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ジャンプ戦略考察:女子シングルロシア選手編

 フィギュアスケートの世界選手権の開催が近づいてきました。そこで,出場選手がどんなジャンプを選んでいるのかを見ていこうということで,前回は女子シングル日本選手のFS(Free Skating,フリースケーティング)のジャンプ構成を紹介しましたが,今回は優勝争いの相手となるロシア選手のFSのジャンプ構成を見ていきましょう。

 まずは,平昌五輪女王 ザギトワ 選手です。

figureSkateScoreZagitova

 表の見方は前回の記事を参照してください。ザギトワ 選手の11本のジャンプは,平昌五輪のときと同じです。五輪のときは,全てのジャンプを演技時間後半に入れ7回のジャンプの基礎点を全て1.1倍にするという荒業でスコアを最大化しましたが,今シーズンのスコアルールの改定により,点数が1.1倍になるボーナスタイムは演技時間後半のうち最後の3回だけに制限されました。それでも,ザギトワ 選手のスコアを高める戦略は相変わらずで,連続ジャンプ2回と(単独ジャンプでは最も基礎点が高い) 3F をボーナスタイムに持ってきています。連続ジャンプを3回全て持ってきたかったと思いますが,それだと前半に単独ジャンプが続き退屈なので,前半に 3Lz+3T を入れてメリハリを付けたと考えられます。

 3Lz と 3F が2本ずつというのは ザギトワ 選手のジャンプ能力の高さを示しています。当ブログでたびたび話題にしていますが,女子選手は Lz と F の飛び分けに苦労する選手が多く,一方は得意でも他方は苦手という選手が多いのです。そういう選手は,得意な方を2本入れ,苦手な方は1本しか入れないのが通例です。ですから,3Lz と 3F を2本ずつ入れるのはなかなかできないことですし,3Lz と 3F は他のジャンプより基礎点が高いので,スコア戦略の面でもとても有効です。

 しかしながら 3Lz と 3F を2本ずつ入れただけでは,意外とスコアが伸びないのです。「3回転以上のジャンプで2本入れられるのは2種類まで」というルールがあるので,他の3回転ジャンプ(3Lo,3S,3T)が1本ずつしか入れられません。これだと2回ある2連続ジャンプを両方 +3T にすることができないので,2連続ジャンプの一方を +2T にせざるを得なくなります。+2T を使うくらいなら,3Lz か 3F を1本に減らして,+3T を2本入れた方がスコアが高くなるのです。そこで ザギトワ 選手は,3Lo を第1ジャンプではなく第2ジャンプに使う,つまり +3Lo を入れています。+3Lo は,単に +3T より点数が高いというだけではなく,3Lz と 3F を2本ずつ入れるメリットを生かすためでもあるのです。

 しかし,第2ジャンプを +3Lo にするのは非常に難易度が高いです。+3T は第1ジャンプを右脚(リバースジャンパーは左脚)で着氷した後,空中にある左脚(リバースジャンパーは右脚)のトウ(つま先)で氷を蹴って第2ジャンプを飛ぶので,ジャンプの推進力が得られます。一方,+3Lo は第1ジャンプを着氷した右脚エッジ(刃)で氷を蹴って第2ジャンプを飛ぶので,+3T より推進力が落ちます。なので,+3T よりも第1ジャンプをクリーンに着氷しないと +3Lo が失敗したり回転不足になる可能性が高いのです。その割に +3Lo は +3T より 0.7 点高いだけなので,そこまでリスクを負って +3Lo を入れる選手がほとんどいないのです。以前は 浅田真央 さん(ソチ五輪で 3F+3Lo)以外プログラムに入れる選手はいませんでしたが,最近は ザギトワ 選手のほかにも,テネル 選手(米)や何人かのジュニアの選手が取り入れています。

