことで,最終的に 2-1 という僅差のスコアに落ち着いてしまいました。前半15分までに猛攻でもう1点取れば,3-0 や 4-1 というスコアにもなりえた試合で,そうなれば コロンビア は打ちのめされ,立ち直ることなくグループリーグ敗退となったことでしょう。

 試合の流れの面では,グラウンダーのフリーキックを止められずに失点し,一人少ないのみならず明らかに調子が悪い相手に対して,流れの中で得点が取れず,コーナーキックによる得点も普通なら確実にクリアされてしまうキーパー真正面へのキックでした。ワールドカップは結果が全てなので,コロンビア に勝利したことはものすごく価値あることですが,内容は特に攻撃面に関しては課題だらけです。開始早々のPK & 一発退場と,コロンビア のパフォーマンスの悪さに助けられて勝てたようなものです。

 次戦の相手となる セネガル は ポーランド を破り,日本 のいるグループHは初戦が2戦ともジャイアントキリングになりました。2-1 というスコアや,2得点の取り方(オウンゴール,相手バックパスのミス)を表面的に捉えてはいけません。内容を見ると,素晴らしい組織的守備と,個の高い能力による攻撃を見せ,ポーランド よりもはるかに良いパフォーマンスでした。ポーランド のエースである レヴァンドフスキ 選手を完全に封じ込んだところを見ると,セネガル のスカウティングや戦略もかなり高度だと感じます。

 セネガル vs ポーランド 戦は,日本 vs コロンビア 戦より明らかに試合の質が高かったですから,現時点では セネガル が間違いなくグループH最強です。日本 が コロンビア 戦レベルのパフォーマンスだと,セネガル には確実にやられてしまうでしょう。初戦に勝ってメンタル面の自信を持つのは良いですが,戦術やパフォーマンスにまで自信を持ったとたんに,足をすくわれてしまうと思います。初戦が大事だと思い過ぎて,セネガル 対策がどうしても不十分になる恐れがあり,セネガル 戦は不安材料が尽きません。

 どうすれば セネガル を攻略できるでしょうか。詳しいことは有識者にお任せするとして,コロンビア 戦と同様に試合の序盤に攻勢を強め,早く先制することが勝利への絶対条件になるでしょう。前半15分のうちに点が取れなければ,苦しくなると思います。セネガル は基本的には相手に攻めさせてカウンター攻撃というチームなので,日本 が攻めあぐねていると,すぐに 日本 の動きに慣れ,カウンターで得点し,その後は守備を強める,という戦い方をされます。そうなると 日本 が点を取るのは難しくなると思います。ただ,セネガル は,ポーランド 戦ではそれほど強度の高い攻撃を受けておらず,日本 がベストパフォーマンスの攻撃を出せれば何度かチャンスを作れると思いますので,そこで決められるかどうかでしょう。1点の失点は覚悟せざるを得ませんので,勝つとすれば 2-1 という コロンビア 戦と同じスコアが目標になります。2点取るためには,先制してリードしたままゲームを進め,セネガル を前がかりにさせて守備組織を崩し,追加点を取ることが必要になるでしょう。

 コロンビア 戦で 日本 はあまり疲労せずに済みました。これは セネガル 戦には大きなプラス材料です。私は,コロンビア 戦の疲労を考慮してターンオーバーという奇策を提案(⇒過去ブログ参照)しましたが,そこまでの疲労がないですし,勝った時はメンバーを動かさないのが常道なので,ターンオーバーどころか別選手の起用もほぼないでしょう。ただし,ゴールキーパーの 川島 選手だけは,あまりに頼りないので変えるべきです。セネガル からの強烈なシュートを防ぐには,中村 選手を私は推します。

