マイクを持てば酔っぱらい

~カラオケをこよなく愛するITシステムエンジニアのブログ~

2018年01月

ザギトワ 欧州選手権優勝の衝撃

 先週末,フィギュアスケートのヨーロッパ選手権が開催されましたので,男女シングルを中心に観戦の感想を書き綴ります。ヨーロッパ選手権は,いわば世界選手権のヨーロッパ版で,各国代表が競う国際大会ですが,実は世界選手権よりヨーロッパ選手権の方が歴史が古いという,由緒ある大会です。ヨーロッパ各国は昨年内に国内選手権を行い,それから中3~5週でヨーロッパ選手権,さらに中2~4週で平昌五輪がありますので,平昌五輪に向けた最終調整や最終選考の場として機能しています。歴史ある大会なので,各国がヨーロッパ選手権を重視していることがわかりますね。

 ちなみに,ヨーロッパ以外の地域は,ヨーロッパ選手権に対応する形で四大陸選手権を創設しましたが,五輪シーズンは軽視される傾向にあります。今年は今週末に開催されますが,それから中1~3週(団体戦:中1週,男子シングル:中2週,女子シングル:中3週)で平昌五輪を迎えるので,日程面で出場が難しいのです。それなら開催をもっと早めればいいのですが,米国やカナダは年明けに国内選手権が開催されるので,五輪シーズンはそれらと五輪に挟まれてしまい,良い日程が組めないのです。こういう状況を見ていると,四大陸選手権の格式はヨーロッパ選手権にはまだまだ及ばないと感じます。

Fernandez-Face 話を今年のヨーロッパ選手権に戻します。まず男子シングル。ヨーロッパ6連覇を達成した ハビエル・フェルナンデス 選手(スペイン)は,明らかな不調からは脱出しましたが,世界選手権2連覇の頃の強さはまだ取り戻せていない,というのが観戦した私の印象です。スコア295点は悪くない点数ですが,ヨーロッパ選手権という五輪直前の大会で300点を超えられず,FS(Free Skating,フリースケーティング)で4回転ジャンプ3本が揃わないとなると,3強(羽生結弦,宇野昌磨,ネイサン・チェン(米))の牙城を崩すのは難しいでしょう。

 しかし,宇野 選手だってこのところずっと300点を超えてないのに,フェルナンデス 選手が及ばないとはどういうことか,と思う方もいるでしょう。私は,フェルナンデス 選手は目一杯,宇野 選手は余力あり,と考えています。フェルナンデス 選手はグランプリシリーズ初戦の中国大会で6位に沈み,やや焦ったと思いますので,その後の大会はかなり本気で臨んでいると思います。本気で臨んだ結果が295点というわけです。一方,宇野 選手はあくまで平昌五輪に照準を合わせ,今までの大会は本気で臨んでいないと思います。これが,フェルナンデス 選手が3強の牙城を崩すのが難しいと考える理由です。ただ,個人的にはとても応援していますし,プログラムは本当に素晴らしく,特にFSの「ラ・マンチャの男」は完璧なら会場が拍手喝采間違いなし。平昌五輪でそんな雰囲気になるのを観たいと願っています。

 続いて,女子シングルの話題に入りましょう。ケガ明けで,11月のNHK杯以来の実戦復帰となる メドベージェワ 選手(ロシア)の状態と,彼女とシニアで初対決となる ザギトワ 選手(ロシア)との勝負の行方,この2点に注目が集まりました。結果は,ザギトワ 238 点 vs メドベージェワ 232 点。ザギトワ 選手がついに メドベージェワ 選手にも勝ち,今シーズン全勝をキープしました。シニアデビューでシーズン当初から突っ走り,メドベージェワ 選手がケガで不在の間,グランプリファイナルとロシア選手権では本命視された中で優勝。平昌五輪が近づく中,そろそろ燃料切れが起きるかもしれない,と思いながら観戦しましたが,そんな気配は微塵もなし。むしろ,メドベージェワ 選手との初対決にエンジン全開で,SP(Short Program,ショートプログラム)もFSも素晴らしい演技で完勝でした。

