マイクを持てば酔っぱらい

~カラオケをこよなく愛するITシステムエンジニアのブログ~

2017/03

女子の五輪枠取りは本当に絶望的?

 フィギュアスケート世界選手権シングル女子は,戦前の予想どおり,日本にとって重要かつ難しい試合になってきました。


【女子】

 宮原知子,世界選手権欠場 - 日本にとって痛恨のニュースだった。宮原 は,四大陸選手権とアジア大会に2週連続で出場させられるという日本スケート連盟の無謀な日程を全うしようとしたがために,練習過多になりケガにつながったと考えるべきだろう。ケガによって四大陸選手権とアジア大会を回避したことで,世界選手権に間に合うのではないかという周囲の期待は落胆に変わった。五輪の枠取りに非常に大きな影響が出ることは疑いようがなく,結果がどうなろうと,日本スケート連盟には猛省を求めたい

 ニュースなどでよく言われている「五輪の枠取り」について説明しておきたい。世界選手権の各国選手の成績によって,翌年の五輪に各国から何名が出場できるかが決まる,これが五輪の枠取りである。上位2名の順位の合計が13以下なら,その国からは3名が五輪に出場できる。例年は,世界選手権の成績が翌年の世界選手権の枠取りになるのだが,五輪前年だけは,世界選手権が五輪の枠取りも兼ねるのだ。だから,今年の世界選手権は重要度が違うのだ。

 五輪というスポーツ選手の晴れ舞台は,一人でも多くの選手が経験すべきである。正に「参加することに意義がある」のであり,五輪に何名が出場できるかという問題は,五輪での成績よりもはるかに重要な問題だ。もし3名ではなく2名しか出場できなくなるとしたら,日本フィギュアスケート界にとって非常に大きな損失ではないか,と私は強く思う。

 感覚的に言うと,宮原 が出場していれば3名枠取り確率60%だったものが,世界選手権開始前は30%程度という印象だった。SP(Short Program)が終わった今,その確率は15%ほどに私には感じられるし,もっと低いと考える人もいるだろう。でも,本当にそうだろうか? 勝手に悲観的な観測をしていても始まらない。冷静に分析してみよう。

<SP の順位とスコア(あえて整数で四捨五入)>

  1. メドベージェワ (RUS) 79
  2. オズモンド (CAN) 76
  3. デールマン (CAN) 72
  4. ポゴリラヤ (RUS) 72
  5. チェン (USA) 70
  6. ソツコワ (RUS) 70
  7. ワグナー (USA) 69
  8. コストナー (ITA) 66
  9. 樋口新葉 66

 12. 本郷理華 63
 15. 三原舞依 60

 スコアを整数で書くと,それほど点数の差がないことがわかるだろう。樋口 は表彰台はさすがに厳しいが,5位くらいならまだまだ手が届くし,本郷 や 三原 も8位入賞圏内なら可能性はかなりあるのだ。

 樋口 は FS(Free Skating)でベストの演技をすれば,SP との合計で200点に届く。三原 は転倒にもかかわらずほぼ60点なのが不幸中の幸いで,FS がベストなら合計195点までありうる。メドベージェワ と ポゴリラヤ の安定感は別格でこの2人を抜くのは不可能と思うので,それ以外の6人(オズモンド,デールマン,チェン,ソツコワ,ワグナー,コストナー)が事実上のライバルと考えてよい。この6名の今季の出来から考えて,このうち3人が200点を超え,3人が195点を下回る,というのは十分にありうるシナリオだ。つまり,樋口 と 三原 が6位と7位に入る可能性は案外高いということが言える。もし6人のうち200点超えが1人だけならば,樋口 が4位に食い込み,この場合 三原 は9位でよくなる。これは6人のうち1人だけを抜けばよい計算なので,十分に現実味がある。

 このように,女子の SP はさほど点数の差がつかないので,順位だけを見て絶望的と考えるのは早すぎる。もちろん,樋口 と 三原 の2人がベストパフォーマンスで,他の選手の一部がベストでないという条件が必要だが,マスコミが喜びそうな「奇跡の3枠確保」という結果になる可能性はまあまああるとみてよい。上で確率15%と書いたが,これを書いた後では30%キープでいい気がしている。厳しいことに変わりはないが,全く悲観する状況ではなく,人事を尽くして天命を待ちたい。

 本郷 については上で触れなかった。今季の出来から考えればベストでも合計190点程度であり,SP の上位9人から190点を割る人が出るとは思えないので,枠取りへの貢献は難しいだろう。ただ,開き直ってものすごい演技になり,合計195点まで届くようなことがあれば,樋口 と 三原 のどちらかに不運があった場合にカバーできるかもしれない。本郷 は波がある分,時折素晴らしい演技を見せてくれることがあるので,とにかく良い演技をしてほしいと願わずにはいられない。

 実は枠取りがかかっているのは日本だけではない。ロシアは3枠間違いないだろうが,アメリカ,カナダは日本と同じような状況にある。SP が良かったカナダは,FS で大崩れがなければ3枠を獲れるだろう。アメリカは日本よりは良い状況にあるが油断はできない。日本が3枠を獲るようなことがあれば,そのあおりでアメリカが2枠に沈むことも考えられる。日米で3枠目を争うのはなかなか辛い構図だが,これが現実だ。このプレッシャーがどの国にもかかっている以上,何が起こるかは最後までわからない。

大和市NHKのど自慢予選会レポート

 今日放送された,NHKのど自慢 神奈川県大和市の回は,予選会には参加できましたが,本番の出場はかないませんでした。予選会の様子や反省点を書き留めて,次の機会に備えたいと思います。

 予選会場の SiRiUS 芸術文化ホールは,できて1年というだけあって,本当に綺麗なホールでした。キャパシティー約1000席で,のど自慢に適した箱の大きさだと感じました。図書館が併設されていて現代的な洗練された雰囲気にあふれ,大和駅から一直線の歩行者道路というアクセスも素晴らしい,申し分ない会場でした。到着が受付終了5分前になってしまい,既に会場内は席が埋まるほどの盛況ぶりで,のど自慢の独特の熱気にあふれていました。

 11:45 から前説が始まり,12:00 から予選会が始まりました。1番の人が歌い始めたのが 12:09。14年前の川崎市の回ではたしか 13:00 から始まった記憶があるので,開始が早かったです(これが通例なのか今回限りなのかは不明)。その分終了も早く,予選会終了が 16:15,結果発表が 17:25 でした。時間が早まると,予選会の出番が前半の人は,予選会の途中で抜け出して食事をとるには時間が足りないので,朝食をしっかりとらないと,出番の頃に空腹になってしまいます。こういったことを考慮して,予選会当日の朝からの過ごし方を考えておく必要がありそうです。

 私はというと,出番が最後の方だったので,最初の20人ほど観て予選会を抜け出し(予選会は出入り自由です),食事をとり,カラオケルームで練習をして,予選会場に戻りました。まだ進行は半分くらいかな,と思っていたら,もう160番まで進行していて,今日はかなりスムーズに進んでいるなぁと感じました。抜け出していた間に140組を観逃したわけですが,今回は私が観逃した時間帯に良いパフォーマンスが多かったようだということが,結果発表のときにわかりました。

 自分の出番は 16:30~17:00 くらいかなと予想していたのですが,実際には 16:10 頃でした。カラオケの練習によって,のどの調子はかなり整えることができ,歌声は悪くないものだったと思います。ところが,バンド演奏のテンポが,原曲より少し遅い。軽やかに歌いたかったのですが,その軽やかさが微妙に出しづらかったです。アップテンポの曲でバンド演奏がしっくり来ないというケースはけっこうあるのですが,私が歌った「ラブストーリーは突然に」に関してはそのリスクは少ないと思っていただけに,ここに誤算がありました。

 そして,さらなる誤算だったのは,サビに入る直前で打ち切られてしまったこと。♪あの日あの時あの場所で~ という一番の盛り上がりを歌うことができなかったのは,本番出場できなかったことよりも残念でした。歌唱終了時間は機械的に切られるわけではなく,人が判断している(と思われる)ので,私の場合は,曲のテンポが遅かったことを加味しても,40秒より早く切られた感覚がありました。サビを歌えればまた印象も違っていたと思うので,この点はとても不満が残りました。

 予選敗退の原因を挙げればこの2点ということになるかと思いますが,負け犬の遠吠えに過ぎません(笑)。次回以降,選曲はバラードにしようと強く誓う私でありました。

 予選会終了から結果発表までの間,以前に出た予選会では,間つなぎのイベント(NHKの取り組みやイベントの紹介,開催自治体のPR等)があったのですが,今回は何もなし。皆さんはひたすら待つか,近くのスタバや散歩等で時間をつぶしました。結果発表は,今回は厳しいかなと思いつつも,14年前にダメかと思ったら通った経験をしているので,このドキドキ感もまた楽しいです。予選番号順に発表されるので,順番が後だと最後の方まで発表を楽しめます。「最後の一人を発表します。2百4十…」よしっ,来たか!と思ったのもほんの一瞬。「244番」私の直後,若いのに 河合奈保子 を歌った女性が最後に合格し,結果発表が終了しました。

