カラオケでは,普通は男性は男性歌手の曲を,女性は女性歌手の曲を歌うことが多いと思います。でも,男性が女性歌手の曲を歌っちゃいけないことはないですし,私(男性)もよく女性歌手の曲を歌います。私のカラオケ仲間では,一時期,積極的に異性の歌手の曲=「異性曲」を歌うのが流行っていたことがあります。異性曲なんて気持ち悪い,と思う方もいるかもしれませんが,選曲や歌い方をちょっと気をつければ,カラオケの違った面白さを感じることができると思います。その面白さとは,
- 普段歌わないので,新鮮な感覚で歌える (マンネリ打破)
- 異性が歌うことで曲の良さを再認識できる (「この曲ってやっぱりいいね~」)
- 歌っている人の新たな魅力が引き出される (「こんな歌い方もできるんだね~」)
- 聞き手が面白がったり,意外とハマって盛り上がったりする
といった感じでしょう。これって,歌手の 徳永英明 が女性曲のカバーバージョンのアルバムを出して大ヒットした理由と同じなので,なるほどと思っていただけるのではないでしょうか。また,異性曲を加えれば単純にレパートリーが広がるという効果もありますね。
さてさて,異性曲を歌うときにちょっと悩ましいのはキー(音の高さ)のことではないでしょうか。男性が女性歌手の曲を歌うと,
- キーが高すぎて(音域が合わなくて)玉砕
- かといって1オクターブ下で歌うと,キーが低すぎてモゴモゴした歌になってしまう
ただ,キーの調整の仕方によっては,原曲とガラッと雰囲気が変わり,歌うときに「この曲ってこんな感じだったっけ?」と戸惑ってしまう場合があります。徳永英明 のカバーではあえてキーをガラッと変えていますが,これはプロだからできることで,私たちには原曲の雰囲気が頭に強くインプットされていて,音感を持っていなくても案外その影響を受けてしまうのです。そこで,私がお勧めするキー調整方法をご紹介します。
【男性が女声曲を歌う】
- 原曲キーだとちょっときつい曲 … 原曲キーから -2 (または -3)
- 原曲キーだとかなりきつい曲 … 原曲キーから -7 (または -5)
【女性が男声曲を歌う】
- 原曲キーだとちょっときつい曲 … 原曲キーから +2 (または +3)
- 原曲キーだとかなりきつい曲 … 原曲キーから +5
ちょっとだけきつい場合 ±2 がお勧めで,それでもしっくりこなければ ±3 もありかなという感じです。かなりきつい場合,男性が女声曲を歌うケースでは -7 がお勧めです。もし機械で -7 の調整ができない場合は,+5 で調整して1オクターブ下で歌えば -7 調整と同じことになります。
±1 や ±4 だと,曲の雰囲気がガラッと変わってしまう場合があるのでお勧めしません。なぜこれらのキーではなく,±2,+5,-7 というキー調整がお勧めなのかについては音楽的な理由があるのですが,説明が長くなるのでここでは割愛します。
-7 というキー調整が極端では?と感じる方もいるかもしれませんので,例を挙げて説明してみます。映画「アナと雪の女王」でおなじみの「Let It Go」は,男性が原曲キーで歌うのは大半の人が不可能だと思います。そこで,-7 のキー調整をすると,男性カラオケの超定番曲と音域が同じになります(その2曲の音域を音域DataBaseで並べて表示)。
「Let It Go」の音域を7音(正確には半音7つ分)低くすると「離したくはない」と同じ音域になることがわかると思います。つまり「Let It Go」のキーを -7 で調整すると「離したくはない」の原曲キーと同じ音域で歌えるわけです。これなら,大半の男性が気持ちよく歌えると思います。それでいて,非原曲キーながら原曲っぽい雰囲気の音程なので,聞いている方も違和感なく聞けて「男性が歌う Let It Go もいい」と盛り上がってくれるんではないかと思います。
このようにキー調整の幅を決めてしまうと楽ですが,曲によって,また歌う人によって,適切なキー調整の幅は異なりますので,私のお勧めの調整法ではしっくりこないことも多いと思います。そこで,歌いたい異性曲のキーをどのくらい調整すればよいかを,音域DataBaseで調べる方法をご紹介します。
- 歌いたい異性曲を検索して楽曲別情報画面を表示
《例: 女性が Mr.Children「HANABI」を歌いたい》 - その画面の下の方にある楽曲基点検索で,検索条件を【音域幅】【と同じ】【同性異性問わず】と指定して検索
- 表示された曲の一覧の中から,自分が歌いやすい曲を見つける
《例: 石川さゆり「天城越え」が歌いやすい》 - その曲の音域が,歌いたい異性曲よりどのくらい低いか/高いかを確認する。その分だけキー調整すればよい
《例: 「天城越え」は「HANABI」より5音高いので +5 でキー調整》
異性曲のキー調整方法の一例をご紹介しました。今まで異性の曲だからと歌うのをためらっていた方も,キーを自分の歌いやすい音域に調整してぜひ歌ってみてください。新しいカラオケの世界が開かれると思いますよ!
- 《本記事を書くきっかけとなったブログ》
- カラオケのレパートリーを倍増させる方法 (とつかボーカル教室 さんブログ)