 3Lz と 3F の各2本投入,+3Lo の採用,この2つを同時に実行する ザギトワ 選手のジャンプ能力は極めて高く,3A を飛ばないという条件下で最高のスコアになるジャンプ構成を実現しています。あえて私見として難点を挙げるならば,平昌五輪では 2A+3T だった連続ジャンプを,今シーズンは 3Lz+3T にしていることです。これだと,3Lz は2本とも連続ジャンプ,2A は2本とも単独ジャンプなので,3Lz の依存度が高く,やや偏った構成になっているので,平昌五輪のジャンプ構成の方が,バランスが取れていて良かったなぁと感じます。とはいえ,今回の構成も超ハイレベルであり,世界選手権では完璧な演技を観たいと願っています。

 続いては,ヨーロッパ女王に輝いた サモドゥロワ 選手です。

figureSkateScoreSamodurova

 3F と 2A の依存度が高いという点で,坂本花織 選手と類似したジャンプ構成になっていますが,2A2本とも連続ジャンプで,しかも両方ともボーナスタイムに入れている点で,2A をより重視した構成です。連続ジャンプは3回転に付けようが 2A に付けようが基礎点は同じなので,ジャンプの難度を下げてもスコアは稼げるというなかなか巧みな戦略です。ただ,アクセルジャンプは男女を問わずさほど得意ではない選手が多く,しかも 2A+3T は第2ジャンプの方が回転数が多いというなかなか手ごわい連続ジャンプなので,2A を2本ともボーナスタイムの連続ジャンプにするには,2A に絶対の自信が必要です。サモドゥロワ 選手はアクセルジャンプが得意だということがよくわかりますね。

 最後は,滑り込みで世界選手権の出場を果たした メドベージェワ 選手です。

figureSkateScoreMedvedeva

 このジャンプ構成は,昨年末のロシア選手権で実施されたものですが,それ以前の大会とはジャンプ構成が異なっているので,世界選手権でもこれとは異なる構成になる可能性はありそうです。一見 +3Lo が目を引きますが,ジャンプの種類は平昌五輪とほとんど変わっておらず,2本あった +3T の1本が +3Lo に変わっただけです。

 メドベージェワ 選手も Lz が苦手なので,3F を2本にしています。連続ジャンプが 3F+2T+2T なんですが,+2T+2Lo が通例のところ,それより基礎点が 0.4 点低い +2T+2T を入れています。3S+3Lo は今シーズンのチャレンジですが,第1ジャンプは比較的飛びやすい 3S を使っています。ボーナスタイムは 2A+3T, 3F, 2A の3回ですが,2A が2本,2連続ジャンプ1回,3連続ジャンプなしという堅実な選択です。これらからわかることは,メドベージェワ 選手のジャンプは基礎点の高さに頼らず,全てのジャンプを確実に飛んで GOE (Grade Of Execution,出来ばえ点)を高める戦略を採っているということです。

 メドベージェワ 選手は,ジャンプを含む全ての要素を完璧に実施し,ミスがほとんどない印象がありますが,ジャンプが大得意というわけではなく,基礎点がさほど高くないジャンプの完成度を上げることを突き詰めた結果,ミスがないだけでなくジャンプが演技の中に溶け込み,GOE に加えて PCS (Program Component Score,演技構成点)も上がったことで,平昌五輪までは驚異的なスコアを出し続けてきました。今シーズンから指導する ブライアン・オーサー コーチは,このままの基礎点では今後は戦えないと考え,基礎点の高いジャンプを飛べるように,一からジャンプを見直しているのではないか,と私は推察しています。世界選手権は,その途上の姿を観ることになると思いますが,+3Lo 以外のチャレンジがあるかどうかも含めて,新たな理想をめざす メドベージェワ 選手に注目しましょう。

 ロシア 選手もジャンプに関しては三者三様で個性が表れています。開催国として地の利を生かす日本勢に対して,ロシア 選手がどこまで壁として立ちはだかるか。世界選手権は史上まれに見るハイレベルな大会になりそうです。

