今晩,SP(Short Program,ショートプログラム)の録画映像を観ました。明日も第1グループからしっかり観戦したいので,手短に。

 SPは,ネイサン・チェン 選手(米)を除く有力4選手は,ほぼ今シーズンの実力どおりの順位となりました。宇野昌磨 選手はもう少しスコアを伸ばしたかったところだとは思いますが,団体戦より良いスコアだったことを前向きに捉えたいです。

 羽生結弦 選手は,FS(Free Skating,フリースケーティング)の予定構成では4回転3種類5本(4Lo,4S×2,4T×2)となっているようですが,これは陽動作戦だと思われます。もはや陽動の相手である チェン 選手と点差がつきましたので,5本入れる必要は全くなく,4回転を4本に留めて 3A を2本飛ぶのが得策。変に4回転5本にこだわると,思わぬ落とし穴が待っていると私は思います。SPが良くてもFSが案外良くないのが最近の 羽生 選手の傾向。ケガ明けのFSはそんなに甘くないと思っておいた方がいいです。

 宇野昌磨 選手は,羽生 選手と7点差なので,予定どおりの構成だと 羽生 選手のミス待ちとなります。ミスの差が大ミス1個または小ミス2個なら 宇野 選手の金メダルもあります。ただ,羽生 選手がノーミスだと滑走前から逆転の目がほぼなくなるので,その場合に銀メダルで良しとするのか,牙をむいて 4S 追加の秘策を繰り出すのか,後者の可能性はかなり少ないとは思いますが注目点ではあります。団体戦出場の疲労がFSの後半に影響してくると思うので,後半の2本の 4T,そして最後の 3S+3T の出来が,メダルの色を変えることになると思います。

 ハビエル・フェルナンデス 選手(スペイン)にはベストの演技を期待したいですが,羽生 選手の直後の滑走なので,羽生 選手が良い演技なら会場の熱気が,そうでもなければ微妙な空気が会場を支配し,どちらにしてもタフな状況です。もし ボーヤン・ジン 選手(金博洋,中国)がパーフェクトだと,フェルナンデス 選手にもパーフェクトに近い演技が必要になりますが,今シーズンのFSの出来を考えるとかなり難しいミッションになるでしょう。

 この試合展開だと,大舞台に強い ボーヤン・ジン 選手が輝きを放つ可能性大。そして,ネイサン・チェン 選手には,ソチ五輪の 浅田真央 選手のような,地獄からの生還を魅せてほしい。

 私が思うFSの勝負の鍵は,4T3A,そして最後のジャンプ

 さぁ,歴史的瞬間を見届けよう。