マイクを持てば酔っぱらい

~カラオケをこよなく愛するITシステムエンジニアのブログ~

2014/12

羽生結弦、凄みを増す今後

 どうしてこうも強いのか。恐ろしく強く,しなやかで,尊い。

Hanyu_with_Fernandez グランプリファイナル2014に出場した 羽生結弦 選手は,Short Program,Free Skating 共にシーズン最高得点を記録し,圧巻の優勝を飾った。このこと自体は,羽生選手の実力からすれば,驚くことではない。しかし,五輪の翌シーズンであること,そして皆さんご存知の「中国激突事故」の影響を考えれば,今回のファイナルは優勝さえすれば十分,というところだったはず。シーズン最高得点とは,私たちの期待をはるかに上回る結果だった。

 Free Skating の演技が終了した瞬間,派手にガッツポーズをし,指を突き上げて No.1 であることを喜ぶ。キスアンドクライでは,喜びを爆発させ,両手を広げて観客全体に向かって「皆さんのおかげです」と発しながら礼をする。素に戻ったような表情。心から感謝を表す態度。こんな羽生選手を見たのは久しぶりだ。勝ったからではなく,良いスケートができたことへの喜びと感謝にあふれていた。

 羽生選手にとってさらに嬉しかったことは,フェルナンデス選手の母国であるスペインで最高の演技を披露し,スペインのスケート界を盛り上げ,銀メダルのフェルナンデス選手と喜びを分かち合えたことだ。過去のブログで指摘したように,羽生選手が無理をした理由の1つがスペイン開催にあったと私は推測しているが,この喜びは何事にも代えがたいことだろう。将来,あのときの羽生選手を見てスケートを始めた,というスペインのスケーターが出てきたとき,あのとき無理して頑張って良かった,と羽生選手は心から思えるのではないだろうか。

 Free Skating の194点というスコアを見た瞬間に立った鳥肌は,歓喜というより恐ろしいものへの反応なのかもしれない。今回の圧倒的な優勝劇は「復活」という表現では到底表しきれない,「不死鳥」とでも言うべき神々しさに満ちている。大ケガから元に戻すだけでも大変なことなのに,わずか2週間で戻るどころかいきなりシーズン最高の出来にまで到達させる,その高い技術力と不屈の精神力。五輪金メダルのときとは違った感動と驚きが,今回の優勝劇にはある。

 東日本大震災を経て,羽生選手は周囲への感謝を表に出すようになった。ただ,これは天災であり,自分ではどうにもならないことがいろいろあったはずだ。中国激突事故もまた,周囲への感謝を改めて感じる機会になったと思うが,これは羽生選手としては自分が引き起こした問題であり,自分で乗り越えなければならないという意識が強かったと思う。だからこそ,シーズン最高の演技ができたとき,乗り越えた達成感と周囲への感謝があふれ出たのだろう。

 スケーター生命の危機に2度も襲われ,1度目は少しずつ山を登り,五輪を含む三大大会制覇の頂点に到達。2度目は落ちた穴がバネだったかのごとく一気に山を駆け登った。1度でも経験すれば精神的にたくましくなる危機を2度も克服すれば,あらゆる状況に対応する精神修養の術を会得し,周囲への感謝と気配りが肉体と精神に刻み込まれていく。演技後に発せられた羽生選手の言葉は,これまで以上に輝きを放ち,聞いている私は頷くことを忘れ,微動だにせずただただ受け止めてしまう。羽生選手の経験値は20歳にしてすでにベテランの域に達したかのようだ。それでいて,若者としてのチャレンジ精神は全く失われていない。今回の演技でもまだ伸びしろが残されており,勝ってなお課題がある。精神の充実と挑戦への意欲。これが非常に高い次元で融合していく。羽生選手のこれからは,楽しみという気楽なものではなく,険しい高みに耐える力を応援する私たちにさえも求められるもの…なのかもしれない。

本郷理華 選手に注目!グランプリファイナル2014

HongoRika2 12/12(金)からシングル女子がスタートするグランプリファイナル。今最も強い6人が集まる大会で、私は世界選手権よりこっちの方が好きなくらい、見ごたえのある世界大会です。五輪明けの年だと、有力選手が参戦しないなど少しゆったり感が漂うのですが、今年はそんなことはなく、羽生選手の激突事故というドラマ、優勝を狙う町田選手の気合、フェルナンデス選手の母国開催、などの要素からかなり盛り上がっていると感じます。

 その中でも、私の注目は女子の 本郷理華 選手です。ゴールド選手(USA)の負傷により、補欠からの繰り上がり出場となりました。本郷って誰?繰り上がりでしょ?と思っている皆さん! そういう先入観を捨てて 本郷 選手の演技にぜひ注目してほしいです。

 2012年の全日本選手権で初めて観たとき、本郷選手の魅力に私はハマりました。女子といえば今は 村上 選手や 宮原 選手が有名かもしれませんが、この2人よりも恵まれた体格があり、舞台度胸があり、ロシア杯優勝やグランプリファイナル繰り上がり出場といった強運を持ち、そして正に名前が示すように華があるのです。

 まだシニアに上がって最初のシーズンなので、洗練された演技とまではいきませんが、若さ・勢いと、スケール・情感の両面を持ち合わせたところが他の日本女子選手にない魅力です。フリースケーティングでは有名な「カルメン」を演じますので、音楽も耳なじみがあって観やすいと思います。ロシア勢にひけをとらない、本郷選手ならではの演技を堪能しましょう。

 あと、これは演技とは関係ないのですが、本郷選手のインタビューが妙に歯切れがいいと感じると思います。なぜかというと、答えるときに多くの人が使ってしまう「そうですねぇ」をめったに言わないのです。インタビュアが「どうでしたか?」と問いかけると、すぐに「今日は・・・」というふうに答えてくれます。これ、なんだかとても心地いいのです。ぜひインタビューにも注目してください。
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