Zagitova-Face シーズン後半に入り,ザギトワ 選手はSPもFSも,プログラム全体にまとまりが出てきました。それは PCS(Program Component Score,演技構成点)に表れています。下記に,GPF(グランプリファイナル)→ヨーロッパ選手権の順で PCS を示し,比較してみます。

  • SP: 35.06(1項目平均 8.77)→ 36.28(同 9.07
  • FS: 70.42(1項目平均 8.80)→ 75.30(同 9.41

 1項目平均とは,PCS の5項目の採点(10点満点)の平均値です。今まで平均8点台で推移していましたが,ついにヨーロッパ選手権という大舞台で9点台に乗せました。FSは GPF から5点近く上がっていますが,わずか1ヶ月強でこれだけ PCS が急伸することはめったにありません。しかも,今回のFSは,音楽との同調性という点では GPF の方が良い出来だったと思うので,それでもこれだけの PCS が出るのは本当に驚異的です。シニアデビューで PCS がさほど期待できないがゆえに技術点を伸ばす戦略だったのに,PCS がこれだけ出ればもう無敵です。

 ロシア選手権というスコアのかさ上げがある大会で出した 233 点を5点も上回るというのも奇跡的で,これはとんでもないことが起きた,というのが私の印象です。メドベージェワ 選手を破って優勝し,これだけのスコアが出たことで得た自信はとてつもなく大きく,ザギトワ 選手はこのまま平昌五輪を息切れすることなく駆け抜けていくでしょう。

Medvedeva-Face 一方,ケガ明けで注目された メドベージェワ 選手でしたが,SPで1つだけジャンプの着氷が乱れた程度で,ケガの影響は全くないと捉えていい演技でした。むしろ,仮にSPが完璧だったとしても ザギトワ 選手に勝てないことが明らかになり,メドベージェワ 選手の平昌五輪金メダルにはっきりと黄信号が灯りました。ザギトワ 選手との6点差という結果は,ケガ明けだから負けたのではなく,ザギトワ 選手の急成長による力負けという衝撃をもたらしたのです。

 ザギトワ 選手のFSが終了した時点で,直後に演技する メドベージェワ 選手はこのままでは負けることを明確に理解していたのでしょう。彼女のFSは,奇跡の逆転を狙ったのか,逆転不可能を悟って自分の演技に集中したのか,どちらかはわかりませんが,とにかく鬼気迫る演技のように私は感じました。今までの メドベージェワ 選手は,抒情性の高いプログラムで役者のように表現を醸し出すタイプだったと思いますが,ヨーロッパ選手権のFSはエネルギーに満ち溢れ,表現が観る者に迫ってくる感じがしました。今まで,ややサイボーグっぽく感じることもあった メドベージェワ 選手から,生身の人間としての躍動が感じられ,私は メドベージェワ 選手の今までの演技の中で一番感動しました。PCS が ザギトワ 選手を上回る 77.14 点(1項目平均 9.64 点)を記録したのは,女王の意地の表れだったと思います。77点台って,もう満点と言っていい点数であり,凄すぎますね。

 優勝が絶望的な状況に追い込まれたことで,メドベージェワ 選手の本気が引き出されたのだとすれば,ザギトワ 選手はとんでもないパンドラの箱を開けてしまったかもしれません。メドベージェワ 選手が今からジャンプの構成を変えるとは思えず,今後はひたすら GOE(Grade Of Execution,出来栄え点)と PCS を最大化すべく,究極の完成度を追求してくるでしょう。そして,ザギトワ 選手はそれを受けて立つだけの大きな自信を手にしました。2人のモチベーションはますます高まると思われ,平昌五輪で2人の異次元の演技が観られる予感に,今からワクワクを通り越してゾクゾクが止まりません

