マイクを持てば酔っぱらい

~カラオケをこよなく愛するITシステムエンジニアのブログ~

2016年09月

ハモリのトラブルを防ぐ:心理的要因を紐解く

 前回のブログで,カラオケでハモラーがハモリ中毒を起こすとトラブルにつながるということを書きました。ですが,ハモラーは歌好きで音楽的スキルもあると思われるのに,なぜそのような問題を起こすのか不思議に思う方もいるかもしれません。また,ハモリ中毒にかかったとしても,ハモラー自身が気付いて直したり,仲間どうしで注意やアドバイスをし合ったりできれば,大きなトラブルにはならないはずです。なのに,なぜ困った事態が発生してしまうのでしょうか? 今回は,ハモラーやハモられる人の,考え方や心理的な面に焦点を当てて考えてみたいと思います。

 まずハモラー側の心理を考えてみます。ハモラーの典型的な心理としてあるのは「ハモリを入れれば相手は必ず喜ぶ」という思い込みです。確かに,ハモリを入れると盛り上がったり喜ばれたりする機会が多いのは事実です。でも,それに味をしめてしまい,ハモリ中毒の症状が出始めると,周囲の反応が冷たくなってきます。しかし,ハモラー本人はそれに気づきません。なぜなら,ハモりたい,ハモって感謝されたい,という私利私欲自己顕示欲が,「ハモリを入れれば相手は必ず喜ぶ」という思い込みによって正当化されてしまい,相手の反応に気を配れなくなるからです。

 私もそうでした。カラオケのオフ会には上手い人,楽しい人,個性的な人がたくさん集まってきますが,ハモれる人は案外少ないので,ハモリを入れるととても感謝されますし,場が盛り上がるのです。それで,その気持ち良さに浸りたくてハモリを入れまくるようになりますが,オフ会で何度か歌を聞けばだんだん参加者も慣れてきますから,前と同じでは前ほど盛り上がらなくなるわけです。それで,もっとすごいハモリをしようと妙に前のめりになり,空回りが増えていきました。もっと強い刺激を求めてどんどん深みにハマり中毒化する…なんだか常習性の高い危険物質みたいですが,本質は同じなのかもしれません。

 なぜこんな思い込みをしてしまうのでしょうか? 歌が上手い人でもハモれない人はたくさんいるので,ハモリができるのは特殊なスキルだと思います。その特殊性ゆえに,ハモリを過剰に美化したり,ハモラーとしての妙な自負心が生まれたりして,これらがハモリを良いものだと思い込む要因になっていると思います。ハモリ中毒を予防/解毒するには,この思い込みを捨てる必要があります。つまり「ハモリもTPOをわきまえる必要がある」という,文章にしたら当たり前とも思えることが,ハモラーとしてとても大切な心得だと思います。

 逆に,ハモられる側の心理を考えてみますと,ハモラーに対して意見を言いづらい状況が生じているのではないでしょうか。「ハモってくれてありがたい」「頑張ってハモってくれている」「音楽的スキルを持っているハモラーに意見するのは気が引ける」といった気持ちから,ハモラーに意見を言うべきではない,言っては失礼だ,言わなくてもわかってくれるはず,みたいな心理が働くのかもしれません。しかし,これを我慢していると,どんどん悪い感情が蓄積されていき,やがてハモリやハモラーに嫌気がさしてしまうということにつながっていきます。

 これが,気心が知れた仲間内や本格的な音楽活動者の間であれば,意見交換が当然のように行われるので,このようなトラブルは起こらないと思います。ハモリが招くトラブルは,ネットで参加者を募るオフ会のような,参加者同士の関係性が多種多様な状況で起こりやすいと言えるでしょう。ネットのオフ会だと,初めて出会う人,顔を合わせる割に性格をよく知らない人,ネット上の交流で相性が合わない人,などがいて,必ずしも十分なコミュニケーションが取れない状況が生じやすいわけです。そういう間柄の人とハモったときに,上手な意見交換ができず不満が溜まって,ネット上で対立が生まれたり,妙なこじれ方をしたりする,ということが起きてしまうのです。

 結局,ハモリのトラブルは,ハモリ特有の技術的な観点を除けば,コミュニケーションの問題が大きいのではないか,と感じています。他人に気を配らず自己中心的な行動をする人は問題児として扱われる…チームやグループのあらゆる活動について言えることが,ハモリに関しても起こるということです。これを踏まえると,ハモラーとして心掛けることは,

