羽生結弦 選手の五輪2連覇宇野昌磨 選手の銀メダル,そして両選手による日本勢1&2フィニッシュ。選手,関係者の皆さん,応援した方々にとって,最上の結果になったと思います。私も,両選手のファン,そしてフィギュアスケートを少しだけ詳しく観てきた1人として,今日ほど嬉しい日はありません。

 私は,昨シーズンの世界選手権が終わった時点で,平昌五輪の1&2フィニッシュの可能性が高いことを予想しました(←本ブログ記事参照)。今シーズンが始まり,しばらくはその確信が続いていましたが,羽生 選手のケガによりその確信が大きく揺らぎました。羽生 選手は,グランプリファイナルも全日本選手権も欠場し,ケガの回復に関して不透明な状況が続きました。宇野 選手はシーズン序盤の2戦で300点超えを記録した後,平昌五輪前までの4戦は300点を超えられず,波に乗り切れない時期が続きました。そんな2人の状況から,1&2フィニッシュなど夢物語に過ぎないのか,という思いを抱くこともありました。ブログでは「羽生 選手は逆境に強い」「宇野 選手はピーキング能力が高い」と,1&2フィニッシュを信じる理由を書き記してきましたが,半ば精神論にすがっていたように思います。

 1&2フィニッシュが現実のものとなり,こんな劇的なシーンを目撃できるだけでも素晴らしいことですが,約1年もの間1&2フィニッシュの実現を信じ,ささやかながらそれを発信・共有し,ついに成就された喜びは,今までのスポーツ観戦の中で最高に気分が良い瞬間です。

 それにしても,この2人の実行力と精神力には,改めて驚嘆させられました。羽生結弦 選手が平昌五輪に全てを賭けることができたのは,五輪前後の環境の激変に身を置き,五輪がもたらす功罪の全てに向き合ってきたことで,2連覇が何をもたらすのかを誰よりも深く理解していたからだと思います。ですから,日本スポーツの歴史上でも十指に入るほどの期待や重圧を背負い,それを全て跳ね返し2連覇を果たした 羽生 選手に対しては,称賛の言葉を送りたくても相応しい言葉が見つかりません。ただただ「すごい」という感情が,私の心を埋め尽くしています。

 宇野昌磨 選手は,銀メダルを首にかけての放送局行脚の場で「羽生 選手が重圧を背負ってくれたから自分は楽だった」という趣旨の発言をしていました。まぁ,確かに国内2番手だしなぁ…ってそんなはずないです。羽生 選手にかかる期待の大きさを間近で感じ取り,しかしその 羽生 選手のケガによって 宇野 選手にもさらなる期待の目が向けられ,自身も世界ランク2位で金メダルさえ狙える実力を有する,そんな状況が「楽」なわけがありません。五輪も1つの試合として捉えるという 宇野 選手の思考は,言うは易しですが,競技ごとの世界大会とは別次元の華やかな五輪の場では,よほど強靭な精神力がなければそれを貫くことはできません。

 五輪を強く意識した 羽生結弦 と,五輪の意識を封じ込んだ 宇野昌磨。対照的に見える2人ですが,とてつもない精神力によって自分を保ち,スポーツ選手の最高栄誉の場において自身の実行力を十分に発揮したという点では,完全に共通しています。テレビに映る2人のメダリストから同じオーラを感じるのは,そんな共通のミッションを達成したからかもしれない。そんなことを感じながら,1&2フィニッシュの偉業を改めて実感しているところです。

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