マイクを持てば酔っぱらい

~カラオケをこよなく愛するITシステムエンジニアのブログ~

2017/05

樋口新葉よ,来シーズンこそジャンプとピーキングをコントロールせよ

HiguchiWakaba2017TeamTrophy 4月に開催されたフィギュアスケートの国別対抗戦でやっと実力に見合ったスコアを出し,その潜在能力を示した 樋口新葉 選手でしたが,私は「なんでこれを世界選手権で出さなかったんだよ。今頃遅いよ!」と思ってしまい,心からこのスコアを喜べませんでした。私は今シーズンが始まる前,樋口 選手について悪い予感がしていました。「大人の演技というところに気が行き過ぎて,得意なジャンプが崩れるようなことにならなければいいが…」 この悪い予感は,今シーズンの勝負どころだった,四大陸選手権と世界選手権で当たってしまいました。

 特に,平昌五輪の出場枠がかかった世界選手権では,もう少しで3枠確保の救世主になれたのに,救世主どころか2枠陥落の主犯となってしまいました。フリースケーティング(FS: Free Skating)では 三原舞依 選手の神演技や他の選手の不調もあり,ベストな演技でなくても1ミス程度なら3枠が確保できる状況になっていました。FS の演技前半は傷のないジャンプが続き,これは大丈夫,という期待を抱かせてくれましたが,後半最初の 3Lz+3T(3回転ルッツ→3回転トウループの連続ジャンプ)が 2Lz になり,自信のあるジャンプをミスしたことで,ノーミスしかないと思って演技していたと思われる 樋口 選手は動揺したと思います。ただ,この後,普段は単独ジャンプである 3F に +2T+2Lo を付けて3連続にした後,最後の 2A に +3T を付けて連続ジャンプにしてリカバーを試みたのですが,この +3T が回転数が足りず転倒してしまいました。この +3T を普通に飛べていれば8位に入賞し,3枠獲ることができていたのです。樋口 選手の実力からすれば,けして難しいミッションではありませんでした。

 樋口 選手がこの FS をどのような気持ちで臨んだか気になります。「ノーミスしかない」「失敗は許されない」という気持ちだったとしたら,プレッシャーに負けてしまったと思います。近年のシングル女子の上位争いは,ミスがないのは当然で,どれだけ良い出来栄えかが勝負を分けています。ですから,気持ちの持っていき方としては「ベストを尽くして最高の演技をする」「ミスしても引きずらず最後まで諦めない」というように,チャレンジャー精神を鼓舞する必要があったと思います。

 本人の演技後の談話を見てみましょう。

「2つ目の3-3(連続ジャンプ)を跳ばないとと強く思いすぎて少し力んでしまった。そのミスをカバーしようとしたが、(ラスト)2つ(の連続ジャンプ)ともいつもしないことだったので感覚が少し狂いました。今日も失敗がないようにと思っていたが、6分間練習でいい練習ができていたので、それが出せるかなと思っていた」

 この談話から,リカバープランの練習をあまり行っていなかったこと,失敗しないようにという意識が強かったこと,ミスした後いつもと違うことをすることへの覚悟や思い切りが足りなかったことがわかります。四大陸選手権の内容が悪かったので,世界選手権ではミスが許されないというプレッシャーに加え,ショートプログラム(SP: Short Program)が良かったことで,もしこれで FS でミスしたらもったいないという緊張感も加わってしまったかもしれません。三原 選手が SP で下位に沈んだことも,プレッシャーを大きくする一因にはなったでしょう。

 しかし,樋口 選手本人にとってはノーミス以外みな一緒だったのかもしれませんが,枠取りを意識するならば,1点でもスコアを拾うという気持ちをもっと強く持ってほしかったなぁと思います。であれば,最後の +3T もダメ元的な感じではなく「何が何でも」という気持ちになり,結果は変わっていたと思います。これは,本人の問題というよりは,コーチが 樋口 選手のメンタルにどうアプローチしたか枠取りのことをどこまで意識していたかの問題だと思います。

 もちろん,枠取りを若い 樋口 選手に託すことが酷だ,という意見もあると思います。宮原知子 選手が出場していれば(今回の世界選手権の内容なら)問題なく3枠が獲れていたでしょう。ですが,樋口 選手には十分に実力が備わっていますし,現にノーミスどころか1ミスでも3枠を獲れていたのですから,実力が出し切れずに2枠に陥落してしまったのはとても残念でしたし,樋口 選手にその責任の一端を求めるのも実力を認めているが故なのです。