  • ハモリは良いものである,必ず喜ばれる,といった過剰な美化や思い込みをしない
  • ハモリのスキルを過信しない
  • 歌い手,選曲,場の雰囲気などのTPOに応じて,ハモるかどうかの判断や,どんなハモリを入れるかを考える。
  • ハモリを断られたらすぐに止めて,ガッカリ感を出さない。そういう態度や表情が出ると,ハモリを断った側が負担に感じてしまう。
  • ハモリに関する意見や要望を歌い手や聞き手が率直に言える雰囲気を作り,意見や要望が出たら謙虚に聞き入れる
  • 歌い手や聞き手の反応をよくチェックする。歌い手はハモラーへの感謝の気持ちが強く,不満な点があってもそれをはっきり伝えてくれる可能性は低いので,社交辞令に惑わされず,ちょっとした口調や表情から相手の満足度を推し量る。

などがあると思います。一方,歌い手聞き手には,

  • ハモリを必要以上に賛辞しない。問題ハモラーが勘違いして増長してしまう。
  • ハモってほしくないときや,ハモってもらったがそのハモリが不要と感じたときは,躊躇せずハモリを断る
  • ハモリの音量や声質に問題を感じたら,歌っている最中でも直してほしいことをハモラーに伝える
  • ハモリに関する意見や要望は,遠慮せずハモラーに伝える

といった行動をとってほしいと思います。要するに,ハモラーは自己中心的にならずに歌い手や聞き手の立場に立った振る舞いをする歌い手や聞き手はハモラーに遠慮なく思ったことを伝える。このような形でコミュニケーションができれば,ハモリのトラブルは防げると思います。

 逆に,こういったことに気をつけさえすれば,ハモリはカラオケにおける良いコミュニケーションになり,カラオケの楽しさが増幅されますし,カラオケ仲間の人間関係も良くなります。ハモリ中毒に陥らないように注意しながら,カラオケでのハモリを楽しみたいですね。

ハモリのトラブルを防ぐ:ハモラーが陥る「ハモリ中毒」

 カラオケでうまくハモれたときは,ハモラー自身が気持ちいいですし,ハモった相手から「気分よく歌えた」と褒めてもらえると気持ちよさが倍増します。満足感が高まり,存在感を示すこともできます。ところが,こういう経験が積み重なると,さらにどんどんハモりたくなり,それがいつしか度を越えてしまうことがあります。その状態を私は「ハモリ中毒」と呼んでいて,こうなると周囲とのトラブルになる可能性が格段に上がってしまいます。

 ハモリ中毒にはいろいろな症状があるので,勝手に症状名を付けて挙げてみます。

技術面

ハモリ技術
過信症
ハモリの音量や声質などの面で,メインの歌い手や聞き手への配慮が足りない (音量の問題は前回のブログで取り上げました)
オリジナル
ハモリ依存症
原曲にないハモリ(オリジナルハモリ)を(少しだけなら株が上がるのだが)やたらと入れる。オリジナルハモリができてこそハモラーだという妙な矜持を持っている
セカンド
ハモリ依存症
誰かがハモっているところに,違うハモリメロディーを入れることができる自分に酔ったり,「ハモリは一人より二人の方がすごいし気持ちいいはず」と思い込んでいる

行動面

ハモラー
周知過剰症
カラオケをやる前から "ハモれるアピール" がすごい
ハモリ
依存症
常にハモっていないと気が済まない。例①:曲の最初から最後までハモりっぱなし 例②:自分がハモれる曲にひたすらハモる。そのために,マイクを常に自分の席の前に常備しておく
ハモリ
乱入症
歌い手の許しを得ずに勝手にハモる
ハモリ解説
過剰症
ハモリで気を付けるポイント,入れたハモリがオリジナルハモリであること,その場で即興(アドリブ)でハモったこと,などハモリのスキルや努力について語ってしまう
ハモリ評価
依存症
ハモったことについて,他人から「ありがとう」「気持ちよかった」「ハモれてすごい」などの感謝・称賛・評価を求めてしまう
アドバイス
過剰症
ハモリの音程のずれや音量などについて,自分はよくわかってるとばかりにいろいろとアドバイスしてしまう。これはハモリに限らず,カラオケ全般に当てはまる症状ですね。