ジャンプ戦略考察:女子シングル日本選手編

 フィギュアスケートの世界選手権の開催が近づいてきました。今年は日本開催なので,日本勢の活躍に期待がかかります。そこで,出場選手がどんなジャンプを選んでいるのかを見ていこうと思います。

 私は,あくまでも「フィギュアスケートはスコアを競う競技である」という視点に立ち,スコア分析をこのブログの1つの柱にしています。そこで,各選手がFS(Free Skating,フリースケーティング)でどんなジャンプを飛ぶのかがわかる表を作成しました。まずは,宮原知子 選手のジャンプ構成表を見てください。

figureSkateScoreMiyahara

 表の見方を説明します。11.1 と書いてあるのが,どのジャンプを飛ぶのかを示しています。1.1 は数字のとおりスコアが 1.1 倍になるボーナスタイム(演技時間後半のラスト3回)のジャンプです。宮原 選手の場合,単独ジャンプは 3Lz, 3Lo, 3S, 2A (記号の説明は割愛します)を飛び,2A にボーナスが付きます。連続ジャンプ(表では「コンビネーションJump」と記載)は 3Lz+3T, 2A+3T, 3F+2T+2Lo を飛びます。

 表の右側の「回数」は,第1ジャンプ(単独ジャンプ,および連続ジャンプの最初のジャンプ)としてどのジャンプを何本飛ぶかを示し,整数部はトータルの本数,小数部はボーナスタイムの本数を示します。3Lz の回数 2.0 は「2本飛びボーナスタイムは無し」を表し,2A の回数 2.2 は「2本飛び,その2本ともボーナスタイムに飛ぶ」を表します。回数欄を縦に眺めると,宮原 選手の第1ジャンプは,3Lz と 2A が2本ずつ,3F, 3Lo, 3S が1本ずつで,そのうちボーナスタイムに飛ぶのは 3F (1本)と 2A (2本)であることがわかります。

 「基礎点内訳」は,ジャンプの基礎点を第1ジャンプごとに合計したものです。宮原 選手は 3Lz で 16.00 点,3F で 9.13 点を獲得することがわかります。「基礎点増分」は,基礎点内訳の点数から各ジャンプ1回分の基礎点を差し引いた値で,この値が大きいほどそのジャンプが得点源になっていることを示しています。宮原 選手の 3Lz を例にとると,3Lz が第1ジャンプになるのは 3Lz 単独 と 3Lz+3T の2回で,これらの基礎点合計は 3Lz の「基礎点内訳」に記載されている 16.00 点です。3Lz 1本の基礎点が 5.9 点なので,16.00 - 5.9 = 10.10 点が 3Lz の「基礎点増分」になります。宮原 選手の 3Lz は,単独ジャンプ1本の点数と比べて 10.10 点のプラスを得ているという計算になります。

 「ボーナス加点分」は,ボーナスによって通常のスコアから上乗せされた分を示します。これは,ボーナスが付くジャンプの基礎点の 10% です。表の下側の集計欄を見ると,宮原 選手はボーナス無しなら 44.3 点のところ,ボーナスによって 1.91 点が上乗せされ,合計で 46.21 点になることがわかります。

 では,宮原知子 選手のジャンプ構成を具体的に見てみましょう。3回転ジャンプで同じ種類を2本飛べるのは2種類までなので,3T を連続ジャンプ(第2ジャンプ)で2本使い,もう1種類を 3Lz にしています。第2ジャンプの 3T は 3Lz と 2A に付け,3連続ジャンプは 3F を使っています。

 宮原 選手の構成は,とても練られていると感じます。3Lz が得意な 宮原 選手ですが,2回の 3Lz のうち連続ジャンプは1回だけで,しかも2回ともボーナスタイムではありません。3連続ジャンプは 3F に付け,しかもボーナスタイムに持ってきています。3Lz に頼り過ぎず 3F とのバランスを示す構成になっています。