 そんな世界選手権の結果にもかかわらず,国別対抗戦に 樋口 選手が出ると聞いたときは,日本スケート連盟は正気か?と思いました。もしここで 樋口 選手の成績が悪ければ,樋口 選手は潰れてしまう,と私は本気で心配しました。実際には,SP と FS の合計で216点をたたき出し,今季の悪い印象を消し去り自信を回復する大会になったので,樋口 選手にとっては救いでした。ですが,この国別対抗戦の出来が良過ぎたことが,今後 樋口 選手を苦しめる恐れがあるとも私は感じています。というのは,もし来季の試合で思うような演技ができなかった場合に「国別対抗戦ではあれだけのスコアが出たのに」と焦りを生む恐れがあるからです。国別対抗戦のスコアに縛られないためには,オフシーズンで良い調整をし,210点が常に出せるようなコンディションで来季を迎える必要があると思います。

 今季,成績が良かった全日本選手権や国別対抗戦は,日本で開催された大会であり,樋口 選手は日本国内では強くても海外で実力を出し切れないタイプである可能性があります。なので,来季はまず,グランプリシリーズの海外の大会で好成績を収めたいところです。その結果グランプリファイナルに進出できれば,来季のグランプリファイナルは名古屋で開催されるので,五輪直前の重要な国際大会を国内で戦うのは 樋口 選手(および他の日本選手)にとっては好条件でしょう。ここで自信を付ければ,全日本選手権と平昌五輪を一気に駆け抜けることができるかもしれません。ですから,来季のグランプリシリーズの初戦,これが 樋口 選手にとってはとても重要な大会になると思います。

 日本のシングル女子は平昌五輪に2人しか出場できませんので,突出した成績を出す必要があります。メンタル面では,いかなる試合でもひたむきでポジティブに臨むことが重要になるでしょう。今季「失敗したらどうしよう」という守りの気持ちで臨むとどうなるかを学んだと思いますので,来季は攻めの姿勢を貫いてくれると思います。グランプリシリーズは2試合とも2位以内グランプリファイナルは表彰台全日本選手権は優勝が目標になりますが,これら全ての試合を完全に全力で臨むと,全日本選手権の頃に息切れする可能性が高いと思います。全力の中にもピーキングの調整が必要で,8割~9割の力でも目標の成績が残せるくらいにならないと,五輪に出場できても実力を出せずに終わってしまうと思います。

 技術面では,今季はジャンプと表現の両方を追い求めたことで,ジャンプが停滞してしまったので,来季はこの愚を犯してはなりません。樋口 選手は元々ジャンプが得意なのですから,ジャンプで絶対的な安定感を身に着けてほしいです。ここで武器になるのは,チャレンジしている 3A(トリプルアクセルジャンプ)になってくると思います。3A が飛べるようになれば,ジャンプへの自信が戻ってくるでしょうし,スコアがさらに高くなるので,ライバルたちに強いプレッシャーを与えることができるようになります。そして,3A の自信が表現面やメンタル面にも必ず良い影響を与えると思います。浅田真央 さんもそうであったように,3A の成功は全てを好転させる大いなる可能性を秘めています。

 出場枠が3枠ならほぼ間違いなくメンバー入りしていたであろう 樋口 選手は,2枠になったことで五輪出場が危うい立場に追い込まれました。ですが,今季よりも数段高いレベルの技術とメンタルを習得し,今季の不安定さを払しょくして安定した成績を残せば,宮原知子,三原舞依 両選手の牙城を崩す存在になり,平昌五輪でメダル争いができると思います。既に高い実力を備えていながら,今季は初めてある種の挫折を味わったと思いますので,その思いをバネにして,来季,五輪シーズンでどんな姿を見せてくれるのか,楽しみにしたいと思います。

iTunes や iTunes Store でログインできない問題への対処方法

 ある日突然,今までログインできていた iTunes のログインができなくなり,iTunes Store で音楽が購入できず,どうしたものかと思っていましたが,解決できたので備忘録として書き残しておきます。