 今回の合格者の順番の分布を,50番ずつ区切って書いてみると,

  • 33, 39, 46, 48
  • 82, 89, 94, 95
  • 116, 128, 136, 138, 145
  • 159, 163, 174, 177, 185
  • 213, 244

となり,後ろの方が合格者が多い,という私の説は今回は当てはまりませんでした。80~180番台が14名と,中盤から多く選ばれる形になりました。序盤や終盤にも良いパフォーマンスをされた方が何組もいらっしゃいましたが,皆さん選外でした。誰が合格するかは本当に運の要素が強いと改めて思います。

 今日,放送を観ましたが,ベテラン世代は,他の回と同様,皆さんいい味を出してらっしゃいましたが,中堅や若手世代の中には,なぜ選ばれたのかちょっと謎が残る感じの方もいましたね。また,合格の鐘が4名と少なく,チャンピオンは,実力なら明らかに「好きだ」を歌った中学生でしたが,別の方が獲りました。個人的には,選考の観点で少しおやっ?と思う回だと感じましたが,これも負け犬の遠吠えです(笑)。今回は審査員と相性が合わなかったと自分を納得させて,これからもトライし続けようと思います。

 なお,この予選会の模様がケーブルテレビの J:COM で放送されるそうです。放送日時(大和市等一部地域)は,4/23(日)と30(日),それぞれ 18:00~20:00 です。歌い終わった後,この放送に関する承諾書にサインすることを求められたのは,今までの予選会にはなかった手続きでした。私もサインをしましたので,NHK には出演できませんでしたが J:COM には出演できそうです。

 本番出場できなかった負け惜しみで,予選会出場の記念にもらった胸章の写真を上げておきます。右の方が今回いただいたもので,左はたぶん2003年のものです。微妙に色や縁取りが変わっていますが,デザインは不変ですね。上のスズメは,本番出場者がもらえるものだったと思います。

のど自慢胸章

のど自慢 本番出場ならず…

 予選会が先ほど終了。残念ながら,出場はかないませんでした。
 詳しくは後日改めて振り返ろうと思います。

3/26大和市の「NHKのど自慢」予選会出場

 3/26(日)に,神奈川県大和市でNHKのど自慢が開催されます。私はその予選会に出場するチャンスを得ました。2003年の川崎市の回に出場して以来,2度目の出場を狙います!

 さて,そもそも,どうしたらのど自慢に出場できるのでしょうか?

  • いつどこで開催されるかを確認します。NHKのホームページで1年間の開催地がわかります。自分の居住地や故郷に近い場所を確認しておきます。
  • 約2ヶ月前に,主催する放送局(今回:横浜放送局)から開催要項が発表されますので,所定期日までに出場希望のはがきを出します。
  • 応募が多いので抽選(2003年川崎の回:約1450通の中から250通)され,通ると予選会の案内が届きます。外れると外れの旨の通知が来ます。いずれの場合も開催の約2週間前に届きます。
  • 放送前日の土曜日に予選会があり,本番さながらにステージで歌います。この予選を突破し,放送に出られるのは20組です。夕方に出場者の発表があり,翌日のお昼に生放送ですので,前日夕方まで出場するかどうかはわかりません

 というわけで,応募倍率が高いので,予選会さえなかなか出ることができません。私は,近県で開催される回に年2回くらいは応募しているのですが,2003年に出場した後の14年間で,予選会に参加できたのは今回の大和市を除くと2回しかありません。前回の予選会が2008年の相模原市だったので,なんと今回9年ぶり! 9年の間に川崎市や横浜市の回もあったのですが,地元在住でも予選会に参加できませんでした。なので,予選会に出る今回がTV出演への数少ないチャンスなのです。

 出場者は,上手い人が20組出られるわけではありません。上手い人と盛り上げる人,ソロとグループ,世代や男女のバランス,そういったバラエティに富んだ出場者を選んでいると思われます。ですから,出場できるかどうかは運の要素もかなりあると思います。それでも,出場を手繰り寄せる作戦がないわけではありません。

 ポイントの1つは選曲です。好きな曲を歌うのが基本ですが,のど自慢ならではのチェックポイントがあります。

  • 歌いなれている曲を選ぶ … カラオケではないので歌詞が出ません。1コーラスだけでいいですが歌詞を覚えておく必要があります。また,数百人の観客を前にして歌うわけで緊張感もあります。その点でも,歌っていて気持ちがよい曲を選ぶのがいいでしょうね。
  • 歌い出しから40秒で勝負できる曲を選ぶ … 予選会では歌い出しから40秒程度しか歌えません。サビが来る前のボソボソした部分だけで終わってしまうと不完全燃焼になりますから,サビが40秒以内に来る曲か,始めの部分だけ歌うんでも納得できる曲を選ぶのが大切です。
  • 曲名が五十音順で遅い方がいい? … 予選会は曲名の五十音順に進んでいくのですが,後半の方が予選突破しやすいという傾向があると私は感じています。予選会は250組ぶっ通しで5時間ほど(休憩を挟みつつも)延々歌が続いていくので,最初の方は審査が慎重になり,最後の方は審査員も疲れて審査が甘くなる,というのはありうる話です。現に,私が出場した回では,マ行以降の曲が7組もありました。

 実は,今回の予選会の順番は250人中243番。ここで強い印象を残せれば,20人の中に入る可能性は最初の方の順番の人よりは高いかな,と考えています。そして,1コーラスが短い曲にしましたので,予選会でも本番でも確実に1コーラスを歌い切ることができ,観ている人の気分もスッキリすると思います。というわけで,今回の選曲はかなりのど自慢向きだと思うので,あとは予選会でうまく歌えて,同じ世代の男性で存在感の強い人が現れなければ,TV出演できるんではないか,という根拠のない自信が湧いています(笑)。

 予選会で生バンドをバックに歌うだけでもなかなか楽しいので,とにかく予選会を楽しみたいと思います。その翌日,TV生放送に出演できることを夢見つつ。

【2003年1月NHKのど自慢川崎市出場の記憶(4)】 放送後

<放送終了後のお楽しみ>

 放送終了後30分ほど,会場の皆さんだけが楽しめるイベントがあります。まずはチャンピオンが記念として1コーラスを途中切られずに歌えるんです。出場者は舞台上の席で応援。このときの「東尋坊」が一番よかったのは言うまでもありません。逆の見方をすると,予選・本番を含めてどんなに頑張っても1コーラスしか歌いませんので,2コーラス目以降の歌詞を覚える必要はありません。

 続いて,ゲストお2人のミニライブ出場者は舞台袖から見るというなかなかできない経験をしました。それぞれ2曲ずつ歌うんですが,このときは客席は暗くなり舞台にはスポットライトが当てられます。これを目当てに来られるファンの方もいらっしゃるんでしょうね。観覧は抽選に当たれば無料ですもんね。先に 水森かおり さんが2曲。「緊張でパットがとれそう」なんておちゃめなトークも展開されていましたが,歌は妙なこぶしが 少なく素直で厚みのある歌声。この日はオフホワイトのドレスで出演されていましたので,その点も含めてド演歌とは一線を画した活躍が期待できるのではないでしょうか(後日加筆: 本当にこののど自慢の後ブレイクされましたね)。

 北島三郎さんの2曲は,出場者が歌った「まつり」と「山」を各々の出場者と一緒に歌ったんです。「まつり」では,介護士のOさんと最初は中央で一緒に歌っていたんですが,伴奏に入るとサブちゃんがOさんに何やら手で合図をしている。やがて2人が上手と下手に分かれて歩き出すと,スポットライトも2人に当たっているではないですか。リハーサルではこんなの全然やってなかったんですけどね。Oさんはきっとスター気分で気持ちよく歌えたことでしょう。「山」では86歳のIさんを舞台中央に座らせて,1コーラス目は一緒に歌い,2コーラス目はサブちゃんが1人で歌いました。Iさんを見てサブちゃんは自分の父親を思い出したようで,父親に関するエピソードを話していました。この2人には一生の思い出になったんではないかと思います。これほどまでにファンサービスをしてくれる方がほかにいるのかどうかはわかりませんが,これなら是が非でも出場してみたいですよね。

<出場の余韻>

 出場者が打合せスペースに戻ると,記念品として,ミニトロフィー(チャンピオントロフィーをすごく小さくしたようなものですが,ちゃんと金のひばりです)と直筆サイン色紙(ゲストお2人と宮川アナのサイン)が配られました。合格者に対して特別のアイテムはありませんでした。つまり,合格者の特典は「名前が言えること」と「エンディングで紹介され最前列に並べること」であります。

 宮川アナがちょっと立ち寄られ「今日も皆さんのおかげで素敵な放送になりました。ありがとうございました」というようなことを言われて,足早に次の用事に向かわれました。私がアナウンサーを夢見ていた頃は「ザ・ベストテン」か「ウルトラクイズ」の司会者に憧れていたのですが,これからは「のど自慢」も入れようと思いました(まぁ今からでは無理でしょうけれども/笑)。