 2本飛ぶ3回転ジャンプ3Lz3T を使っていますが,この選択は実は,3A や +3Lo を入れないオーソドックスな構成において,スコアが最も高くなるのです。また,連続ジャンプの 3T を 3Lz と 2A に付けているのも素晴らしいです。2A は2本とも単独ジャンプにしても問題ないのですが,単独の 2A が2本入るとどうしても退屈な印象になりがちです。2A+3T を入れると華やかな印象になるほか,GOE 加点を最大 ±2.1 にすることができる(2A 単独や 2A+2T だと ±1.65)ので,わずかですがスコアが上がるのです。

 宮原 選手は 2A も得意なので,2A2本ともボーナスタイムに入れています。また,ボーナスタイムに連続ジャンプ2回入れることでスコアを上げています。オーソドックスなジャンプを選択しながらも,Lz と F のバランス,スコア戦略,得意なジャンプの配置などの策をうまく盛り込んでいる 宮原 選手のジャンプ構成は,理想的だと言っていいと思います。

 続いて,全日本女王の 坂本花織 選手のジャンプ構成表を見てみます。

figureSkateScoreSakamoto

 「基礎点増分」欄から,3F2A の依存度が高い構成であることが分かります。坂本 選手は Lz が苦手で F が得意なので,3Lz は単独ジャンプ1本のみで,3F は2本とも連続ジャンプにして,3F でスコアを稼ぐ作戦を採っています。女子選手は,Lz と F の一方が得意で他方は苦手という選手がけっこう多いので,Lz と F の一方に大きく依存するジャンプ構成は珍しくありません。

 ボーナスタイムに 2A+3T+2T という大技を持ってきているのも 坂本 選手の大きな特徴です。3連続ジャンプは,間に1回転を挟む +1Eu+3S タイプと,2回転を連続させる +2T+2Lo タイプの2種類が主流で,+3T+2T を入れている選手は珍しいです。しかもそれをボーナスタイムに入れているのは,2A が得意な 坂本 選手ならではのジャンプと言えます。

 ただし,スコア戦略の面ではこの大技はちょっともったいない感じになっています。坂本 選手の連続ジャンプが +3T+2T, +3T, +2T なのに対し,前述した 宮原 選手は +3T, +3T, +2T+2Lo なので,宮原 選手の方が 2Lo を使っている分だけスコアが高い(2Lo と 2T の基礎点差は 0.4)のです。この分を少しでもカバーするため,坂本 選手は,ボーナスタイム連続ジャンプ2回と(単独ジャンプでは苦手な 3Lz の次に基礎点が高い) 3Lo を持ってくることで,基礎点を2点以上上乗せしています。

 最後は,シニアデビューシーズンでの初出場初優勝を狙う 紀平梨花 選手です。

figureSkateScoreKihira

 なんといっても2本3A,そのうち1本の連続ジャンプが 3A+3T という大技,というのが圧巻です。そして,3A が2本あるにもかかわらず 3Lz2本あり,しかも両方とも連続ジャンプという,女子としてはとんでもないジャンプ構成です。3A と 3Lz でジャンプのスコアの7割以上を占めていますが,これは単純に基礎点が高いジャンプを多く入れた結果だと思います。

 つい 3A に注目しがちですが,実は 3Lz の安定感が大きな武器です。3A はどうしても失敗のリスクが高いですから,3Lz できっちりスコアを稼げる点が 紀平 選手の高得点を支えていると言えるでしょう。ちなみに,紀平 選手は F が苦手なわけではありません。Lz が非常に安定しているのでこのような構成にしているだけで,SP(Short Program,ショートプログラム)では 3Lz は単独ジャンプにして,3F+3T の連続ジャンプを入れています。

 ちょっと面白い特徴として,紀平 選手のジャンプには 2A がありません。7本ある第1ジャンプ全て3回転というのは,他の女子選手には見られない大きな特徴です。ほとんどの一流選手は 2A を2本入れますが,その2本をそのまま 3A に置き換えた構成です。紀平 選手のFSが壮大な雰囲気を感じるのは,2A が無いことも要因の1つかもしれません。