 日本 は セネガル に勝てれば申し分ありませんが,負けてもガッカリすることはありません。3戦目の ポーランド も難敵ですが,彼らは コロンビア 戦が死闘必至なので,かなりの疲労を抱えて 日本 と戦わなければなりません。セネガル よりも ポーランド の方が勝てる可能性が高い,というのがフタを開けてみての現実であり,セネガル に負けて ポーランド に勝つ,というのは不可能ではないシナリオです。ただ,ポーランド から見れば 日本 に負けるわけにはいきませんので,タフな戦いになることは間違いなく,日本 が連敗して結局グループリーグ敗退となる可能性もかなり残っています。

 今後の勝敗の展開を考えてみます。セネガル に勝てば,3チームが勝ち点6で並ぶケース(ポーランド 連勝,セネガル が コロンビア に勝つ)で得失点差等の勝負になる以外は,グループリーグを突破できます。問題は引き分けや負けの場合ですね。

《セネガル と引き分け

・日本 と セネガル が共に 1勝1分け:勝ち点4 になります。この場合,コロンビア vs ポーランド で勝った方が生き残り,負けた方は敗退決定となります。2強の一角が3戦目を待たずに敗退決定という衝撃の展開になるので,引き分けもそう悪くないシナリオです。ただ,ポーランド が生き残ると,3戦目で対戦する 日本 が厳しい戦いを強いられるので,日本 としては コロンビア が勝ってくれる方がいいでしょう。

コロンビア vs ポーランド が引き分けると,日本 は3戦目で引き分け以上なら突破,負けても得失点差等の勝負に持ち込めます。もし3戦目に コロンビア と ポーランド が共に勝つと,4チームが 1勝1敗1分け:勝ち点4 で並ぶという珍事が発生する可能性もあります。

《セネガル に敗戦

コロンビア vs ポーランド で ポーランド が勝つと,日本 vs ポーランド 戦がリーグ突破決定戦になります。

コロンビア vs ポーランド で コロンビア が勝つと,日本 と コロンビア が 1勝1敗:勝ち点3 で並ぶので,3戦目が コロンビア より良い結果であればリーグ突破になります。もし 日本 と コロンビア が共に負けると,ポーランド を含む3チームが 1勝2敗:勝ち点3 で並び,得失点差等の状況次第では勝ち点3でもリーグ突破の可能性が出てきます。また,日本 と コロンビア が共に勝つと,セネガル を含む3チームが 2勝1敗:勝ち点6 で並び,2勝してもリーグを突破できないという,あのアトランタ五輪「マイアミの奇跡」の時と同じ状況になる可能性もあります。

コロンビア vs ポーランド が引き分けだと,日本 は3戦目引き分けでも可能性が出てきますが,コロンビア が セネガル に勝てば 1勝1敗1分け:勝ち点4 で並ばれ,得失点差等の勝負で抜かれる可能性があります。

・つまり,セネガル に負けてしまうと,ポーランド と引き分けで突破できるケースはかなり限定的ですから,やはり ポーランド に勝つしかないということになります。

 以上を総合すると,日本 は セネガル 戦が引き分けか負けならば,ポーランド 戦は勝利が必要になると言ってよく,まだまだ厳しい状況なのです。ポーランド がリーグ突破の可能性を残した場合,ポーランド 戦はハードなゲームになるでしょうから,セネガル 戦を勝つに越したことはありません。戦前の「勝つべき相手」から現在は「勝っておきたい相手」という状況に変わり,戦前とは違った位置付けで セネガル 戦が重要なゲームになりました。パフォーマンスをもう一段高いレベルに上げて,良いゲームにしてほしいと願っています。

 そして,今後の展開を見据えると,コロンビア が ポーランド を叩いてくれれば 日本 にはありがたい展開になります。コロンビア が息を吹き返せるのか見守りたいところですが,レッドカードをもらった C.サンチェス 選手はボランチのキープレイヤーであり,次戦も出場停止なのは痛手でしょう。ハメス・ロドリゲス 選手も正直なところ起用できるレベルではなく,残りの選手たちの奮起に期待するしかありません。コロンビア vs ポーランド 戦は,負ければグループリーグ敗退決定という,正に「本当に負けられない戦い」であり,非常に見応えのあるゲームになることは間違いないでしょう。

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