 そうこうするうちに,めでたくお開きとなりました。「無法松の一生」のAさんの娘さんがいらして「Webサイト『LOVE LOVE のど自慢』に書き込まれていた方ですよね」と声をかけていただきました。17番の「やっぱ好きやねん」のOさんと互いの合格をたたえ合い,ユニフォームのエピソードとかを聞いたりしました。着替えに手間取り,帰り支度ができた頃には「山」のおじいちゃんと,高校生軍団だけになっていましたので,皆さんと軽く会話を交わしました。民謡の彼は私の合格をすごく喜んでくれました。容姿だけじゃなく性格も良さそうだ。急ぎ会場を後にすると「NAI NAI 16」を歌った独身男性3人組が歩いていたので軽く挨拶を交わし,気分よく川崎の街を後にしたのでした。

<放送後の反響>

 ネットのカラオケ仲間には前日夜にメールを出しましたので,運良く受信した方&用事がなかった方には見ていただけました。自分のWebサイトの掲示板にもたくさんの応援・感想メッセージを寄せていただきました。運悪くメールを見なかった方や送り漏れてしまった方には申し訳なかったです。ほんとはもっと事前から盛り上げようと思っていたのですが,予選会も本番も仕事次第では欠席かもという感じもあったので,はがきが当選しても公表しないでひっそりとチャレンジしました。

 会社関係者や他の友達には全然知らせませんでした。2人の方から「偶然見た」というメールをもらった程度でしたが,後でいろんな方に映像を見せたら,私がカラオケ好きと知っている人には大ウケ,知らない人には驚きの反応が返ってきました。

 出場者の方からも掲示板への書き込みをいただきました。「無法松の一生」のAさんの娘さん,「黄色いさくらんぼ」の3人娘の中のお1人,「やっぱ好きやねん」のOさん,皆さんどうもありがとうございました。私もそのうち「しゃぼん玉」のIさんのおすし屋さんに遊びに行きたいと思っています(後日加筆: 実際に後日,お寿司屋におじゃましました)。

<あらためて振り返ると…>

 TVに出てみたい,大勢の前で歌ってみたい,あわよくば合格の鐘を鳴らしてみたい,これらがいっぺんにかないました。しかも居住地の川崎市で。本当だったらもっと派手に喜ぶところですが,今は静かな喜びに浸っているという感じです。予選会に当日行けるかどうかも微妙でしたし,予選会ではあきらめてましたし,本番では結果を気にしない境地でしたし。本当に無欲の勝利だったと思います。

 でも,ほんとうに自分が合格かどうかなどどうでもよくなるほど,のど自慢は自然に笑みがこぼれてしまう楽しい番組です。タカケン さん(のど自慢フリークの歌仲間)も書いてくださったとおり「参加することに意義がある」んです。特に今回はいいメンバでしたし,特別賞やチャンピオンの選考も文句なしだったので,後味も清々しかったです。この経験はまた味わってみたいなぁと思うのが自然というもので,ひとまず目標を達成しましたがこれで終わりとはいきません(笑)。こんなことにチャレンジしたいですね。

  • 仲間を巻き込んでチャレンジして,誰か仲間を送り込んでそれを応援する側に回りたい。
  • 自分の得意領域であるハモリ役として出場する。今回の「サンキュ.」や「島歌」みたいに。
  • 事前から状況をお伝えして,当日までもっと盛り上がりたい。
  • ゲスト枠で出場して,ゲストご本人と盛り上がりたい。堀内孝雄さん来ないかな。
  • チャンピオンがとれるものならばとってみたい。

 というわけで,きっとこれからも近県で開催される回には応募します。ライフワークになりそう。

【2003年1月NHKのど自慢川崎市出場の記憶(3)】 放送本番

 カーンカーンカーン カンカンカンカンカンカン・・・

 おなじみの伴奏がなり,ついに放送本番がスタートしました。始まるとなぜか無性に楽しい。お客さんが楽しげに拍手をしているのを目の当たりにすると,自然に顔がほころんでくるんです。TV放送だという意識はさほど強くなかったです。時間の進行に厳しいイベント,という感じ で,緊張感はまったくといっていいほどありませんでした。どうなるのか楽しみ,という思いが強かったですね。「出場者の皆さん,今日も元気に歌いましょう!」お決まりのかけ声に「オーッ!!」と応えて席に着きました。川崎市の紹介が終わり,いよいよパフォーマンスの始まりです。

1番「NAI NAI 16」

 中堅世代の男性3人組,Oさん,Tさん,Nさん。振り付けは完全にオリジナルをコピー。「DVDを購入してガラス張りのスタジオで3日間練習した」とはご本人たちのインタビューでのコメント。いかにも素人なんだけど振りのキレはけっこうすごかったですよ。いわゆる盛り上げ枠・トップバッターとして盛り上げてくれました。振りにばかり目がいってしまいますが,実はちゃんとハモっていたんですよね。歌の基本もきちんとしていました。シブがき隊('80年代前半に活躍した布川敏和,薬丸裕英,本木雅弘の3人組)をチョイスするあたり世代だなぁという感じで,私も席で一緒に歌ってました。3人とも独身だという話はリハーサルでも全然出なくて私も本番で初めて知りました。けっこうエピソードはリハーサルでは封印されてるんだなと思いましたね。

2番「好きになった人」

 ベテラン世代の女性,Sさん。紺地のお着物に白色の帯で都はるみを歌うというのは,この世代ならではのスタイルです。のびやかな高音が見事で,緊張をまったく感じさせない歌唱は,リハーサルよりも良かったのではと思うほどでした。1コーラスを途中で切られずに歌い切ることができたのは,順番が早かったというだけでなく,審査員が合格にすべきかどうかを迷っていたのでは?と後になって思いました。ベテラン世代はご自分に合った選曲をされるとあらためて実感しましたねぇ。

3番「まつり」

 中堅世代の男性,Oさん。介護士の方で,仕事着である白衣で熱唱。でも相当緊張されていたようですね。サブちゃん本人を目の前にして,って部分ですでにリハーサルの時点で緊張していたようですし,マイクの握りとか声の調子とかからもそれがうかがえました。Oさんの実力はこんなものではない,ということはあえて言うまでもないことと思います。まぁでも,歌手本人の前で歌えるというのはのど自慢ならではですし,こんなことは一生に一度あるかないかですから,そのステージに立てたというだけでも嬉しかったことでしょう。歌い終わった後も,サブちゃんものど自慢出場では鐘2つだった,Oさんもサブちゃんと同郷(北海道),新婚4ヶ月で応援席の奥様も映り,サブちゃん忘れられてると宮川アナにつっこまれ,とトーク面でもおいしいところを持っていきました。

4番「眩暈」

 今回最年少の高校2年生の女の子,Iさん。歌っていないときは普通の雰囲気の子(表現気に障ったらごめんなさい)なんですが,歌い始めるとなんとも言えない存在感を放ちます。予選会でも群を抜いた歌唱力と存在感を示していましたが,本番も緊張はまったく感じさせない見事な歌いぶりで合格。ちょっとだけ話ができたんですが,バンドのヴォーカルの経験もあるそうで,なるほど度胸あるはずだと納得。この日最初の合格で,出場者の皆さんも大いに盛り上がりました。合格の喜びをチアリーディングダンスで表現した彼女はダンス部の部長さんでもありました。

5番「東尋坊」

 この日のゲスト 水森かおり さんの曲。この曲は予選会で9人に歌われた,ゲスト枠としても大人気の曲。それをくぐりぬけての本番出場ですから,実力は当然なのでしょう。黒いワンピースで一見天童よしみを思わせる風貌の中堅世代の女性,Sさんはリハーサルでは水森かおりさんに「私より上手く歌われると困ります~」と言わしめるくらいでしたが,その実力を本番でも示してくれました。文句なく合格。本番でも水森かおりさんは同じコメント(笑)。社交辞令ではないことを物語っていますね。老人大学(ってところがあるんですね)でご老人と一緒に歌っているという彼女は,演歌系のレパートリー広そうです。

6番「無法松の一生」

 この日が71歳の誕生日という男性,Aさん。大工職人っぽい格好は人力車夫を表現されていたそうです。無法松の一生という映画で主人公の無法松が人力車夫で太鼓が得意という設定だったそうで,バチをもっていたのはそういうことだったのですね。このエピソードは放送後にAさんの娘さんが私のWebサイトの掲示板に書き込んでくださいました。歌は,この世代でこの大人数の前とは思えぬ堂々たる歌いっぷり。たしかにかなり緊張されていたようで,娘さんも本番終了後に 「ほんとはもっと上手いんですよ」とおっしゃっていましたが,そうだろうと私も思いました。2日間に渡り何度かお話させていただきましたが,とにかく実直な雰囲気の方で,自分がのど自慢に出るのは夢のようだとおっしゃっていましたし,本番終了後真っ先に私に声をかけてくださったのもAさんでした。その実直な人柄が歌にも表れていてとても清々しい思いがいたしました。