 ボーナス加点率が低いと感じられた方は,なかなか鋭いです。宮原,坂本 両選手の4%台に対し,紀平 選手は3%台で,これは有力選手の中では最も低いです。つまり,紀平 選手はボーナスタイムをあまり活用できていないということなのですが,基礎点が高い 3A がありますので,相対的にボーナス加点率が低くなるのはやむを得ない面があります。また,これは私の推測なんですが,昨シーズンまでのルールであれば 3Lz+2T にもボーナスが付くはずでしたが,今シーズンのルール改定によってボーナスがなくなってもプログラムを変えなかった,ということかもしれません。これでも,ザギトワ 選手(ロシア)に5点近い差をつけ,全シニア女子選手中トップの基礎点を持っていますので,これで十分という判断だったと思います。

 日本の3選手は,バランスとスコア戦略を両立する 宮原 選手,得意なジャンプを前面に出す 坂本 選手,世界一の基礎点を持つ 紀平 選手と,同じ7回11本のジャンプでもその内訳には各選手の個性がよく表れています。大技や得意なジャンプに注目がいきがちですが,単独ジャンプには苦手なジャンプが入っているので,これをどう乗り切るのかを見るのも注目点だと思います。宮原 選手は 3S,坂本 選手は 3Lz が各々苦手なので,ここも見どころです。紀平 選手はやはり 3A の出来が勝負を左右するでしょう。

 次のブログでは,優勝争いの相手となるロシア勢のジャンプ構成を見てみようと思います。

平成カラオケランキング 【JOYSOUND 編】

 先日「DAM 平成カラオケランキング」を紹介しましたが,今度は通信カラオケメーカーの元祖である JOYSOUND からも「JOYSOUND 平成カラオケランキング」が発表されました。こちらもベスト30を載せておきます。

  1. 残酷な天使のテーゼ / 高橋洋子  【**★**
  2. ハナミズキ / 一青窈  【**★**
  3. 小さな恋のうた / MONGOL800  【**★**
  4. チェリー / スピッツ  【**★**
  5. キセキ / GReeeeN  【**★**
  6. 未来予想図II / DREAMS COME TRUE  【**★**
  7. サウダージ / ポルノグラフィティ  【**★**
  8. 天体観測 / BUMP OF CHICKEN  【**★**
  9. アゲハ蝶 / ポルノグラフィティ  【**★**
  10. I LOVE YOU / 尾崎豊  【**★**

  11. タッチ / 岩崎良美  【**★**
  12. シングルベッド / シャ乱Q  【**★**
  13. TSUNAMI / サザンオールスターズ  【**★**
  14. fragile / Every Little Thing  【**★**
  15. そばかす / JUDY AND MARY  【**★**
  16. 世界に一つだけの花 / SMAP  【**★**
  17. 天城越え / 石川さゆり  【**★**
  18. 粉雪 / レミオロメン  【**★**
  19. 愛唄 / GReeeeN  【**★**
  20. 糸 / 中島みゆき  【**★**

  21. HOWEVER / GLAY  【**★**
  22. 花 / ORANGE RANGE
  23. CAN YOU CELEBRATE? / 安室奈美恵  【**★**
  24. 栄光の架橋 / ゆず  【**★**
  25. Story / AI  【**★**
  26. 夏祭り / Whiteberry  【**★**
  27. 奏 -かなで- / スキマスイッチ  【**★**
  28. 3月9日 / レミオロメン  【**★**
  29. 純恋歌 / 湘南乃風  【**★**
  30. First Love / 宇多田ヒカル  【**★**

 【**★**】のリンクは,Webサイト「ヒット曲音域データベース」に登録されている音域データです。「花」以外は全て登録されていますので,カラオケで歌いやすい音域かどうかのチェックにご活用ください。