ドラマがあった全米選手権

 12月下旬~1月上旬は,各国の国内選手権が開催される時期ですね。日本では年末に全日本選手権が開催されましたが,アメリカでは年始すぐに全米選手権が開催されました。男女シングル共に,有力選手が平昌五輪代表入りを逃すというドラマが生まれました。また,男子のメダル争いの中心にいる ネイサン・チェン 選手の仕上がりにも注目が集まりました。全米選手権の感想と,平昌五輪の展望を書いてみます。

◆男子シングル

 ネイサン・チェン 選手が315点という高得点で優勝しました。このスコアだけを見るとかなり脅威に感じますが,観戦した私は全く脅威を感じず,羽生結弦・宇野昌磨 両選手に届かないまま平昌五輪を迎えるという印象を受けました。FS(Free Skating,フリースケーティング)は,冒頭の 4F+3T(連続ジャンプ:4回転フリップ→トリプルトウループ)は素晴らしい出来でしたが,それ以外のジャンプは詰まり気味の着氷もけっこうありました。にもかかわらず GOE(Grade Of Execution,出来栄え点)が約20点も加点され,PCS(Program Component Score,演技構成点)も約95点を獲得しましたが,国際大会ではこの出来でこのスコアはまずあり得ません。国内選手権で国際大会より点数を多めに出す,というのはよくある話で,米国のジャッジが露骨にゲタを履かせた(今風に言えば「盛った」)と考えて差し支えない状況です。

 言い方を変えると,これだけゲタを履かせてもらっても315点しか出なかったということなのです。今回と同じ演技構成で平昌五輪に臨んだ場合,演技が完璧ならどうにかこのスコアが出ると思いますが,今回と同程度の出来なら310点前後と予想します。宇野 選手の最高スコアは319点,羽生 選手はさらにその上の330点であり,最高スコアを出した時点より現在の演技構成の方が基礎点が高いので,彼らが完璧に演技すれば チェン 選手が今回と同じ演技構成でベストな演技をしても彼らには及びません。

 今回の演技構成で五輪に臨み,羽生・宇野 両選手のミスを待つ戦略もないわけではありませんが,スコアの差が大きく負け戦も同然なので,チェン 陣営は,平昌五輪では今回より基礎点の高い演技構成で臨まざるを得ないと思います。今回は 4Lz(4回転ルッツジャンプ)を飛ばず,FSでは 4F,4S,4T(フリップ,サルコウ,トウループの各4回転ジャンプ)を計5本飛びましたが,平昌五輪では 4Lz を加えて4回転ジャンプ4種類を5本か6本飛ぶ構成になるでしょう。ジャンプの種類や本数のルールにより,4回転5本なら 3A(トリプルアクセルジャンプ)が2本,4回転6本なら 3A が1本になりますが,チェン 選手は 3A に不安がありますし,スコア戦略の点からも4回転6本構成を選択せざるを得ないと思います。しかし,6本は今まで一度も成功したことがなく,チェン 選手と言えどもギャンブルになります。

 今シーズンの チェン 選手は,試合のたびに4回転ジャンプの種類や本数を変えるという猫の目作戦をとっており,全米選手権でも手の内を見せなかったのならば,アルトゥニアン コーチらしい強かな作戦だとは思いますが,全米選手権で平昌五輪用の演技構成を披露して高得点を出す方が,ライバルへのプレッシャーを高められたはずなので,作戦ではなく単純にジャンプ構成を探っているのかなと私は思っています。とはいえ,基礎点が上積みできる余地を残しながら315点を出したことは,今シーズンの安定感と相まって,平昌五輪への期待を高めることはできたと思います。ぜひ平昌五輪では「これはすごい」と心から言えるような演技を観たいと願っています。

 代表争いでは,アダム・リッポン 選手はFSで精彩を欠いてヒヤッとしましたが,下馬評通りの代表入りとなりました。そして,もう一人の枠に割って入ったのは ヴィンセント・ジョウ 選手でした。4Lz を2本を含む4回転ジャンプ5本の演技構成で突き進んでいたので,シニアデビューとなる今シーズン当初から応援していましたが,全米選手権で表彰台に乗り,平昌五輪代表の座を掴みました。平昌五輪でメダル争いに加わるのは難しいですが,この五輪の経験は ジョウ 選手自身と米国にとって大きな財産になると思います。