7番「涙そうそう」

 中堅世代の女性,Sさん。昨年お母様がのど自慢に出られ,その翌日娘さんが合唱コンクールでNHKホールの舞台に立ち,今度は私だという気持ちで参加されたとのこと。この世代に比較的多い,芹洋子を思わせるのびやかな歌声がこの曲にマッチしていました。この曲は昨年のロングヒットで,紅白で歌われたことでさらに知名度が高まったわけですが,NHK的にも「地上の星」や「大きな古時計」と並んで,選びたくなる曲の1つだと思います。でもそれを抜きにしても,メロディの良さやサビまでの時間の短さを考えるとのど自慢向きの曲だということは言えると思います。

8番「しゃぼん玉」

 地元で33年すし屋を営むベテラン世代の男性,Iさん。板前さんらしく和服で登場。このいでたちで長渕剛はある意味反則技ともいえる意外性。しかも歌い始めるとちょっと長渕テイストが入っており,そうとう聞きこんで歌いこんでいる感じ。見事合格にはご本人も驚きのご様子。すし屋のお客さんが申し込んでくれたそうで,申し込んだ本人ははがき抽選で落選。かたや付き合いで出した方が本番出場&合格。人生はそんなものかもしれない,という宮川アナの言葉にうなづくばかりなのでありました。余談ですが,私が予選会に参加した2001年8月の伊勢原市の回でも長渕剛の曲がチャンピオンになったんです。横浜放送局は長渕好きなんでしょうか(笑)。

9番「さよなら大好きな人」

 高校3年生の女の子,Kさん。前年49歳で亡くなられた彼女の父親を思っての歌で,曲のテーマそのまんまのエピソード。このエピソードはリハーサルのときにも紹介され,出演者の女性陣はその時点でウルウル。本番でもサブちゃんから「お父さんに届いたと思うよ」というコメントが出て,前向きな中にもほろっとさせられました。 歌は優しい声で丁寧な歌いぶり。Bメロで原曲はハモリが入るわけですが,今回お一人だったんでどうしてもそこの物足りなさはありましたね。この曲を歌う 花*花 はハモリを前提に曲を作ってる感じがありますので。私は後の席で当然のようにハモリパートを歌っていたんですが,音を拾ってくれるはずもなし(笑)。でも,悲しみを乗り越えおとなしい中にも芯のあるいい雰囲気の女の子でした。

10番「正調刈干切唄」(民謡)

 17歳の男子高校生,Mくん。「民謡を習い始めて4年…」と宮川アナの紹介と共に普段着で登場すると場内からどよめきが。高校生といっても えなりかずき みたいな風貌だったらなるほど~ってところでしょうが,いかにも今風でしかもかっこいいんです。以前は必ず民謡がありましたが,最近は1人もいない 回が少なくない中で,この風貌での民謡は出色でしたね。歌声も素直で張りのある声が会場を包み,途中で拍手が起きるほど。しかし,民謡ということで審査基準が厳しかったのか,合格はならず。でもお客さんの拍手もあったし特別賞の盾ももらえたんで,本人には合格に値するいい記念になったんじゃないかと思います。本番後は他の女子高生出場者とメール交換や談笑をする,ごく普通の高校生でしたよ。

11番「黄色いさくらんぼ」

 中堅世代の女性で職場の同僚3人組,Tさん,Kさん,Fさん。黒いパンツにピンクのセーター,セーターにはさくらんぼの模様と,衣装としては狙いすぎてない適度な感じ。“♪わっかい娘が ウッフン…”とくる歌詞に,恥じらいを捨てた(笑)セクシー系振り付けがつき,文句なく盛り上がりました。このとき出席者の後列の人たちは立ち上がり,この振り付けを一緒になってやってました(前列の人たちもやろうとしたのですが,リハーサルのとき宮川アナから「前列までやるとうるさくなっちゃうから」とNGが出ました/笑)。3人のうち2人が独身というネタなど,画面だけ見ていると失笑系なんですけど,3人さんが(開き直りギャハハ系ではなく)ちゃんと分別ある方々だったので,楽しい感じになったんだと思います。打ち合わせやリハーサルのときにも,皆さんに声をかけたりとか宮川アナの話に明るく反応してくださったりして,見知らぬ人たちが集まっている場の雰囲気をすごくよくしてくださったんですよ。私にも,予選の日のうちに「Webサイト『LOVE LOVE のど自慢』に書き込んでた方ですよね」と声をかけてもらい,すごく気が楽になりました。3人さんがいらしたからこそ,本番も和気藹々いい雰囲気でできたんだと思います。

12番「未来予想図II」

 若い世代の女性,Kさん。曲名の「II」(2)を言いながら指を頭上に上げる動きはかわいらしかったですが,番号を言い忘れたあたりに緊張が見え隠れ。いわゆる実力者がスタンダード曲を歌うケースで,私は実力が表に出にくくて評価が厳しいのではないか,と思っていました。ですから実力どおりに合格が出たときはホッとしました。Aメロしか聞けなかったのがとても残念ですが,のど自慢ではこれも仕方ありません。サビも皆さんにお聞かせしたかったですが,予選会やリハーサルでは見事な歌いぶりでした。おばあちゃんが92歳の誕生日。お孫さんからの歌のプレゼントとなりました。

13番「山」

 86歳の今回最高齢のおじいちゃん,Iさん。杖をついてゆっくりと歩きます。サブちゃんすかさず脇に寄り添う。出だしが思いっきり早くてサブちゃんズッコケる(笑)。脇でサブちゃんが出だしを教えてあげると,スッと歌に入る。リズムも音程も合っているときはよく合っているんですが,ズレるときはどんどんズレる(笑)。最近ののど自慢は歌も上手い“スーパーご老人”が出場されるケースが多いのですが,久々におじいちゃんらしいおじいちゃんの登場となりました。 品がよくいつもニコニコしているIさんは出場者の皆さんからも愛されていました。

 サブちゃん 「今年80…いくつ?」
 Iさん 「87歳」
 サブちゃん 「俺もすぐ追いつくからな」(笑)
 宮川アナ 「お酒がお好きだそうで」
 Iさん 「よくご存知ですね」(場内大笑)
 宮川アナ 「毎晩何合くらい飲まれるんですか?」
 Iさん 「1合くらいかな」
 宮川アナ 「お嫁さんによると3合くらいっておっしゃってましたよ」(笑)

 こういう会話で味が出るのはさすがですね。この御歳で「山」という 北島三郎 の中でも難しい曲を人様の前で歌おうという心意気がすごいことです。本番後の打合せスペースにはお花がいくつも届いていて,人柄の良さをあらためて感じました。

14番「サンキュ.」

 若い世代の女性2人組,OさんとNさんは大学時代のお友達。この曲はハモリの綺麗さと難しさで有名なドリカムの曲。画面左側の子がメインを,右側の(ちょっと長谷川京子に似てる)子がハモリを担当。ほぼ原曲に忠実なハモリをつけていて,メロディに関してはこの曲で出場するだけの力がある見事なものでした。ただこの曲は序盤メインの音程が低いので音量的にハモリが目立ってしまうという罠があるんですね。お2人もそこにハマってしまったのがちょっと悔やまれます。ああいう広いステージで音量バランスを合わせるのは至難の業だということがよくわかりました。でも「サンキュ.」がよく似合うかわいらしいお2人でした。

15番「夢伝説」

 0:41。いよいよ私の出番が来ました。特別緊張もせず,自分であって自分じゃないみたいな感じでスーッと舞台の中央に立つ。曲名を元気にではなく落ち着いた感じで言う,最初は少し見上げて歌う,というのはいずれも予定どおりの演出。なんだろう?って思わせたくて小細工しました。

 “♪遠い昔のことさ 夢で見たんだ 燃える空に包まれて・・・”

 この歌詞のイメージで少し見上げた感じで歌ったんですが,放送ではこのとき正面カメラではなく下の方のカメラから写していたので,不自然なまでに上向いてる(笑)。こんなふうに裏目に出たりもしましたが,これだけのお客さんの前で歌うのは初めて,しかもそれがTV全国生放送ですから,楽しかったし幸せでしたねぇ。もうそこにいるだけで幸せだという気分になっていて「鐘の結果はどうでもいい」と無心の境地に達したときに合格の鐘…ほんとにこれは嬉し かったです。ふだんの私をよく知ってる方は「ずいぶん本気で喜んでるな」と思ったに違いないでしょう(笑)。ここに書いたような経緯をたどったので,もぎとったというより“授かった”合格だったんです。合格したら言おうと思っていた「ネットのみんな,応援ありがとう」という言葉は言えましたが,さらに何人かに言いたかったお礼の言葉は,さすがに時間がありませんでした(笑)。