 DAM では平成3位だった「残酷な天使のテーゼ」が JOYSOUND では1位になりました。スナック等の酒場に強い DAM に対し,カラオケルームを中心に発展してきた JOYSOUND は,若年層やアニソンが相対的に強く,それがこの1位に表れていますね。

 他にも,よく歌ったなぁと思う名曲がずらりと並んでいますが,DAM のランキングと微妙に違っています。この DAM と JOYSOUND の違いについては,別の機会に比べてみたいと思います。

平成カラオケランキング 【DAM 編】

 平成最後の年末となった昨年末に,DAM でおなじみのカラオケメーカー 第一興商 から「DAM 平成カラオケランキング」なるものが発表されました。ベスト30をここにも書いておきます。

  1. ハナミズキ / 一青窈  【**★**
  2. 小さな恋のうた / MONGOL800  【**★**
  3. 残酷な天使のテーゼ / 高橋洋子  【**★**
  4. 天城越え / 石川さゆり  【**★**
  5. チェリー / スピッツ  【**★**
  6. 世界に一つだけの花 / SMAP  【**★**
  7. Story / AI  【**★**
  8. キセキ / GReeeeN  【**★**
  9. I LOVE YOU / 尾崎豊  【**★**
  10. 涙そうそう / 夏川りみ  【**★**

  11. 北の旅人 / 石原裕次郎  【**★**
  12. TSUNAMI / サザンオールスターズ  【**★**
  13. 酒よ / 吉幾三  【**★**
  14. 北空港 / 浜圭介・桂銀淑  【**★**
  15. 居酒屋 / 五木ひろし・木の実ナナ  【**★**
  16. シングルベッド / シャ乱Q  【**★**
  17. 純恋歌 / 湘南乃風  【**★**
  18. 粉雪 / レミオロメン  【**★**
  19. 桜 / コブクロ  【**★**
  20. 花 / ORANGE RANGE

  21. 栄光の架橋 / ゆず  【**★**
  22. 奏 -かなで- / スキマスイッチ  【**★**
  23. ふたりの大阪 / 都はるみ・宮崎雅
  24. つぐない / テレサ・テン  【**★**
  25. 未来予想図II / DREAMS COME TRUE  【**★**
  26. タッチ / 岩崎良美  【**★**
  27. 愛唄 / GReeeeN  【**★**
  28. 雪の華 / 中島美嘉  【**★**
  29. 糸 / 中島みゆき  【**★**
  30. 時の流れに身をまかせ / テレサ・テン  【**★**

 【**★**】のリンクは,Webサイト「ヒット曲音域データベース」に登録されている音域データです。「花」「ふたりの大阪」以外は全て登録されていますので,カラオケで歌いやすい音域かどうかのチェックにご活用ください。

 こうやって見ると,確かに錚々たるカラオケの超名曲が並んでますね。「ハナミズキ」「小さな恋のうた」が1位・2位なんだ…と思う方もいるかもしれませんが,両曲は発売から平成の間ずっと年間ベスト10の常連なのです。歌うと気持ちが入りやすいメロディーや歌詞が特徴的で,アニソンと演歌の王道ソングである「残酷な天使のテーゼ」「天城越え」より上位に来ているのがすごいですね。

 平成の後半に登場した「Story」「キセキ」がベスト10に入っているのは本当に素晴らしいです。この2曲は聞いていると元気づけられますよね。歌う人も聞き手を元気づけている感じがして気持ちいいのだと思います。

 「北空港」「居酒屋」という,1980年代に登場したデュエット大定番の2曲が,平成でも歌われ続けました。曲の世界観が,カラオケの主戦場の1つであるスナックと完全にマッチしているのが人気の理由でしょう。2曲とも,男女が交互に歌っていき,サビの最後で男女が一緒に歌うという構成であり,これぞデュエットという感じがします。この2強の座はなかなか揺るがないと思いますね。