 今回 ジョウ 選手は,FSで4回転ジャンプ3本が回転不足,同1本がダウングレードの判定を受けながらも,基礎点は チェン 選手を上回りました。回転不足やダウングレードがなければあと18点程度上乗せされる計算であり,基礎点だけで115点を超える超絶の演技構成です。4回転ジャンプに関しては チェン 選手が目立ちますが,ジョウ 選手にもぜひ注目してほしいと思います。

 代表入り有力と言われながら,目前で逃してしまったのが ジェイソン・ブラウン 選手でした。NHK杯で,羽生 選手の欠場によって優勝の最右翼と言われながら表彰台を逃したのを見て,プレッシャーに弱いのかなと感じていたのですが,肝心の全米選手権でそれが出てしまったようです。芸術性の高さとプログラム全体の高い完成度を,世界中に披露してほしかったのですが,それが叶わず残念でなりません。

◆女子シングル

 宮原知子 選手が優勝し,坂本花織 選手がブレイクした11月のスケートアメリカという大会で,もう一人ブレイクしたのが ブレイディ・テネル 選手でした。彼女の演技を観た私は,全米選手権で優勝するのではないかと予感しましたが,本当に優勝するとは驚きました。FSのプログラムは昨シーズン 三原舞依 選手が起用した「シンデレラ」ですが,テネル 選手はまるで,ディズニーランドのパレードで見るシンデレラがそのまま氷上に舞い降りてきたかのようで,長身の テネル 選手が醸し出す本物感は圧巻でした。正に,ザ・シンデレラ・ストーリーであり,平昌五輪でも入賞には十分手が届くと思いますし,絶好調なら 坂本 選手と共に5位を争う感じになると思います。

 24歳にして 3A にトライする姿に感銘を受け,シーズン当初から応援していた 長洲未来 選手が,会心の演技で8年ぶりに五輪代表になりました。長洲 選手は五輪シーズンの全米選手権にめっぽう強く,ソチ五輪のときは3位に入りながら代表入りを逃していました。その前のバンクーバー五輪では2位に入って五輪代表となり,五輪で4位入賞。今シーズンは4年前の悔しさを晴らすべく,グランプリシリーズからずっと 3A を入れ続け,NHK杯で194点を出したことで,アシュリー・ワグナー 選手の今シーズンのグランプリシリーズ最高点(183点)を上回ったことが功を奏したと思います。3A に目を奪われますが,今シーズンの 長洲 選手は 3A 以外のジャンプがとても安定していたのが好調の要因でしょう。平昌五輪では女子唯一の 3A ジャンパーとして,8年ぶりの五輪を楽しんでほしいと思います。

 カレン・チェン 選手は,今シーズン苦しんでいましたが,昨シーズンのプログラムに戻す決断が効きました。昨シーズンは全米優勝,世界選手権4位ですから,戻す価値があったということでしょう。ただし,全米選手権では昨シーズンのクオリティーには及びませんでした。平昌五輪までに昨シーズンの自信を取り戻す作業をしていくことになります。

 ソチ五輪からの4年間の米国フィギュアスケート界を支えてきた アシュリー・ワグナー 選手の代表不選出は,とても残念でした。ただ,今シーズンは精彩を欠き,ケガもありましたので,バイオリズムが下降線の時に五輪が来てしまったのでしょう。興味深かったのは,カレン・チェン 選手が過去のプログラムに戻す決断をした一方で,ワグナー 選手はFSに新たなプログラムで挑んだことです。新プログラム「ラ・ラ・ランド」は,元々今シーズン用に用意していたものの,しっくりこなくて一旦過去のプログラムに戻していましたが,やっぱり全米選手権には「ラ・ラ・ランド」で勝負したいと考え,そのような決断になったようです。