<現象>

  • iTunes Store で音楽を購入しようとして,Apple ID の認証を求められるも,入力しても何も反応がない
  • iTunes でログインされていないことに気付き,iTunes でのログインを試みるも,こちらも入力しても反応なし
  • Webブラウザで Apple ID のサイトへのログインには成功(2段階認証)。
  • iPhone の Apple ID 認証も問題なし。

<環境>

  • PC … Windows10, iTunes 12.1.2(現時点で最新)
  • iPhone5 … iOS 10.2.1

<解決法>

  1. 2段階認証のデバイスになる iPhone をインターネットに接続しておく。
    (私は普段,iPhone のネット接続を切っているのですが,これによってログイン時の2段階認証が進まず,ログイン入力後反応がない状態に陥っていました)
  2. iTunes でログインすると,2段階認証のコードが iPhone に表示される。ここでもう一度ログイン操作を行い,パスワードを入力する際に自分が設定したパスワードの後に iPhone に表示された認証コードを付加して入力する。
    (例) パスワードが「pass」,認証コードが「123456」なら,パスワード欄に「pass123456」と入力する
  3. これで iTunes のログインに成功する。この状態なら,iTunes Store の Apple ID 認証は,2段階認証なしで普通にパスワードを入力すれば OK。

 ネットで調べていて「認証コードをパスワードの後に付加して入力するとうまくいく」という記事があったので,それをトライしたらうまくいきました。認証コードの表示画面にも「パスワードの後に入力してください」というような注意書きが小さく表示されているのですが,これを見て「パスワードに続けて認証コードを入力する」ってことを思い付く人はほとんどいないと思いますし,私もネットでそのように書いてあっても半信半疑でした。これは,ソフトウェアをアップデートして,認証コードを別途入力させるようにしないと,あまりにわかりづらいです。ソフトウェアの User Interface がまあまあな Apple ですが,この件はセキュリティを優先するあまりちょっと手抜き感がありますね。まぁ,次のアップデートで解消されると思いますが。

三原舞依は平昌五輪で戦える力がある

MiharaMai2016America 今シーズンの 三原舞依 選手の活躍は素晴らしかったです。成績を振り返ってみましょう。各項目最後の数字はスコアです。

  • 10月 スケートアメリカ 3位 189.28
  • 11月 中国杯 4位 190.92
  • 12月 全日本選手権 3位 198.17
  • 2月 四大陸選手権 優勝 200.85
  • 3月 世界選手権  5位 197.88
  • 4月 国別対抗戦  2位 218.27
    (国別対抗戦は総合順位を付けませんが,もし付けた場合は メドベージェワ 選手(RUS)に次ぐ2位となります)

 グランプリシリーズの2戦(スケートアメリカ,中国杯)で約190点のスコアを連発し,グランプリファイナル出場まであと一歩の好成績を残したことで,一気に認知度を上げました。その勢いのまま全日本選手権表彰台に乗り,初めて世界選手権の出場権をつかみました。このとき出した約200点のスコアを,その後の国際大会でも出し続けたことは,もっともっと評価されていい点です。全日本選手権は国内大会であり(他国ほど露骨ではありませんが)多少甘めの採点になりますので,それと同等のスコアを国際大会で出すことは,意味があることなのです。

 四大陸選手権平昌五輪と同じリンクで開催され,そこで優勝したことはリンクとの相性の良さを示しました。世界選手権は,五輪枠取りの強烈なプレッシャーの中,ショートプログラム(SP: Short Program)15位から挽回して5位に入る大健闘を見せ,お祭り色の強い国別対抗戦では,フリースケーティング(FS: Free Skating)の歴代日本最高スコアを塗り替え,SP と FS の合計スコアも 宮原知子 選手の最高点まであと0.06点に迫りました。国別対抗戦はジャッジが甘かったという意見もありますが,もしそうだとしても,三原 選手が(私が勝手に超一流ラインと定めた)210点を出せる選手であると認められたことは間違いありません。国別対抗戦のスコアは,今季の安定した働きに対する,スケートの神様のご褒美だと感じます。