 音域の観点から見ると,音域の広さでは「TSUNAMI」が群を抜いています。音域が2オクターブ半近くあり,キーを調整したとしても低音と高音はなかなかうまく歌えないと思いますが,誰もが知る名曲ですし,チャレンジのしがいがあります。他には「小さな恋のうた」が意外と言っては失礼ですが音域が広いです。サビは歌いやすいので気軽な気持ちで歌ってみると,サビの前に思いのほか低い音が出てくる罠があります。

 逆に,思いのほか音域が狭い曲は「酒よ」と「」です。コブクロ は音域が広い曲が多いのですが,「桜」に限っては1オクターブちょうどという歌いやすい音域です。この歌いやすさも,このランキングの上位になった理由の1つかもしれません。

 昭和末期に登場したカラオケが,酒場からカラオケルームに広がり,娯楽文化として定着・発展したのが平成でした。これらの歌を歌いながら,平成を振り返ってみるのも一興ではないでしょうか。

全米史上最年少優勝 アリサ・リウ がすごい!

 フィギュアスケートの2019年全米選手権。五輪翌シーズンで特に女子の一線級が軒並み欠場していることもあり,今年の全米は見どころがないだろうけど一応観ておこう…という感じでのんきに観ていたら,女子シングルですごい選手が出てきていきなり優勝し,フィギュアスケート界に衝撃が走っています。

AlysaLiu2019USNational 彼女の名前は アリサ・リウ (Alysa Liu)。13歳5か月での優勝は,今まで全米史上最年少だった,長野五輪金メダリスト タラ・リピンスキー さんの記録を塗り替え,3A(トリプルアクセルジャンプ)をSP(Short Program,ショートプログラム)とFS(Free Skating,フリースケーティング)で合計3本成功させました。この2つの偉業が特徴的に報じられているのですが,リウ 選手のすごさはこれだけではありません。演技全体,さらにはキス&クライ(得点発表を待つ場所)での振る舞いを観た私は,リウ 選手の実力とスター性に驚嘆し,次世代の北米をリードする存在になると確信しました

 3本の 3A というだけでは語れないのが,強力なスコア戦略です。同じく 3A を3本入れている 紀平梨花 選手と比較しながら見ていきます。まずSPのジャンプ構成を比べてみます。

紀平:3A 3F+3T / 3Lz
リウ:3A 3F / 3Lz+3T

 2人のジャンプ構成は同等です。連続ジャンプを 3Lz(トリプルルッツ)に付けるか,3F(トリプルフリップ)に付けるかの違いだけで,一見同じスコアに思えます。しかし,基礎点1.1倍ボーナス(後半最後のジャンプ)の対象となるジャンプが異なっています。紀平 選手が 3Lz(基礎点のボーナス分:0.59)を入れているのに対し,リウ 選手は 3Lz+3T(同:1.01)という,SPでは最も基礎点が高い連続ジャンプを入れているのです。冒頭に 3A を飛んでいながら,最後に連続ジャンプを入れるという リウ 選手の構成は,スコアがわずか 0.42 点しか上乗せされないことを考えるとかなりリスキーですが,こんなすごい構成が組めるというインパクトは絶大です。

 FSのスコア戦略はさらに興味深いです。2人のジャンプを飛ぶ順番どおりに並べてみます。

紀平:3A+3T 3A 3Lo 3Lz+2T / 3F 3Lz+2T+2Lo 3S
リウ:3A+2T 3A 2A 3Lo / 3Lz+3T 3Lz+1Eu+3S 3F

 / の右側がボーナスタイム(演技時間後半の最後の3回,点数1.1倍ボーナスの対象)です。これらをバラしてどのジャンプを入れているかだけに注目すると,下記のようになります。

紀平:3A* 3Lz* 3F 3Lo 3S +2T+2Lo +3T +2T
リウ:3A* 3Lz* 3F 3Lo 2A +1Eu+3S +3T +2T

 * は2本入れているジャンプです。入れているジャンプの種類だけ見ると,3A を2本入れている2人だけあってよく似ています。リウ 選手の方が(1.1倍ボーナスを考慮しない)基礎点が 0.8 点高いですが,大きな差ではありません。

