今週末に開催されるフィギュアスケートのグランプリファイナル大会は,羽生結弦 選手をはじめ,ある年齢以上の選手が出場するシニア大会と,本田真凜 選手など若手が出場するジュニア大会が併催されるのが大きな特徴です。私は2013年の福岡大会を生観戦しましたが,ジュニアも全試合を観戦し,ジュニア選手の演技の素晴らしさに感嘆しました。そのときジュニアで出場していた,メドベージェワ(RUS),ソツコワ(RUS),ネイサン・チェン(USA),タラソワ & モロゾフ ペア(RUS)といった選手たちは,今年のシニアのファイナルに出場しますが,彼らはジュニアの頃からキラッと光る存在感を放っていました。今回のジュニアは逸材揃いと言われているので,地上波(シングル女子のみ)やBS・CSでチェックしてほしいと思います。

<ジュニアグランプリファイナル シングル女子 出場選手>

  • 日本勢: 紀平梨花坂本花織本田真凜
  • ロシア勢: グバノワ,ザギトワ,ヌグマノワ

 昨今のジュニアシングル女子は,シニアと比べても何ら遜色ない演技を魅せてくれるので,観ていて満足感が高いです。今年も日本vsロシアの一騎打ちの構図ですが,日本勢はタイプの違う3人が出場する強力な布陣です。

 トリプルアクセルに注目が集まりがちな 紀平梨花 選手ですが,ジャンプ全般がとても得意で,ジュニアにして8トリプル(フリースケーティングで3回転ジャンプを8回入れること)にチャレンジしています。8トリプルはトリプルアクセルを飛べるだけでなく,他の5種類のトリプルジャンプをきちんと飛べなければなりません。浅田真央 選手がソチ五輪のフリースケーティングで8トリプルにトライしましたが,全て着氷はしたものの,いくつかのジャンプでは回転不足がありました。そのくらい難しい8トリプルに成功すれば,金メダルの可能性もあります。

 坂本花織 選手はファイナル優勝候補筆頭といってもいいほど今季絶好調。先日の全日本ジュニアも優勝しました。ジャンプと表現が両方ともできる万能型の選手で,リンク外での明るい振る舞いも話題になっています。若い 紀平 選手や緊張しいの 本田 選手にとっても心強い存在だと思います。

 本田真凛 選手は,子役女優 本田望結 の姉でもあり注目されていましたが,世界ジュニア選手権を優勝したことでさらに注目度が上がりました。ですが,世界ジュニア選手権は強力なライバル2人が棄権するという幸運がありましたので,今回優勝して実力を示したいと思っていることでしょう。大舞台の度胸は一級品ですが,今季は成績が不安定で,表彰台なら御の字だと思います。とはいえ,手先,体の使い方,表情などの表現力は素晴らしいものを持っていますので,それをファイナルで存分に魅せてほしいです。

 ロシア勢は,実力が抜きん出ている ツルスカヤ 選手が,世界選手権に続き棄権となってしまいとても残念です。ところが,繰り上がりで出場する ヌグマノワ 選手がすごいんです。紀平 選手よりも1ヶ月若い14歳ですが,表現力は 本田真凛 選手よりも上と感じる方もいると思います。日本のアイスショーに出たときの放送を観たのですが,顔はあどけないのに,体の使い方は完全にシニアの上級者ばりで,表現や雰囲気が完成されているのです。観た方は,若いのにこんな演技ができるのか!?ときっと驚くと思います。競技会の ヌグマノワ 選手を私はまだ観たことがないので,とても楽しみです。

 注目点が多い女子に比べると,日本勢がいないのでどうしても注目度が下がってしまう男子ですが,韓国の チャ・ジュンファン 選手が大注目です。平昌五輪の開催国 韓国 についにメダルを狙える選手が現れたと話題なのです。技術面も芸術面も優れる万能型だそうで,ファイナルで優勝するようなことがあれば,一気にブレイクする可能性を秘めています。この選手も私は観たことがないので,楽しみにしています。