 「ラ・ラ・ランド」はプログラム自体は素敵なものでしたが,無難な印象で ワグナー 選手らしさがあまり感じられない,というのが観終わった瞬間の私の感想でした。私は「ラ・ラ・ランド」の映画を観ていないので,選曲が良かったのかどうかを判断できませんが,主題歌の有名なフレーズがいつ流れてくるか待っていた私は,それが流れてこなかったので今一つ盛り上がれなかったなぁと感じました。有名なフレーズを使えばいいというものではありませんが,「ラ・ラ・ランド」といえばこの曲…というものをうまく入れれば,観客の盛り上がり方がもっと違ったのではないかとは思いました。

 結果論としては,戻していた過去のプログラムである「ムーラン・ルージュ」の方が ワグナー 選手の良さが存分に引き出された作品だったと言えます。「ラ・ラ・ランド」をここで持ってきたということはかなり良いプログラムなのだろう,と採点するジャッジは期待感を持っていたと思いますが,良い内容だけどそこまでじゃないなと思えば,初見のプログラムに対して高いスコアは出しづらかったのだろうと推察します。PCS が低かったのは,そういったジャッジの心理が働いた面があったでしょう。ただ,そうは言っても PCS 68点(満点の85%)は低すぎるとは思いますけどね…。これが72点なら,ワグナー 選手が3位になり,五輪代表になった可能性が高かったでしょう。

 過去プログラムに戻した選手が代表になり,新プログラムに果敢に挑んだ選手が代表落ちするというのは,やや複雑な気分になってしまうところですが,これも勝負のあや。4年前の全米選手権では,4位だった ワグナー 選手がソチ五輪代表に入りましたが,そのとき3位ながら代表入りを逃した 長洲 選手が今回は代表入りを掴むというところにも,ドラマがありました。長年,米国のフィギュアスケートを引っ張ってきた2人だけに,2人とも平昌に行ってほしかったです。代表の枠が3枠あっても代表をめぐるドラマがある…これぞ五輪シーズンだな,と改めて感じさせてくれた全米選手権でした。

スポナビブログ終了のご挨拶:平昌五輪の成功を信じて

spnvLogo 本記事は,私がスポナビブログ(2018年1月末閉鎖)に出稿した記事と同じ内容です。本記事はスポナビブログへの出稿を終了する挨拶として作成した記事であり,本ブログ(ライブドアブログ)は今後も継続いたします。


 本記事をもちまして,スポナビブログへの出稿を終了いたしますので,それにあたりご挨拶を申し上げます。

 あけましておめでとうございます。2018年,いよいよ平昌五輪の開催年になりました。2014年のソチ五輪で 羽生結弦 選手が金メダルを獲得した瞬間から,平昌五輪での連覇という偉業の達成を信じ,連覇の軌跡をこの目に焼き付けるべく,この4年間,フィギュアスケートを観戦してきました。

 ソチ五輪の感想を個人ブログに書いてみたところ,観戦の感動が大きくなる経験をし,それ以来,思いつくままにブログを書き連ねてきました。羽生 選手の中国衝突事故からの見事な復活,羽生 選手の300点超えの衝撃,女子シングル五輪代表2枠の落胆,宇野昌磨 選手の急成長,…。平昌五輪ではもっと多くのファンの方と交流したり共感したりしたいと思い,スポナビブログに参入しました。それまでは,多くて1日に20件程度のアクセスしかありませんでしたが,スポナビブログでは1万件レベルのアクセスがあり,さすがだなと思いつつ,ものすごく気が引き締まりました。