 ハモラーあるあるってことで笑えるうちはいいんですが,どれも度が過ぎると顰蹙を買ってしまうものばかり。以下,いくつかの症状について掘り下げてみます。

 ハモリが得意だったり成功体験が増えてきたりすると,難易度が高いハモリを追求したくなってくる気持ちは理解できます。ですが,だからといってオリジナルハモリやセカンドハモリの方がすごいんだ,高尚なんだ,などと考えるのは間違っています。そういうことは自分の胸の内に留めておき,あくまでも歌い手や聞き手が楽しんでいるかどうかを判断の観点にしてほしいと思います。実は個人的には,これらについてむしろ否定派です。私は原曲忠実派(原曲に近い雰囲気で歌うこと)なので,原曲のハモリを楽しめばよいと考えているからです。セカンドハモリが入るとハモリが厚くなって良いと思い込んでいる人が時々いますが,メインの歌声が相対的に聞こえづらくなったりして,あまり良い効果が出ないケースもけっこうありますので,2人でハモるときはより注意深くハモる必要があると思います。

 ハモリ依存症はハモリ中毒の代表的なものと思われ,私も一時期陥っていました。ハモりっぱなしの害は,美味しいものもそればかり食べていると飽きてくる,というのに似ていると思います。例えば「恋人はワイン色」(CHAGE&ASKA)や「DAYBREAK」(男闘呼組)のように,ずっとハモリが入っている曲なら問題ないと思うのですが,そうではない曲に対して,原曲にハモリが入っていない箇所にまでハモリを入れまくり,最初から最後までハモリが続くと,どんなに上手いハモリであってもちょっと食傷気味になりますよね。ハモリがある個所とない箇所があるからこそ,ハモリの気持ちよさが際立つということをわきまえていないと,ハモラーの自己満足に陥ってしまいます。

 ハモラー周知過剰症って,アピールがどうして中毒なの?と思われるかもしれません。私の経験上では,アピールが強い人ほどハモリのスキルに問題があり,なんだか鬱陶しく感じられてしまうことが多いのです。昔,ネットでカラオケのメンバーを募った際に,ハモリができることを自己紹介ですごくアピールする方がいらっしゃいました。カラオケの参加者に自分の持ち味を伝えたかったんだと思いますが,ハモリのスキルは実際に歌えばわかるわけですから,アピールが強いのは虚勢を張っている場合が多いなぁと感じます。いったん実力がわかると「ハモリがイマイチなのに,ハモラーアピールが強いっておかしくない?」と思われてしまい印象が悪くなります。

 これらの症状からわかるように,ハモリ中毒は,周囲に迷惑をかけたり不快な思いをさせたりします。にもかかわらず,本人は中毒だと自覚していない場合があるので,問題が根深くなってしまうこともあります。私も,自分のホームページでカラオケのオフ会をやっていたときに,後から振り返るとハモリ中毒だったと思われる時期がありました。私の場合は,カラオケの録音がマイブームだったので,録音を聞いて自分のダメさに気付いたことと,オフ会の参加者がダメ出しをしてくれたことが,ハモリ中毒を抜け出すきっかけになりました。言いづらいことをきちんと伝えてくれた参加者の皆さんには,とても感謝しています。

 自分の経験や私が接した問題ハモラーを思い出すと,ハモリがトラブルになるのは,ハモラーが自分のハモリを過信したり,歌い手や聞き手への配慮が欠けているときです。ハモラーは,自分が中毒症状に陥っていないかを常に自己確認し,歌い手や聞き手にとって良いハモリになっているかを,自分で勝手に判断せず周囲の反応から感じ取っていくことを,常に心掛けなければならないと感じています。

ハモリのトラブルを防ぐ:心地良い音量を出す難しさ

 カラオケでハモる人,いますよね。私も昔「ハモリ倶楽部」という名前のWebサイト(ホームページ)を開設して,カラオケ好きを集めてオフ会を開いてはハモりまくっていました。ハモリ好きのことを「ハモラー」と呼び,ハモるためにマイクを持ち続ける典型的な(異常な?)ハモリバカでした。でも,カラオケでのハモリに関して,正直なところ良いイメージを持っていない,という方がけっこういらっしゃるのではないでしょうか? 「ハモリに邪魔されて気持ちよく歌えなかった」「ハモリばっかり目立って肝心のメロディーがよく聞こえない」「そもそもちゃんとハモれてない」…カラオケは酔いも入ってワイワイしながらやるものなので,しょうがないところがあるとは思いますが,けっこう皆さん覚えているもので,そういうことを経験すると「ハモリってどうもなぁ…」と思われることもあると思います。

 私もカラオケでガンガンハモっていたのですが,何人かの歌仲間から「おまえのハモリはダメだ」と指摘されました。録音したものを聞いたところ,自分がイメージしていた音と人に聞こえている音が全然違うことが分かり,これは指摘されて当然だと思いました。問題点はいろいろあったのですが,一番問題だったのは「ハモリの音量が大きすぎてメインをつぶしている」ことでした。