16番「島歌」

 女子高生2人組,OさんとKさんが制服で登場。合唱コンクールでやった曲の2人バージョン。ネーネーズが歌ったらこんな感じかな, という張りのある歌声が島歌のムードをよく表していたと思います。緊張してる感じもなくて,聞いていて気持ちよかったです。途中,2人でアイコンタクトをした後自分の手を耳に当てるしぐさをしていましたね。ちょっとした振り付けのように見えたのでうまいなぁって思ったんですが,こういうふうにすると自分の声がよく聞こえるんですね。2人で歌うときには相手につられることもありますから,この作戦はいいなぁと思いました。原曲は男性バンドが歌っていますが,性別関係なく好きな歌を歌うのがいいですね。本番ではキーはちょうどよい高さにしてくれますので。

17番「やっぱ好きやねん」

 水色が鮮やかな川崎フロンターレのユニフォームで登場の中堅世代の男性,Oさん。やわらかくていい声。予選会で聞いたとき私はファンになってました(笑)。サビまでが長いので本番ではその直前まででしたが,間違いなく合格という歌声でした。合格したときにはサッカーのゴールシーンっぽくひさまづいてのガッツポーズ。背番号が「勝」という漢字なのがおもしろかったです。今年こそJ2優勝・J1昇格を,というのは地元の悲願ですよね。本番終了後彼と少し話ができました。予選会では普通にユニフォームを着ていたのですが「FUJITSU」の文字があんまり堂々としているのでNHK的にちょっと問題ということで,彼が自主的にタオルを持参し首にかけて文字を目立たなくしたんです。「Frontale」の文字のユニフォームは一般人には貸してもらえなかったそうです。ネットの話をしたら,私のWebサイトを見つけてくれて掲示板に書き込みもしてくれました。私は彼がチャンピオンの可能性もあるなぁと思っていましたし,彼も狙っていたんではないかと思います。川崎市外在住者にとられたとOさんは言っていましたが,確かに残念でした。何年先かわかりませんがリベンジしましょう(笑)。

18番「地上の星」

 中堅世代の女性,Mさん。彼女は歌い方がすごく特徴的で,ビブラートのついた低い音の響きが素敵なんです。ブルースとかジャズとかハマるんじゃないかなぁと思いました。そういう点から言うと,特徴的な声なのにスタンダードな選曲というのはちょっともったいないかなと個人的には思ったのですが,歌声の個性とNHK一推しの選曲が光ったんだと思います。予選会の日の打合せや本番中が隣の席だったのでいろいろお話しました。だんな様が中島みゆき好きで,彼女にこの曲で出ろとだんな様のご指名があったそうです。予選会の直後も予選通過に驚きを隠せない感じですでに緊張気味でいらしたのですが,リハーサルでも本番でも歌い出すと肝が据わる感じで,かっこいい歌声を披露してくださいました。

19番「空に太陽がある限り」

 中堅世代(私より若いのかな?)の男性,Oさん。スーツで登場。“♪愛してる(愛してる) とても(とても)…”と合いの手も楽しいこの曲は,けっこうストレートな歌詞だし楽しくてのど自慢向きですね。“♪君とぼくは 君とぼくは 2人で1人…”のところは指で2を作り自然と腕の振りがついて,結婚5年目,奥様が2人目のお子さんを妊娠中というシチュエーションにぴったり。幸せな家庭を築くサラリーマンがスーツで出場,というのは人口としては一番多い層ですから,それを代表するという意味でけっこう狙い目かもしれないですよ。

20番「あんたの花道」

 ベテラン世代の女性,Wさん。予選会の記事でも書きましたが,Wさんはとにかく華がありました。歌も明るくてノリのよい曲ではありますが,舞台がパッと明るくなるんですね。この世代で歌いながらこれだけ華やかな雰囲気を出せる方はそうはいないと思います。しかも緊張しながらものびやかな歌声で見事に合格。正直これにはびっくりしました。まさに己を知るベテラン世代の底力を見た,そんな思いがいたしました。最後が合格という有終の美で,合計7人合格。予選会後半のレベルの高さがこういう形で出たのだろうと思いますが,その1人に加われたのは幸運であり誇りでもあります。

<ゲストの歌~審査発表>

 水森かおり さんは,出場者も歌った「東尋坊」を熱唱。私は存じ上げてなかったんですが,2002年4月発売でオリコンシングルチャート最高27位のロングヒット中。のど自慢初出場ということで,水森さんにとっても思い出深いのど自慢になったことでしょう。「みずもりー」とか「かおりーっちゃん」とか男性ファンのかけ声がとんでました。

 北島三郎 さんは「北の男船」。小さな体なのにすごいオーラを感じました。貫禄だけじゃなくて,ファンを大切にする心も持ち合わせてらっしゃいますね。紹介されるだけで会場からひときわ大きな拍手が沸き起こり,さすがというほかはありません。

 歌が終わると出場者がもう一度整列して,審査発表。特別賞10番の民謡を歌った17歳のMくん。以前は特別賞といえばおもしろいかご老人かと相場は決まっていましたが,最近はいろんな方に渡している感がありますね。今回もまさに彼しかいないでしょうという感じで,なんで合格じゃないんだと不満げだった観客も納得の受賞でした。

 チャンピオン5番の「東尋坊」のSさん。ゲストの持ち歌をあれだけきっちり歌われたのですから,実力どおりの受賞というしかないですね。実力が1枚図抜けていました。ただ私を除く他の合格者も実力は相当なもので,普段なら誰がチャンピオンでもなんら不思議ではなかったです。チャンピオンの選考に関して私は今回は非常に満足しています。

 あっという間に放送は終了。この後,放送には乗らないスペシャルステージへと続いていきます。

【2003年1月NHKのど自慢川崎市出場の記憶(2)】 リハーサル

 放送前日の予選会を突破し本番に出場することが決まった皆さんは,その後から翌日お昼の本番まで,濃密な時間を過ごすことになりました。

<予選会の後>

 予選突破者の皆さんは,舞台から場所を打合せ場所兼更衣所のスペースに移動しました。楽屋ではなく,ふだんはロビーになっているスペースについたてを立ててそういうスペースを作ってありました。ディレクタから,この後および放送当日の段取りの説明があり,その後宮川アナがあいさつをされました。「通常,生放送でも事前にしっかりとした準備があります。しかし,のど自慢という番組は,前日の夕方に出場者が決まり,翌日のお昼にはもう放送というきわめて特殊な番組です。皆さんの協力なくしては成り立たない番組なんです」というようなことを話されていたと思います。

 その後,調査用紙が配布され,氏名,住所,家族構成,なぜその歌を選んだか,どうやって練習しているか,仕事や生活上の最近の話題など,果ては過去ののど自慢出場経験やTV番組出演経験まで書きました。その間に,ポラロイド写真を撮っていました。その写真の用途は顔を思い出すための確認用だというようなことを言われていましたが,おそらくポラロイド写真を見ながら出演順や座席順を決めていたんではないかと私は推測しました。それから,軽食と飲み物が用意されていました。サンドイッチ,から揚げ,プチトマトでした。

 調査用紙を書き終えた方からそれをもとに放送局の方と面接。私は(予選会で結果発表をした)審査員で一番エラい方と面接。調査用紙に基づいていろいろなことを尋ねられました。いろいろ手広く聞かれたので,どの話題が特に盛り上がったというようなものはなかったです。10分くらい話したでしょうか,面接が終了。

 面接が早く終わった方何人かで,舞台へ行き,ピアノ伴奏者とキーや歌い出しの確認をしました。私は予選会のときも原曲キーでまったく問題なかったので,そのままのキーでお願いしました。ここでお願いすれば自分に合ったキーにできると思いますし,どのキーが最適か自分でわからなくてもピアノ伴奏者が最適なキーを見つけてくれると思います。そのままピアノに合わせて1コーラス歌いました。私の曲は出だしが短く簡単な前奏しかないので,その場でピアノの方が2小節のパッとした前奏を付けてくださいました。バンド演奏のアレンジがどんな風になるのかという楽しみもありつつ,この日の打合せは終了。遅い方は9時過ぎまでかかっていたと思いますが,私は8時半に解放されました。調査用紙を早く書いて面接を早く済ませればその流れで早く帰れます。コンディションをいい状態に持っていくにはけっこうこれも大切かもしれません。

<【放送当日】 集合~エンディング練習>

 2003(平成15)年1月26日(日曜日)。朝8時集合。私が7:45頃に会場に着くと,なんとすでに観客の方々が20人近く寒い中並んでるではないですか。座席券との引き換えは10時のはずなのに,なんと熱心な…と驚きました。打合せ場所にはまだ2人くらいしかおらず,私は本番の服装に着替えてスタンバイ。8時までに20組の方々無事集合(突然の身内のご不幸などのアクシデントがなくてよかったです)。ディレクタがこの日の流れを説明した後,宮川アナが挨拶。朝の静かなテンションが,宮川アナの煽りトークによって否応なく高まっていきます。

  • 皆さんの歌は全国に,そして世界に発信されています。
  • 出場する皆さんが主役の番組。ゲストのサブちゃんがかすむくらいに。
  • 歌い終わった後燃え尽きないように。まだTVに映ってます(笑)。
  • 鐘がなったとき,必ず出場者にカメラがズームインします。そこがキメどころ。合格したときは目一杯喜んでください!