 参入2本目に書いた記事「宇野昌磨:昨季の驚異的な活躍と,今季の華麗なる賭け」でアクセスが数倍増えたのが,とても嬉しく印象に残っています。昨シーズンの世界選手権で,羽生 & 宇野 両選手の1-2フィニッシュとなったわけですが,メディアではどうしても 羽生 選手が多く取り上げられるので,宇野 選手のことをきちんと書いておかないと,と思い個人ブログに書きました。書くにあたりいろいろ調べてみると,宇野 選手の昨シーズンがいかにすごかったかに気づき,文章を書き進めるほどに感動が何倍にもなりました。さらに「もしかしたら 宇野 選手が平昌五輪の金メダルをさらっていくのでは?」という気持ちにさえなりました。平昌五輪ですごいことが起きるかもしれない,そういうワクワク感が大きくなり,この気持ちを共感したくて,個人ブログに書いたものに少し加筆をしてスポナビブログに出稿しました。この記事は「この記事を支持する」の件数が他の記事より圧倒的に多かったので,自分と同じ気持ちだった,あるいは記事を読んで同じ気持ちになって下さった方がたくさんいらっしゃったことが,とても嬉しかったですし,ブログっていいものだなと改めて実感いたしました。

 この記事に手応えを感じ,これから楽しくなるなぁと思った矢先に,スポナビブログ終了…って,おいっ!(笑) しかも,平昌五輪の直前に閉鎖って,せめて平昌五輪が終わってからにしてよ~と思ったのは,私だけではないでしょう。参入直後の閉鎖告知にガッカリしたものの,こうなったら逆に,全日本選手権までガンガン書いてやろうという気持ちが湧き,タイトルを「フィギュアスケートと,体操と,サッカーと」から「情熱的氷滑芸術」に変え,ブログの内容をフィギュアスケートに絞りました。

 グランプリシリーズは,どの選手がどの大会に出場するかを細かくチェックし,展開を予想しながら,6戦全てきっちりテレビ観戦しました。例年,グランプリシリーズはわりと流して観る感じだったので,6戦全てをきちんと観たのは初めてで,しかも,6戦全てのプレビュー記事と感想記事を書いたので,1週間に記事2本というなかなか大変な状況でしたが,各選手の動向がよくわかり,しかもそれをブログによって整理することができたので,とても充実した観戦ができました。

 全日本選手権も,誰もが予想したとおり,女子シングルで代表選考のドラマが生まれました。密かに応援していた 坂本花織 選手と,私がブログで最も話題にした選手だった 樋口新葉 選手との代表争いになり,熱くなった私は,FS(Free Skating,フリースケーティング)が終わった日の夜,ほぼ夜通し,坂本 選手なのか 樋口 選手なのか,個人的に予想しつつそのときの思考過程をブログ記事に書き残しました。このときは,代表選考する側の複雑な思いを,わずかながら感じ取れた気がしました。

 個人的には 坂本 選手推しだったので,代表に選出されて「良かった」という気持ちになりましたが,一方で,樋口 選手のことを思うと,今でも胸が締め付けられる思いがいたします。体が小さく,正直なところ見た目のハンデがあると言わざるを得ない 樋口 選手が,技術とスピードで世界と戦っている姿を見ると,こういう選手こそ脚光を浴びてほしいと思い,心から応援していました。昨シーズンの挫折を思うと今シーズンの躍動には胸を打たれ,昨シーズンの世界選手権や今シーズンのグランプリファイナルでは,ジャンプのミスに私はテレビの前で本気で悔しがっていました。そして,頑張りが報われるとは限らないという厳しい現実を,樋口 選手からも学ぶことになってしまいました。これだけ大きな経験をした 樋口 選手は,もっともっと強くなっていくと期待していますし,私も今まで以上に応援したいと思っています。

 全日本選手権の感想を出稿した日には,ブログアクセスランキングでスポナビブログ全体の1位をいただくことができました(でもこのランキングって正確さが怪しいですよね…)。多くの皆さんと思いを共有できたことは,とても嬉しい出来事でしたし,スポーツナビというサイトの大きさをまざまざと感じた出来事でもありました。ブログ参入から4ヶ月,スポナビブログの品位を下げないようにと,どうにか自分なりに考えて書いてきたことに対して,読者の皆さんからご褒美をいただいたと感じています。