 それ以来,心地良いハモリを求めていろいろ試行錯誤していったのですが,ハモリの "音量" に関して言うと「その場にいるみんなが満足できるハモリの音量の範囲はかなり限られていて,それより小さくても大きくてもしっくりこない」ということがわかってきました。それを意識してハモリの音量に気を遣うようになってからは,ハモリが気持ちいいと言ってもらえる機会に恵まれるようになりました。

 ハモリ音量のベストの範囲がなぜ狭いのか,自分なりに考えをまとめたのが下の図です。ハモる人ハモられる側のメインを歌う人歌を聞く人のそれぞれで,心地良いハモリの音量が少しずつ違っていて,三者全てが気持ちいいと思う音量となると,狭い範囲になる,という考えです。

HamoriKaisetsu

 ハモる本人の立場で考えると,音量が小さくてもハモっている感覚は得られると思います。しかし小さい音量では,メインで歌う人や曲を聞いている人がハモリを感じることができません。ハモる一番の目的はメインで歌う人をハモリで気持ちよくすることなので,小さい音量ではこれが果たせないのです。

 なので,ハモられる側のメインで歌う人の立場で考えると,ある程度ハモリの音量が必要になります。しかし音量を出すと,メインにつられてハモリのメロディーが不安定になります。それを避けようとして,ついついハモリの音量が大きくなってしまうのです。こうなると,メインで歌う人にとっては,

  • ハモリが強すぎて不快になる
  • ハモリにつられそうになる
  • ハモリに負けないように大声を出してしまう
といった負担がかかります。しかし,ハモっている方は一生懸命なので,ハモリが強すぎることに気付かずに迷惑をかけてしまうのです。

 要するに,メインで歌う人に負担をかけない程度に適度な音量でハモる,ということが大切です。ところが,大きめの音量だと,メインで歌う人にとっては良くても,歌を聞く側からすると,ハモリが強いとメインのメロディーが霞んでしまい,あまり良いハモリに聞こえません。なので,メインを引き立てつつ存在感を出す,という音量がハモリには求められるのです。実は,ハモる人とハモられる人は満足していても,聞いている人にとってはそうでもないというケースが私の経験では結構ありました。聞き手にとって心地良いハモリにするのが一番難しいことかもしれません。

 歌い手の邪魔にならず,聞き手にとってメインとハモリのバランスが良く,メインにつられずに正しいメロディーでハモる…これを実現する音量が狭い範囲になる理由がおわかりいただけたと思います。ハモリの音量に関して,他にも注意すべき点があります。

  • メインで歌う人の声量が大きい場合,ベストなハモリ音量の範囲は広いのですが,メインで歌う人の声量が小さい場合,ベストなハモリ音量はピンポイントになります。少しでも大きいとメインとのバランスが悪くなり,少しでも小さいと歌い手に聞こえなくなるからです。歌い手の声量が小さい場合は,特に音量に注意してハモることが必要です。
  • ハモリが得意とか自信があるとか思っている人ほど,音量の問題児であることが多いです。バンドなどでハモる場合,ハモる方のマイクはあらかじめ音量が小さくなるように調整されていることが多く,大声でハモっても聞き手にとっては良いバランスだったりします。しかし,カラオケボックスのマイクはどのマイクも同じ音量ですから,バンドのときと同じ感じでハモると音量が大きくなってしまいます。カラオケのハモリというのは,けっこうデリケートなものであることを肝に銘じて,どんな人も自分の力量に対して謙虚になるべきだと思います。

 ハモリの音量のことでこんなに気を遣わなきゃいけないの?と思うかもしれませんね。あまりうるさいことを言わずに楽しみたいのですが,ハモリで迷惑を被ったという話をあちこちで聞いたり経験したりしましたし,最悪の場合「あの人と一緒にカラオケしたくない」というような感情的対立に発展することさえあるので,これはけっこう大事な問題だなと思っています。ハモれる人は音楽的なスキルがあるわけですから,音量に注意を向けることはさほど難しいことではないはずです。歌い手や聞き手に気を配り,みんなで楽しもうという意識があれば,音量で他人に迷惑をかけるという残念なことは起こらなくなると思います。

 過去の私のような失敗を皆さんにはしてほしくないので,自戒を込めてハモリ音量の問題をまとめてみました。ほどよい音量でハモリが決まると,歌い手からは「ありがとう」,聞き手からは「いい歌が聞けた」と称賛してもらえて,ハモラーの醍醐味を味わえると思います。こんな楽しいカラオケを多くの方に体験してほしいなぁと願っています。

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