 笑いを交えつつプレッシャーをかけつつの楽しいあいさつで,皆さんの気分もうまい具合にぼぐれつつほどよい緊張感に包まれていきます。このあたりの煽り方は,アナウンサーを夢見た私としては見事なものだなぁと感動。

 あいさつが終了し,いよいよ曲順発表。このときはじめて自分が歌う順番がわかるわけです。全20曲の順序については本番の模様のところできちんと記すことにして,私の順番が15番となりました。早めと遅めは嫌だなぁと思っていたので,ベストポジションだと思いました。前後を女性デュオに挟まれるという形で流れ上メリハリもつきそうだし,この順番は私の気持ちをかなり楽にしました。

 そして舞台へ移動してリハーサルです。まずステージ上の座席の発表がありました。この席順はスタッフの方で決めたものでした。曲順とは無関係で,どのようにして決めたのか特に説明はありませんでした。ナイスだったのは,杖をついたおじいちゃんの隣に介護士の男性が座り,リハや本番での介添役をやるという配慮がなされたことでした。おじいちゃんと介護士が出場者として居合わせたのは(それを考慮して予選の選考をしたはずもなく)単なる偶然で,このあたりが視聴者参加番組の面白さかなと思いました。私は後ろの席の(客席から見て)左から2番目だったので,出番以外でもちょくちょくTVに映っていたと思います。そういえば,ゲスト歌手の席が出場者の席と同じなんですよ。「眩暈」の女の子なんてサブちゃんの隣ですからねぇ。こういうところにも「出場者が主役なんだ」という配慮があるように思いました。

 次はオープニングとエンディングの入退場時の並びを決めました。これは座席順を基本にその場で決めていきました。そして中央を境目に列を2つに分け,下手(左側)から入ってくるグループと上手(右側)から入ってくるグループに分かれました。私は後の列の一番左になったので,下手から入ることになりました。その後2回ほどオープニングの入場の練習。前後の感覚が空かないようにできるだけ詰めて入場する,とか,舞台上で並ぶときは後の列の人もできるだけ前に詰めて並ぶ,などTV映りを考慮した具体的指導が入ります。客席で見ていた宮川アナからは「練習でこれだけ元気がいいのは珍しいけど,でもまだまだ足りないよ~」と煽りのコメント(笑)。次はエンディングの練習。ここは段取りはそれほど複雑なものではなく,むしろ時間との戦いという感じでした。合格者は人の間をかき分けて出てきてください,というような時間短縮を意識した指導。

<【放送当日】 歌リハーサル>

 いよいよ歌のリハーサル。このとき時刻はまだ9:15頃だったと思います。ここでのポイントは,

  • 自分の紹介が始まったらすぐに席を立って舞台中央へ行く
  • そのとき小走りするくらいがTV的にはよい
  • マイクは宮川アナから受け取り宮川アナへ返す(共演者はマイクの置き場を使う)

というところでしょうか。私はもともと小走りで登場しようと決めていたので,そういうものかと妙に納得。登場→歌→退場の流れを含めて練習。リハーサルの冒頭くらいにゲストの 水森かおり さん登場。客席で出場者の歌をずっと聞かれ,ほとんどの歌を一緒に口ずさんでおられました。

 予選会で聞いていない方の歌をここで私は初めて聞いたわけです。顔と曲目は曲順発表のときに結びついていたんですが,例えば「しゃぼん玉」ってまさかこのベテランの方が長渕剛じゃないよなぁ,と思ったらそのまさかだったり,17歳の男子高校生が普通の格好で民謡ってのはかっこよすぎ~,と感嘆したり。 「NAI NAI 16」や「黄色いさくらんぼ」の振りもここで初めて見て大笑い。キレあったもんなぁ。それにしても皆さん上手! これが本番だったらみんな合格かってな勢いでしたよ。その中で一番緊張していたのは「地上の星」の女性。「153番。地上の星」とやって大爆笑。それ,予選会の番号ですよ! もちろん本番では間違えませんでしたが,席が隣だった私は,本番で送り出すときに「がんばれ。18番だよ」と声をかけました。

 私にとってリハーサルは貴重な声出しのチャンスでした。高音の曲なので歌声の調子を絶好調に持っていかないといけないんですが,このリハがこの日の初声出し。全然声がノってこないんですが,腹筋を使うことだけを意識して歌いました。伴奏のアレンジが予選会のときよりも原曲に近い感じに仕上がっていてビックリ。Aメロの繰り返しで少しドラムが強くなるあの感じが再現されていて,歌っていて気持ちいいのです。昨日から今日で修正かけたのかとバンドの仕事ぶりに感動しました。ところが,付けてくれた前奏が前日と違っていたので,その確認を含めてもう1度歌うことができました。結局1コーラスを2回。1回しか歌わない方,2回歌う方,2回目も出だしだけで終わる方などいろいろだったので,できれば2回歌いたいなぁと思っていたことがかない,いい発声練習になりました。

 皆さんの歌を聞きながら,ギャラリー(出場者席)の振り付けをつけていきました。特に誰が音頭をとるわけでもなく,自然とこの振りかなって感じでついていきました。その中でもさりげなく振りを編み出していたのは「涙そうそう」の女性,「未来予想図II」の女性,そして「黄色いさくらんぼ」の3人組でした。そうやって徐々に出演者の間の連帯感みたいなものができていったと思います。

 皆さんの歌の間に,宮川アナは出演者とトークの打合せをしていきます。席を外して別のところでかなり長い打合せをした方もいたようですが,私は席に座ったままで「高い音だから後で練習とかして,本番で力出し切って。」というような励ましの言葉をいただき,トークに関しては打ち合わせなし。食いつくネタがなかったのかな~と悟る(笑)。ほかには,メロディを間違って覚えてる方に対して,後でディレクタをつけて練習してはどうか,というようなサポートもされていました。前日のキー合わせをはじめ,テクニカルな部分でもけっこういろいろ配慮してくれているという印象を持ちました。

 皆さん歌い終わったところで,ゲストの音合わせ。出場者は観客席の前の方で見させてもらいます。まず,水森かおり さんが放送で歌う曲と放送後のステージの曲計3曲を歌われました。あたりまえのことですが,プロの歌は圧倒的な存在感といいましょうか,そういうものがありますねぇ。そして,次のゲスト 北島三郎 さんが登場。 それまでまったく姿を見せなかったサブちゃんが舞台袖からすーっと舞台上に。自然と拍手や歓声が沸き起こる出演者たち。茶系のズボンにジャンパーという普段着でリハーサルを淡々とこなしていきます。最前列にスタッフらしき人が紙を持って座ってるぞ。あ,カ●ペだ(笑)。まぁ持ち歌多いもんなぁ,と妙に納得。 放送後のステージでは,今回のど自慢で歌われる「まつり」と「山」を本人が歌うらしい。と,そのとき,「まつり」を歌う男性が舞台に呼ばれる。「後で一緒に歌おう」とのご提案。 いいなぁ。音合わせのときも一緒に歌ってました。その男性はこの時点で大緊張モードに(笑)。「山」を歌うおじいちゃんも舞台に呼ばれ,やはり一緒に歌うことに。でもこのおじいちゃんは音程やリズムがメタメタなので,どうやってノせていくか,歌を聞きながらサブちゃんは思案している様子。

 音合わせが終わり,カメラリハーサルということで,オープニングとエンディングの本番さながらの予行演習をして,リハーサルは終了。10:50。宮川アナから「とにかく本番は楽しんで」というお言葉。それを言われずとも,すでに出場者の皆さんはこの場を楽しんでいる様子でした。舞台から打合せスペースに戻る途中のロビーには大勢の人がごった返していて「がんばってね」などのお声もかかる。いよいよだなぁという雰囲気になってきました。

<本番直前>

 けっこう豪華なお弁当が出されたのですが,私はさほどお腹がすいていなかったので,少しだけ口にしつつ,いろいろな思いをめぐらせていました。

 予選会の出来は自分で納得できるものではなかったし,今日のリハーサルも気持ちよく歌えてはいるものの手ごたえを抱けずにいました。TVから聞こえる歌声は実際よりずっと下手に聞こえるし,高音は特にアラが目立つ。目立ったエピソードもない中で,合格しなかったらTVを見ている人からは「この人,なんで出ることができたんだろう?」と思われるに違いない。それは悔しい。それにこの時間を迎えるにあたりいろんな人の協力があったし迷惑をかけた部分も少なからずあった。合格しなければそれがすべてムダになってしまう。なんとしても合格するんだという強い気持ちが生まれていました。

 一方で,リハーサルが終わって打ち合わせスペースに集まっている頃には,出場者の間になんともいえない連帯感ができていました。みんな合格する力は持っているから,優劣をつけることはあまり意味がない。ここに参加して歌えるだけでも幸せなことで,自分のことよりもみんなを応援することが大切なんだと思う気持ちも芽生えていました。