 私が,このようなブログを書きたくなるほどにフィギュアスケートを本格的に観戦するきっかけになった出来事の1つは,ソチ五輪の直前に福岡で開催されたグランプリファイナルを会場で観戦したことでした。羽生 選手が初めて パトリック・チャン 選手(カナダ)を下して優勝しました。その後ソチ五輪で金メダルを獲得したことで,その金メダルの序章となる大会の目撃者になることができました。私が大好きなアイスダンサーの テッサ・ヴァーチュー & スコット・モイヤー 組(カナダ)と,宿敵の メリル・デービス & チャーリー・ホワイト 組(米)の戦いは,ものすごくハイレベルでとても感動し,アイスダンスの魅力にすっかりハマりました。3A(トリプルアクセルジャンプ)を観られた 浅田真央 さん,見事な演技だった リプニツカヤ さん(ロシア),繰り上げ出場ながら銅メダルを獲得した 織田信成 さんの演技が,今ではもう観られないことは残念でなりませんが,このときジュニアファイナルに出場した,田中刑事,ボーヤン・ジン(金博洋,中国),ネイサン・チェン(米),ソツコワ(ロシア),メドベージェワ(ロシア)の各選手が,現在シニアのトップレベルで活躍していることは,感慨深いものを感じています。会場で観戦することで,テレビでは感じることができない素晴らしい雰囲気を味わうことができ,フィギュアスケートをより興味深く観るきっかけになりました。

 福岡で生観戦した選手たちの躍動が楽しみな平昌五輪。絶対王者・絶対女王と称される 羽生,メドベージェワ 両選手がケガを抱え,2人が順当に金メダルを獲るという確信が持てない展開になりつつあります。男子シングルは,1-2フィニッシュの可能性がかなりあるという思いは変わっていませんが,羽生 選手が五輪前にどれだけ充実した練習ができるのかにかかっていると思います。女子シングルは,宮原 選手のケガ明け4戦の充実ぶりが素晴らしいので,メダルを獲れる可能性がかなり高まってきたと感じています。この2ヶ月は,平昌五輪を楽しみに過ごしたいと思いますが,運営上の問題,ロシア問題,北朝鮮の動向など,不安定な要素がある状況ですので,とにかく無事に開催されることを祈りたいと思います。

 五輪というイベントは,普段その競技をあまり観ない人にも広く観てもらえる,という意味で意義深いイベントだと思いますし,五輪のメダリストが称賛されることは当然だと思います。しかし,4年に1度のイベントなので,このタイミングで好調な状態を迎える選手もいれば,不調の波に入ってしまったり,ケガに見舞われる選手もいます。私は,五輪を過度に重視するのではなく,五輪と共に毎年の世界選手権の成績こそが選手の価値を示すものだと思っています。羽生 選手は確かにすごい選手ですが,世界選手権を3連覇した チャン 選手や,2連覇した ハビエル・フェルナンデス 選手も同じくらい高く評価されるべきだと思います。私が今シーズンこれだけ盛り上がっているのは,五輪だからというより,羽生 選手の五輪2連覇の可能性や,日本女子シングル2枠の激闘に注目したからです。五輪での好成績を過度に求めるようなことは差し控え,五輪はお祭りとして盛り上がりたいと思っていますので,今後もそういうスタンスを堅持して,応援したりブログで発信したりしていきたいと思います。

 本記事をもちまして,スポナビブログへの出稿を終了いたします。約4ヶ月という短い期間でしたが,アクセスしていただいた皆様に厚く御礼申し上げます。ブロガープロフィール欄に既に記載いたしましたが,今後はスポナビブログ参入前から書いていた個人ブログ「マイクを持てば酔っぱらい」にて,引き続きブログ記事を発信していきます。また,スポナビブログの記事は,この個人ブログに二重投稿してありますので,スポナビブログが完全に閉鎖されても記事をご参照いただけます。当面,平昌五輪までは頻度よく発信していきたいと考えておりますので,今後は個人ブログの方をよろしくお願い申し上げます。

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