 この成績を,シニア昇格1年目で,五輪プレシーズンという重要な時期に残したのですから驚きです。しかも,昨季の今頃は病気療養明けだったというのですから,今季の急成長は奇跡的です。女子選手の急成長は時折見られますが,シーズン途中で息切れすることが珍しくありません。三原 選手は,シーズン後半の大事な大会でも好調を維持し続けましたので,実力は本物とみていいと思います。シニア1年目ということもあってか,時々過小評価の記事を見かけたりしますが,そのような評価はこれだけの成績の選手に対して失礼というものです。現在,女子のトップである メドベージェワ 選手(RUS)は,昨季,シニア1年目でいきなりトップに君臨し,その勢いは2年目の今季も続いています。今季の 三原 選手の健闘ぶりを見る限り,メドベージェワ 選手と同様に,シニア2年目の来季も十分に高いレベルで戦える実力を,この1年で備えたと考えていいと思います。

 特に私が許せないのは,以前にも述べましたが,世界選手権の SP で15位と出遅れたことを,日本の平昌五輪出場枠が2枠になった一因であるかのように報道している記事があったことです。三原 選手が SP で出遅れたことで,樋口若葉 選手により大きなプレッシャーがかかったというような影響はあったかもしれません。しかし,三原 選手の SP が完璧だったとしても,FS で必要なスコアはほとんど変わらなかったのです。

  • 実際の世界選手権では 三原 選手は5位だったので,樋口 選手は8位以上に入る必要があった。(二人の順位の合計が13以下だと五輪出場枠が3枠になる)
  • もし 三原 選手の SP が完璧だった場合,三原 選手は4位になるので 樋口 選手は9位以上に入る必要があった。
  • 8位と9位の点差はわずか0.2点なので,三原 選手の SP が完璧だったとしても,樋口 選手が FS で出すべきスコアはほとんど変わらなかった。

 実際には,三原 選手が FS で完璧な演技をしたことで,樋口 選手が FS で1ミスまでなら3枠獲れるという状況を作ってくれたのです。それなのに「世界選手権で経験不足が出た」や「国別対抗戦はプレッシャーが小さいので高得点になった」といった全く見当違いの記事が,一般スポーツ新聞系から出ていたのには,本当にガッカリしました。表面的な考察で選手に対して厳しい指摘をしたつもりになり悦に入る報道は,選手を貶め,読者をミスリードしてしまうということを,報道する側が認識できていないことが悲しいですね。

 厳しい全日本選手権で結果を出し,四大陸選手権と世界選手権で200点レベルの演技を実施し,シニア1年目かつ五輪プレシーズンの疲労をもろともせず,国別対抗戦で 宮原 選手と同等レベルに到達しているのです。しかも,直前に 樋口 選手が FS 日本女子最高を記録した直後にそれを塗り替えたあたり,柔らかい雰囲気に包まれた内面はかなりの負けず嫌いであることがわかります。これだけの成績とメンタルを「たまたま」「ビギナーズラック」などと言うのはどうかしています。

 ここまでのプレッシャーを受けながら結果も伴う経験をした日本の女子選手は,過去を見てもほとんどいません。今季の経験が強い自信となり,五輪の究極のプレッシャーの中でも堅実な演技を見せてくれると確信しています。さらに,本来は感じる必要がない,2枠にしてしまった責任感を 三原 選手は感じているでしょうから,五輪に出場できた暁にはメダル争いに加わるんだという強いモチベーションを持って臨むはずです。実績,メンタル,モチベーション,全ての面において,宮原 選手以外では一歩抜け出た存在になっていると思います。順当にいけば,宮原知子,三原舞依 の両選手が平昌五輪の出場枠をつかむでしょうし,この4年間の努力や結果が報われるのはこの2人であってほしいと思います。

 今季の FS の曲目「シンデレラ」は,文字どおり 三原 選手のシンデレラストーリーを生み出した名プログラムとなりましたが,曲,振付,衣装には,やや "ジュニア上がり感" が否めないものでもありました。五輪用のプログラムは,三原 選手の技術と柔らかいスケーティングが存分に生かされた,今季よりさらに洗練された内容になることを期待します。一番恐れるのは,大人の表現を重視するあまり,本人に合わない重厚なプログラムになってしまうことで,これでは 三原 選手の良さは消えてしまいます。路線は今季のままが良いと思いますので,背伸びせずに少しだけ洗練さを加えたプログラムが手に入れば,平昌五輪では本当にメダル争いに加われると思います。五輪シーズンの 三原舞依 選手が今からとても楽しみです。

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