 この2つの思いが融合して,「とにかくベストを尽くそう。結果は二の次だ」という無我の境地に達したような気がしました。こういう心境になることってめったにないですよね。私はこのときすごく幸せでした。ベストを尽くすには,少しでも発声しておかなければ…少ない時間で気になるところをチェックしながら発声をしていました。最高音のところがどうしても引っかかっていたので,♪出会"あ"った~ のところはファル セットで逃げ,次の ♪疑うこと"も"~ のところをきっちり出そうという作戦をこのとき決めました。テクニカルなチェックをして,後はイメージトレーニング。たくさんのお客さん,歌のスケールの大きさ,TVカメラを意識してTVの向こうにいる大勢の人に伝えるように歌う…。このときばかりは1アーティストになりきって,気持ちを高めていきました。

 私の周りでも,練習や確認をしている方々がいました。「未来予想図II」の女性はきれいな声でメロディをたどり,「東尋坊」の女性はヘッドホンステレオで原曲を聞き直し,「やっぱ好きなねん」の男性はストレッチで体をほぐし,「島歌」の女子高生2人組はハモリの確認。皆さん思い思いに本番までの時間を過ごしていきました。

 12:00。会場では宮川アナの前説が始まりました。場内笑い声が響き渡っていて,たくさんの観客がいることが伝わってきます。後方の扉が開かれ,出場者は中央の通路を通って観客の拍手を浴びながら舞台へと進んでいきました。このようにして出場者は放送前に観客の皆さんにお披露目されます。ほんとにすごいお客さんの数で,席はびっしり埋まっていました。出場者が舞台袖へと下がりあと3分くらいというときに,誰かがパーッと袖から舞台へフライング。なんとサブちゃんだ(笑)。リハの感じではそんなことする雰囲気じゃなかったのに,フットワークの軽さが重鎮らしからぬ感じだ。ひとしきりリラックス。

 そして,いよいよ放送本番。ディレクタの声。「はい,5秒前・・・」

【2003年1月NHKのど自慢川崎市出場の記憶(1)】 予選会

 今から14年前の2003年1月にNHKのど自慢に出場したことは,放送業界に憧れを抱いたことのある私にとっては,とても貴重な体験になりました。当時 Web に書き残した文章を載せて,改めて振り返っておこうと思います。


<オープニング>

 2003(平成15)年1月25日(土曜日),私にとっては,印西市(千葉県),伊勢原市(神奈川県)に次いで3度目の予選会出場。川崎駅から歩くこと約10分,教育文化会館大ホールに到着。人口100万都市だけあって,過去2回よりも会場が広い。ここが満杯の状態で歌ったら気持ちいいだろうなぁとわくわくしながら会場入り。

 バンドの音合わせが終わり,ディレクタが今日の段取りを説明。20番までの人たちがもう壇上の席に座る。そう,予選会では出番を待つ際,壇上の席に座り本番っぽさを体験できるのです。それにしてももう壇上に上げちゃうんだと思ったところで,のど自慢司会の宮川アナウンサー登場。場内が大拍手で一気にヒートアップします。さっきまでのもやっとした空気がいきなりピリッとするんですよ。いつも鳥肌が立つ瞬間です。

 のど自慢は今年で満57年(放送開始が昭和21年,終戦翌年ですよ),宮川アナが担当されてから満10年を迎えたそうです。恐るべき長寿番組,そして宮川アナも前任者が思い出せないくらいすっかりのど自慢の顔になられました。宮川アナの初回がここ川崎市だったそうで,川崎市10年ぶりで感慨もひとしおといったご様子。川崎はそんなに久しぶりなのか~と,そのときはふ~んというくらいでしたが,出場した今になって思えば実に幸運なことなのだなぁと思います。

 宮川アナの前説でいつもおなじみとなっているのが,応募がこんなにたくさん来てもうすでに出場する皆さんは選ばれた方々です!とやってボルテージを高めることと,合格の秘訣は私にもわからないのですといって笑いを取ることです。「大半の方は今日でおしまいです。どうぞご自分を出し切ってください」審査基準が明確ではないのど自慢,でも毎回キラリと光っている方が選ばれているのは確かです。私の場合にはさわやかに楽しく歌うのだ,と心に誓うのでありました。

 ハイビジョンで放送する予選会番組のオープニングを収録し,いよいよ予選会がスタート。サイト「LOVE LOVE のど自慢」の運営人のAさんも出場されるということもあり,始めの30人ほどを観ました。Aさんは歌詞に合った振り付けを入れていて,おもしろ枠でいける感じのキレはありました。放送をご覧になった方はお分かりと思いますが,本番出場のおもしろ 枠が「NAI NAI 16」と「黄色いさくらんぼ」ですから,相手が強すぎたのが不運でした。正直言って,最初の30名はキラリと光る人が少なくて,その中で通ったのは「あんたの花道」を歌われた女性の方(本番では20番目に歌い見事合格)だけでした。この方は歌もお上手だし舞台がパッと明るくなるような華をお持ちの方でした。この時間帯ではずばぬけて素晴らしかったです。ただ,そんな感じだったので順番が遅かった私は「これは後半チャンスありだな」とほくそ笑んでいたのですが,笑っていられたのはこのときだけだったのでした。

<自分の出番>

 自分の出番の前にカラオケルームで少しでも声出ししようと思ったのですが,3軒行って全部待ち(笑)。土曜の昼下がりにあんなに盛況とは読みが甘かったです。近くに公園などもなく,結局声出しできないままになりました。ちょっと不安でした。

 さらに,私が到着した200番前後から,続々光る人たちが登場。予選会開始直後の感じとは全然違っていて,誰が本番出場してもおかしくないようなステージとなっていたのです。北島三郎「まつり」は3人の方が歌われたのですが,みなそれぞれ個性的で甲乙つけがたい感じでしたし,中年男性2人組の「桃色吐息」は無理せず自分のキーでハモっていてかっこよかったです。また,赤と青の和装で「浪漫」を歌ったおそらく高校生の2人組も,歌の上手さも含めていい存在感を出していました。ほかにも,きっと当落線上だった方々がひしめいていたはずです。のちほど記しますが,ま行以降(下記※)の合格者が私を含めて7曲もあったんです。1人は86歳の優しきおじいちゃんですから特別としても,この時間帯のレベルの高さがおわかりいただけるでしょう。

(※)予選会の順番は,曲名の五十音順です。

 出番待ちのとき印象的だったのは,「眩暈」の女の子(本番では4番目に歌い見事合格)ですね。若いのにすごく落ち着いていて豊かな声の響きが素晴らしかった。「やっぱ好きやねん」の男性(本番では17番目に歌い見事合格)はフロンターレのユニフォームが鮮やかで,加えてすごく美声で私の大好きな声の持ち主でした。この2人は文句なく通ると思いましたが,ほかにも通りそうな方はたくさんいました。これは通らなくても仕方ないな,とにかく結果よりも自分の力を出すことを考えようと思うようになっていました。

 そうこうしているうちにあっという間に自分の順番です。

 「231番。夢伝説」(スターダスト・レビューの代表曲) イントロは短くすぐ歌い出す。

 「♪遠い・・・」 第一声。腹から声は出ているが,ちょっと喉声で押してしまっている。本調子じゃない。しかも伴奏がけっこううるさい。原曲のアレンジは最初のほうは静かなのに。伴奏に埋もれまいとしてますます喉声になりそう。でも高音で声がかすれたら終わりだ。腹も喉も使え。開き直った。「♪どこかで出会ったことのある・・・」 最初の最高音。何とか出ているが,かすれぎみ。「♪疑うこと忘れるほど・・・」 再び最高音。う,ちょっとヘロった。

 「ありがとうございました」 事務的な女性のテープ声。おしまいの合図で次の方にすぐマイクを譲り,舞台を静かに下りた。宮川アナやディレクタから呼び止められることもなく,ふ~っと息をついて席に戻る。本人としてはイマイチ,いやイマニくらいの出来だった。後ろの席の方から「上手かったよ~」と声をかけていただきましたが,この時点で「ダメだろうな…」とあきらめていたのでした。

 当日もそうですし,ここ最近ずっとカラオケに行っていなかったので,歌は本調子とはいえないものでした。「この忙しい中で挑戦するのに無理があったか…。でも今回は上手い人たちがたくさんいるから,落ちても悔いはない」と思いながら,念のため結果発表までいよう,そんな思いで,審査時間のイベントにはあまり目をくれず,襲ってきた眠気に身をゆだねていました。

<結果発表>

 6:30頃から結果発表が始まりました。あきらめてはいたものの,ドキドキするひとときです。24番,66番,108番,… 序盤はかなり飛ばされた。やはり後半有利の法則が今回も生きるのか。111番,113番(このあたり正確ではありません)… おっとこのあたりはけっこう呼ばれてるな。私がステージを見た方で通ったのは「まつり」から。