 しかし(1つ前の比較に戻ると)ジャンプ構成やその順番はかなり違っています。ボーナスタイムのジャンプを見ると,リウ 選手が 紀平 選手より難しいジャンプをここに入れていることがわかります。3Lz+3T3Lz+1Eu+3S は,3A 以外のジャンプの中で基礎点の高さ1位と2位のジャンプであり,これらに1.1倍ボーナスを付けることで基礎点を最大化できます。また,最後のジャンプである 3F も,入れることができるジャンプの中では一番基礎点が高いです。つまり,リウ 選手のジャンプのスコアは,3A を2本入れ +3Lo(連続ジャンプのセカンドループ)を使わないという条件において,基礎点が最も高くなる構成なのです。ジャンプの基礎点を比較すると以下のようになり,リウ 選手のボーナスタイムのスコアがいかに高いかがよくわかります。

基礎点 計Bonus Time 計割合
紀平:52.6520.3539%
リウ:54.2128.7153%

 紀平 選手は 3A+3T という大技があるにもかかわらず,(過去のブログで指摘したように)スコアはまだ伸ばせる余地があります。一方,リウ 選手は 3A の連続ジャンプを +2T にして成功確率を高め,3Lz の連続ジャンプに +3T を付けてそれをボーナスタイムに持ってくることで,スコアを上げることもできているのです。連続ジャンプのスコアは各ジャンプの基礎点の単純な足し算なので,3A+3T 3Lz+2T と 3A+2T 3Lz+3T は基礎点が同じであることをうまく突いており,リウ 選手陣営のスコア戦略が感じられます。

 ただ,3A を2本入れながらさらにボーナスタイムに 3Lz+3T を飛ぶのは非常にリスキーであり,リウ 選手が 3A 以外のジャンプにも自信があるからこそ採れる戦略と言えます。現に,FSでは8トリプル(3回転ジャンプ8本)にも成功しました。そして,さらに驚くべきことに,演技全体の表現力が既にシニアのレベルに達しています。腕や手先の使い方がとても自然で,ジュニア選手が大人ぶって無理があるような動作がほとんどないのです。この「3A 以外のジャンプの安定感」「演技全体の表現力」は,紀平 選手と共通しています。これこそが,リウ 選手の全米優勝が衝撃をもって受け止められている理由ではないかと思います。

 また,リンク外では表情豊か。滑り終えると緊張から解放されて涙。スコアを待つ間は満面の笑顔。スコアが発表されると驚きの後に号泣。13歳でも年齢なりに背負うものがあると感じさせる感情表現に,私は強く惹きつけられました。全米女王という大きなタイトルを史上最年少で手にするという強運も得て,次世代のスターが誕生したという印象を強く持ちました。

 リウ 選手は年齢の関係で,まだジュニアにも上がっていませんので,今シーズンの世界ジュニア選手権には出場できません。来シーズンやっとジュニアに上がり,シニアに上がるのは最早で 2021/22 シーズン,なんと北京五輪シーズンです。まだまだ先の話ですから今後何があるかわかりませんが,女子選手が体系変化に苦しむ年齢になる前に五輪を迎えるので,順調に成長すれば 紀平 選手の強力なライバルになる可能性が高いと思います。シニアデビューシーズンでいきなり五輪ならそこまでのライバルにはならないのでは?と思っている方は,平昌五輪の金メダリスト ザギトワ 選手がシニアデビューシーズンだったこと,そして今シーズンの 紀平 選手もシニアデビューであることを忘れていませんか。女子選手は特に,ジュニアで十分な経験を積めば,シニアデビューで一気にトップ選手に駆け上がることができるのです。アリサ・リウ 選手が今後,ジュニアでどのような成長を遂げていくのか,大いに注目していきましょう。

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