  • 「まつり」(北島三郎=ゲスト)…彼は歌の迫力という点で他の方より勝ってたもんなぁ
  • 「未来予想図II」(ドリカム)…正統派の上手さで選曲ベタ過ぎるのはどうかと思ったけど通過したなぁ
  • 「無法松の一生」(村田英雄)…人力車夫の衣装で太鼓のバチ持ってがんばったおやじさんだ
  • 「眩暈」(鬼束ちひろ)…彼女は上手かったもんなぁ
  • 「やっぱ好きやねん」(やしきたかじん)…フロンターレの彼だ,やったぁ
  • 「山」(北島三郎=ゲスト)…歌のリズムがめちゃめちゃだった杖ついたおじいちゃん,ベタなシルバー枠だなぁ

と,このあたりは印象が鮮明な方々が続く。立て続けにかなり呼ばれちゃったな。激戦だったから当然だろうけど,もうあと1人2人じゃないのか,と思ったそのとき。

 「231番,夢伝説を歌われた・・・」あ,俺だ。あ,あれっ。呼ばれたぞ。やったーーーー! まさかの予選突破で,嬉しいというより驚いた。それが呼ばれた瞬間の心境でした。

 周囲の方に「おめでとう。頑張って」と声をかけられ「ありがとうございます」と言いつつ足早に荷物を持って舞台へと上がりました。呼ばれると思ってなかったのでちょっと動きが遅くなり,予選突破者では私が最後に舞台に上がりました。私の後に呼ばれたのは民謡の方だけだったので,民謡を除くと私が最後に呼ばれたんですね。あの激戦の中よくひっかかった・・・これが偽らざる心境でした。でも何はともあれここに残った。いよいよのど自慢のステージに自分が立つ。そう思うと,予選会が終了となり,これからどんな段取りで明日を迎えるんだろうかと,客が引けた後の舞台上でどんどん気持ちが高まっていきました。

1ヶ月前のフィギュアスケート世界選手権展望

 先々週,四大陸選手権が行われ,シーズン終盤の状況が見えてきました。世界選手権がどんな大会になりそうか,気が早いですが今からスポーツ雑誌風に占ってみたいと思います。


【男子】

 優勝争いは,羽生結弦,宇野昌磨,ハビエル・フェルナンデス(ESP),ネイサン・チェン(USA)の4選手の争いになるだろう。

 その最右翼はやはり 羽生結弦 である。全員がベストな演技をした場合,SP (Short Program),FS (Free Skating) どちらも最高得点を出せるのは 羽生 であり,その意味で優勝に最も近いのは間違いない。ただ,気がかりなのは,FS 後半最初の4回転サルコウ+3回転トウループのコンビネーションジャンプが,四大陸選手権でもグランプリファイナルでも成功しなかったことだ(四大陸選手権では SP でもこのコンビネーションジャンプに失敗)。4回転ループを入れて4回転ジャンプの本数を増やしたことで,そのしわ寄せが演技後半のジャンプに及んでいるとの指摘もあるが,四大陸選手権では,予定していなかった "後半4回転トウループ2本" を成功させたことから,体力面の問題ではないことは明らかだ。おそらく,音楽の細部に敏感な 羽生 にとって,音楽の流れとジャンプがかみ合っていないことが問題なのだろう。あと1ヶ月でこのチューニングを完成させられるのか,FS 後半最初のコンビネーションジャンプが注目点だ。

 四大陸選手権は,平昌五輪と同じリンクを経験することが目的であり,順位は気にしていなかったはずだ。完全な演技ではなかったにもかかわらず チェン との差がほとんどなかったのは収穫だと感じているだろう。ピークを世界選手権に持っていくことは今シーズン最大のテーマ(別記事参照)であり,宇野 や チェン の実力や フェルナンデス の今季の調子を考えると,世界選手権は当然勝つべき大会である。逆に負けるようなことがあれば,平昌五輪に暗雲が漂うことになるだろう。

 グランプリファイナルに続き,四大陸選手権でも 羽生 と チェン の後塵を拝した 宇野昌磨 は,内心では悔しい想いを抱きながらも,それによってモチベーションが維持されるのは好材料だ。四大陸選手権では,SP でジャンプを全て成功させ初の100点台を達成,FS では4回転ループジャンプを成功させ,一歩一歩着実に進化している。4回転ループは 羽生 が先にプログラムに組み込んだこともあり,宇野 の4回転ループの成功はさほど話題になっていないが,実はかなり意味があると私は考えている。4回転ジャンプの種類を書き並べてみると,それが見えてくる。

  • 宇野: 4F, 4T, (4Lo)  (  ):四大陸選手権で追加
  • 羽生: 4Lo, 4S, 4T
  • チェン: 4Lz, 4F, 4S, 4T

 4回転ループを入れる前の 宇野 は,チェン が飛べるジャンプ2種類しか飛べていなかった。4回転フリップは 宇野 が最初に飛んだが,チェン がすぐに追いついてきたためアドバンテージを失ったのだ。しかし,4回転ループを入れたことで,チェン が飛べないジャンプを入れ,4回転ジャンプの組み合わせにオリジナリティーが生まれた。また,羽生 が飛べるジャンプを入れて 羽生 と同じ種類数になったことで「羽生 に肩を並べた」という印象を与えることができた。宇野 は4回転サルコウジャンプの導入も視野に入れているという。五輪シーズンにそこまで到達するかは未知数だが,もし到達すれば,羽生 が飛べるジャンプを全て入れた上でジャンプの種類数は超えるので「羽生超え」という印象を与えることになり,これは強烈なインパクトになる。

 私は,宇野 が4回転ジャンプを4種類にする必要はないと考える。4回転ループもシーズン途中から入れているものであり,まずは3種類の4回転ジャンプの精度を高めることが先決だろうし,五輪シーズンになってから新たなジャンプを入れるのはリスクが大きいので,五輪は現在の3種類で臨むべきだと思うし,それでも金メダル争いの勝機は十分にある。それに向けて,世界選手権では,チェン の華やかなジャンプ構成に惑わされることなく,現在のジャンプ構成の完成形を披露できれば,表彰台どころか優勝も十分にありうる

 ハビエル・フェルナンデス(ESP)は,今シーズンは昨季ほど素晴らしい出来ではないが,それでもヨーロッパ選手権をきっちり5連覇し,世界選手権は3連覇を狙う。4回転ジャンプを FS で4本以上入れる風潮が強くなる中,昨季同様4回転3本のまま高い完成度で勝負する戦略は実に手強い。宇野 や チェン が成長著しいとはいえ,フェルナンデス が 羽生 対抗の一番手であることは揺るがない。例年,世界選手権はきっちり仕上げてくるが,今季の調子,宇野 や チェン ら若手の台頭,3連覇への重圧を考えると,今年は少し難しい戦いを強いられるだろう。

 グランプリファイナル2位,全米選手権と四大陸選手権の優勝で,一気に注目を集める ネイサン・チェン(USA)。チェン の評価に関しては「羽生 危うし」「まだまだ 羽生 の域ではない」など両極端な論調が目立つが,どちらも的確ではない。SP と FS が失敗なく実施できた場合,羽生 は合計 320 点に届くが,チェン は合計 310 点程度で,これが出来栄えやミスによって上下することになる。この点数の差は実力が並んだとまでは言えないが,けして楽観もできない。

 チェン はジャンプだけでトータルプログラムとしては弱い,といった評価があるが,その見方は過小評価だ。バレエの心得がある チェン の表現力は大会のたびに良くなっており,芸術点に相当する PCS (Program Component Score) の点数もどんどん上がっている。羽生 や 宇野 を見慣れている我々にとって チェン の演技はたしかに物足りなく感じてしまうのだが,羽生 や 宇野 の表現力が超一流レベルなのであり,チェン の表現力も既に一流のレベルに到達している。世間の風評よりも PCS の差は小さいと思った方がよいだろう。

 チェン の4回転ジャンプは成功確率が高く,転倒や抜けの可能性はほとんどないが,GOE(Grade Of Execution,出来栄え点)はさほど高くない。ジャンプの基礎点はたしかにすごいのだが,技術点にあたる TES (Technical Element Score) は GOE によってかなり上下するので,ジャンプの完成度も重要である。羽生 や 宇野 は,ジャンプの失敗・転倒があるものの,成功したときは完成度が高いので GOE が高くなるのだ。つまり,技術点の差は世間で報じられているような脅威とまでは言えないだろう。

 ソチ五輪プレシーズンの 羽生結弦 と パトリック・チャン(CAN)の差は,現在の 羽生 と チェン の差よりもっと開いていた。ということは,チェン が平昌五輪で金メダルをとっても何ら不思議ではないが,ソチ五輪では 羽生 よりも チャン のミスが多かっただけで,普通の出来なら チャン が金メダルだったことを忘れてはならない。このときの 羽生 は,10代でありながらシニア4年目であり,そこまでの積み上げがあったが,まだシニア1年目の チェン は,羽生 に追いつきそうに思えても,実はこの差を詰めるのが案外難しいことを,これから平昌五輪までの間に感じることになるだろう。その前哨戦となる世界選手権は チェン が 羽生 にどこまで迫れるかが注目点だが,チェン にとっては,技術面では GOE や PCS をどこまで高められるか,メンタル面では追う立場の勢いや重圧にどう向き合うか,その両面が問われる大会になる。

【女子】へ続く

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